狩猟具のスキルとフィッシングマスタリーの自動補正でリールを巻くまでの距離が算出されたって所か。
無理矢理釣り上げるには難易度が高めの奴を引っかけたって事で間違いは無さそうだ。
こりゃあ良い相手だな。みんなが帰って来るまでに釣り上げてやる!
ワクワクしてきた!
引っかかった大きな魚はうお! 砂の中にある岩を跳ね上げてこっちに向けて飛ばして来やがる。
だが狩猟具のスキルを持つ俺はそう言った攻撃には倍速モードになって回避に入らせて貰うぞー!
飛んで来た岩を避けつつエレキショックは砂の中にいる魚への効果は薄いんだよな。
なら一本釣りとかのスキルで一気に引き上げるか?
いや、無理だろうな。
ペックルを呼び出して攻撃? 砂の中にいる魚への攻撃をペックルがするのは難しい。
さすがに砂には非対応な訳だし。
となると出来る事と言ったら破城槌!
さっきも使ったこの釣りスキルで砂の中にある岩にぶつけてやるのが効果的だな。
オラァ! 喰らえ!
と、闇雲に破城槌を使って見るけど上手く当たらないか?
ふぬぬぬ
ギリギリとリールを巻いたりするのだけど引きが非常に強く全く引き寄せが上手く行かない。
砂の中に居て攻撃が非常にし辛いパワーのある魚ダインブルグサンドワームよりも釣りづらいとはな。
逃げる大きな魚を砂の上で追いかけて砦の裏手での攻防になる。
ミリーさんが調査してる地域が近い!
それと注意しないと行けないのはマグマの堀に破城槌をしてしまうとマグマダイブでダメになってしまう可能性か。
細心の注意を払いながらマグマに落さず、砂の中にある岩へと感覚を頼りに激突を行う。
ってやっていた所で砂の中の魚が不自然に迂回する。
一直線に逃げても良いはずなのに何か変に避ける所がある岩でもあるかな?
おっし! 岩があるなら破城槌のチャンスだ。
絶妙に攻撃しづらいからこそ逃さないぞ!
怨嗟の雄叫び
破城槌!
ガツン! っと良い感じの手応えが発生する。
やっぱりそこに岩があるようだ。
あらよっと!
二度目のガツ! って攻撃を行う。
絆さん、随分と賑やかな音をしていらっしゃいますね
そんな所で調査をしていたミリーさんが騒ぎを聞きつけてやってくる。
あ、ごめん。砂地に大きな魚っぽいのを見つけたから引っかけたらこうなっちゃってさ
いえ、気になさらず、何か手伝える事はありますか?
砂の中に潜ってるから難しいと思うけど、何かある?
そうですね私も魔法使いとしてのスキルを習得してますので砂地となるとこの辺りが効果的でしょうか
と、ミリーさんが魔法詠唱に入る。
スコール!
サァっと引っかけた魚の居る場所に向かって雨が降り注ぐ。
おお、雨を降らせる魔法か。
砂地に水が染みこんで魚の動きが鈍り始めた。
泥には対応してないって事かも知れない。
いやーミリーさんも中々やるね。
おーし! これでも喰らえ!
追撃の破城槌で固い岩へと更に魚をぶつける。
ガッツン! って手応えと共に地響きが発生する。
良いダメが入ったのかどう見ても動きが鈍って来てるぞー。
後はこれですね
サササとミリーさんはまだ抵抗を見せる魚のいるであろう場所の上にまで行ってケミカルアシッドボムトマトを並べておく。
おおーさすがはクレイさんの奥さんだね。
手際の良さというか発想がいやらしい。
絆さん、大分浅い所まで引っ張れたのでしょうからやる事は分かりますね
もち! 一本釣り!
ミリーさんが敷き詰めたケミカルアシッドボムトマトの部分に向けて一本釣りをして砂の上から出す。
ザバァ! っと大きな砂の中にいる魚なんか大きなアンコウのような奴が出てきてケミカルアシッドボムトマトが潰れて顔面を焼く。
うわこれはえげつないなぁ。
ビチビチ! っと砂の上でしばらく跳ねていた。
トドメです!
そこにミリーさんがケミカルアシッドボムトマトを投げつけて行く。
いや、ミリーさん。もう少し遠慮をして差し上げて! ってくらい哀れな姿で悶えてる!
大きなアンコウのような奴は一際強く跳ね上がって地響きを立てそれ以上動かなくなった。
釣り上げる事が出来たようだ。
おーし! 釣り上げ完了!
上手く釣り上げる事が出来て良かったです
ミリーさんのお陰かな
それ程ではないと思います
いやー、雨を降らせるとかで相手の動きを鈍らせてくれたからだと思うなー。
しかし、砂の中でも水の魔法は結構効果的なんだな。
ダインブルグサンドワームの時を考えると当然なのかもしれない。
俺もその辺りを上手く使いこなせるようにならなきゃいけないか。
何にしても釣った魚を確認っと
で、名前を確認するとヌシ・デザートアングラーと記載されていた。
大きいなー4メートルくらいはあるぞこのヌシ・デザートアングラー。
皆さんに見せてから解体でしょうね
ミリーさんも分かってるね
クレイから聞いて居ますし、発掘時に色々と話をしてますからね
そりゃあ分かるか。
ここのヌシはコイツって事なのかなーマグマの堀の中にヌシが居たら良いと思ったんだけど
そちらにも居るかも知れないですね
って雑談をしていると、ピシと、なんか嫌な音が響き渡る。
直後、ドゴン! って爆音が聞こえ砂地に突然大きな流砂が発生した。
キャア!?
俺とミリーさんは急いでその流砂から逃げようとしたのだけど砂がなだれ込み、流砂の中へと俺達は巻き込まれてしまう。
で、俺の視界は何に向かっていたかと言うと流砂からしっかりと逃れているヌシ・デザートアングラーだ。
ヌシがぁああああ!
このままじゃ解体出来ずに流砂に俺達飲まれる!
釣り竿を振りかぶってルアーを飛ばし、硝子みたいに引っかけて逃げようとしたのだけどルアーは空を切り流砂の中心点に俺とミリーさんは流されてしまい、流砂に落ちて行った。
うわぁああああ!
ああああ!
クエスト名太古から続く怨嗟の雄叫び』
メンバー 2 ミリー
ちょ、ここでヌシをその場で置いてきて突発的なクエストに巻き込まれるって事なのかよ。
ドサッと砂と共になんだかよく分からない空間に俺とミリーさんは落下してしまった。
いたたた
痛みはゲームなんで無いのだけどなんとなくで言いつつぶんぶんと立ち上がって体に付いた砂を振り払い、ミリーさんに駆け寄る。
うう
ミリーさん。大丈夫?
ええ、問題はありません。ですが
起き上がったミリーさんが周囲を見渡しつつ俺を見つめてくる。