ギルドの運営は順調なようだな
ええ。それと言うのもOl様が下さった変化のおかげですわ
ネリスは、スカートに深く入ったスリットからすらりとした脚を覗かせてみせる。
彼女は豊かな胸元と気品のある物腰、そしてそのスリットから覗く美しい脚で、ギルドでも特に人気の受付嬢であった。その上品な立ち居振る舞いや口調から、上層壁族の令嬢なのではという噂すらある。
随分とモテているようで何よりだ、ナギア
そしてその正体は、蛇の下半身を持つ美女、尾族のナギアだ。彼女はそれなりに派手に動いていた為、名も売れている。念の為に偽名を使い人族に化けて、冒険者ギルドの受付嬢をしていた。
壁族令嬢どころか最下層の魔族奴隷だと知ったらどんな顔をするかしら、とナギアは内心ほくそ笑む。
あらOl様、焼きもちですの?
幾多の愛人を抱え込むOlが嫉妬などするはずもないが、ナギアはそう言って彼をからかった。
悪いか?
だが、するはずも無いそれをしていると告げる彼に、ナギアは内心驚愕する。
では確認してみますか?わたくしが他の男のものを咥えこんでいるかどうか
そうさせてもらおうか
スカートをたくしあげ、下着が見えるかどうかギリギリの線まで脚を露出して見せれば、Olは素直にそれに乗ってきた。
え、えっと、それではどのような体位でなさいますか?
変化は解かないのか?
やや動揺しつつもナギアが問うと、Olは不思議そうにそう尋ねた。これからまぐわおうと言うのに、美しい人の脚より醜い蛇の下半身がいいと言うのだ。
もう!あなた様のような方がいて、浮気なんてする訳ないじゃありませんの!
ナギアは堪らなくなり、Olに抱きついて口付けた。変化を解いて、蛇の下半身でぐるぐる巻きにして一生自分だけのものにしてしまいたい気分だった。
ですが今日は、この姿で愛していただけませんか?
構わん。元が美しいものは変化してもその美しさは変わらぬからな
蛇の身体では取れる体位が著しく制限される。色んな形で抱かれたいナギアの提案に、Olはまたしれっとそんなことを言う。
もう!もう!本当にそういうところですわよ!
ナギアは枕をOlの胸板に叩きつけると、休憩室に設えられたベッドの上に四つん這いになった。
今日は後ろからお願いいたします
なるほど、これは蛇の身体では出来ぬ事だな
Olは敢えてナギアの服を脱がさず、スカートの中に手を入れ下着をずらして中に指を差し入れる。
もう準備などとっくに出来てますから、Ol様のお情けを早くくださいまし
何度も嬉しい言葉を投げかけられ、ナギアのそこはすっかりびしょ濡れになっていた。前戯さえもどかしく、ナギアは尻を振って懇願する。
侵入してくるOlの硬いものに、ナギアは高く声を上げる。
一度、こうして思いっきりあんっ!お尻に腰を打ち付けられて、犯して欲しかったんですのああっ!
先程の男はお前とこうする事を夢見て貢ごうとしているのだろうな
あんっ!可哀想ですけど、その夢は叶いませんわ。わたくしが身体を許すのはOl様だけ、わたくしの中を使っていいのは、あなた様だけなのですから!
その言葉を証明するかのように、ナギアの膣口がOlの一物をギュッと締め付ける。
では俺の物という証を刻んでやろう
はいっ、下さいませ!わたくしはOl様だけの物だと、子宮にマーキングしてくださいませ!
一際強く突き込まれ、大量に腟内に流し込まれる感覚に、ナギアは思い切り絶頂するのであった。
Ol様は本当に酷い方ですわ。こんなに気持ちいいことを教え込んで離れられなくしておいて、ご自分は他に何人も囲ってらっしゃるのですもの
情事の後、ベッドの上で蛇の下半身をOlに巻き付けながら、ナギアは彼の胸元を指先でつつく。
ふむ。ではお前が一人で俺の欲求を満たしてくれるか?
死んでしまいますわ
だがOlの言葉に、すぐさま白旗を上げた。今も数え切れないほどイカされ何度も奥に注がれて、腰が抜け変化を維持することすら出来なくなっているのだ。これを毎日どころか朝昼晩と繰り返されては、比喩ではなく本当に死ぬ。
それで、ギルドの方は有望そうな者はいたか?
そうですわねやはり一番目立つのはスィエル姉妹ですわね。有力壁族だけあって、他の冒険者たちとは桁違いですわ。それ以外では先ほどのシェロ様やブルゴ様、カヴァ様辺りは中層第二区画程度の力は持ってらっしゃいますわね
仕事の話になってしまったことを少し残念に思いつつ、ナギアはスラスラと答える。彼女はギルドに登録している冒険者たちの顔や能力、人となりを全て把握し、ドロップ品の価格もほとんど暗記している。その有能さも人気の理由の一つであった。
だが、その情報にOlの期待していたものは含まれていなかったらしい。彼は難しい表情でそう呟くだけだった。
引き続き有望そうな者が見つかれば報告してくれ
かしこまりましたわ。最近また冒険者の方が増えて手が足りなくなっていますから、受付の数を増やして頂けますとありがたいです
わかった。手配しておこう
それにしても、とナギアは感嘆の息をつく。
あっという間に大きくなりましたわね。まさかこんなにうまくいくとは思っていませんでしたわ。ギルドもあの、貨幣というアイテムも
そうか?
Olとしてはこの世界に通貨がないことの方が驚きだった。何せフォリオですら、コインを見せられてそれが何なのか分からなかったのだ。ドロップ品として出てこないものは自分で作ろうという感覚そのものがないらしい。
だって、そうでしょう?ただのがらくたをスキルやアイテムと交換しろと言って、する者がいるとは思いませんわ
最初に、Olは貨幣を大量に配った。冒険者として登録したものに貨幣を一定数渡し、それをドロップ品と交換するという話を広めたのだ。
そこまでであればナギアも理解できる。要するに登録しただけでタダで物をもらえるという話なのだから。別に冒険者には上納の義務がついてくるわけでもない。
俺がいた世界には悪貨は良貨を駆逐するという言葉があってな
悪人が善人を虐げ蔓延るという意味ですの?
ナギアの問いに、Olは首を振る。
いや、言葉通りの意味だ。この場合、悪貨とは何の使い道もないがらくたである貨幣。良貨とは使い道を持ちそれ自体が価値を持つスキルやアイテムの事になる
Olは手のひらにコインと服を召喚し、ナギアの前に差し出す。
100フルの値を付けている服と、100フルのコイン。お前はどちらが欲しい?
それは勿論、服に決まっておりますわ
ちょうど全裸であったことだし、何よりOlから服を貰えるというのが嬉しい。
そうだ。同じ価値なら人は有用なものを手元に置きたがる。コインで支払えるのならコインを使いたがるのだ。そして市場からは、物々交換という形態は消え去る