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カンベンしろよ、鼻血出るだろッ

気が付いたら、異常に無口で引っ込み思案なオレが、新しい1年2組の教室の隅っこで小さくなっていて

何か体は震えてくるし、立ちくらみはするしダメだこりゃ

オレの高校生活初日からすでに絶望的ブラック・アウト状態

うつむいて、ふぅと小さく溜め息を吐く

そしたらそしたらだ

どうしたの、君具合、悪いの

突然、すごい可愛らしい声が聞こえてきて

ふっと、声の方を見るとあれあれれれれ、オレの前に天使が現れた

な、な、な、なんて可愛い子なんだろう

その女の子は、目がおっきくて、髪は肩までのストレートで、それがサラサラフワッとしてて、キューティクルが輝いてて胸はどっちかっていうと小ぶりで、巨乳じゃないけれど、ツンとしてて上向いてて、多分、美乳美乳に違いないッ|(女の生乳なんて見たことないけれど)そして、また脚が細くて、スラッとしてて、余計な肉が付いていなくて、つるんとしててぬああああああ

保健室に行った方がいいわよ一緒に行く

て天使が、オレに話し掛けているッッ

いっ、いえっ、だ、だ、だ、大丈夫ですからっ

そうならいいけど無理しないでね

あ、あ、あ、ありがとう

あ、あたし白坂雪乃よろしくね

天使は、そう微笑んで、オレから離れていった

し、白坂雪乃さんっ

こ、こんな可愛い子が、お、同じクラスなんだっ

思わず、白坂さんの後ろ姿を目で追う

オレなんかと違って、彼女は新しいクラスですぐに友達を作ったみたいで、女の子たちのグループで笑って話している

その微笑みがまたキュートでああ、ずっと見ていたい

それが、白坂さんとの出会い

その日以来、オレはもう白坂さんに夢中

毎日、白坂さんばかり見ている

遠くの方から、こっそり彼女を見ている

昼休みに美味しそうにお弁当を食べてる白坂さん

眉毛を八の字にして数学の問題を解いている白坂さん

体操着姿で体育座りしている時の姿なんて、もう最高の美少女って感じで

いつも白坂さんは、ニコニコしているその笑顔が可愛い

誰にでも優しく話し掛けるし、頭も良くて勉強もできる|(入学試験はトップ3の成績だったらしい)

しかも、ただ優しいだけじゃなくって、とってもしっかりしていて、掃除当番をサボろうとした男子に、ルールが守れない人は、あたしサイテイだと思うわっなんてハッキリ文句を言ったこともあった

その毅然とした態度が格好良くて、また人気が出ちゃって入学してまだそんなに間もないのに、今やクラスの女子たちの相談役とかにもなっている

だからきっとオレみたいのが話し掛けても、彼女はきっと普通のクラスメイトとして当たり前に話をしてくれるだろう

それは判っている判っているんだけど

オレには彼女に話し掛ける勇気がなくて入学式の日以来、彼女と話したことはない

話せないよ

話したら嫌われる

絶対にオレ、白坂さんのこと、エッチな目で見ちゃってると思うし

どうしたって白坂さん、魅力的だし

ああ、あんな子と付き合えたら最高だろうなあ、幸せだろうなあとは思うんだけど

でも、あんなに綺麗で可愛い子が、オレと付き合ってくれるハズがない

何より、付き合うって何することなのか、オレ、よく判らないし

オレ、実際のところ、女の子とデートとかもしたことが無い

デートって、何処行けばいいのかも判らない

何回デートしたらキスしていいのかも判らないし

それこそセックスなんて、何回目のデートで解禁になるのか知らないし

はぁ

そんな具合で、入学式からのここ一ヶ月弱というもの、オレの頭の中は毎日、白坂さんのことばかりで悶々としている

(ああ、白坂さん白坂さん白坂さぁぁん)

と、放課後の男子トイレの個室の中で、白坂さんの姿を思い浮かべている、オレ

ああ、情けないッ

いいんだよ、いいんだよ、オレは白坂さんを遠くから見ているだけで、それで満足なんだ

毎日、あの可愛い微笑みが見られれば、それだけで

しっかし、うちのクラスの白坂って、見れば見るほどいいオンナだよなあ

ふと気が付くと、ドアの向こうからそんな声がした

オレがブッ太いのを排泄している間に、何人かがトイレに入って来たらしい

あいつゼッタイ処女だぜ処女あー、白坂の中にブチ込んでみてぇなぁ

声の主は、どうやらオレのクラスの小林のようだ

となると連れション相手は、相棒の大宮に違いない

ここでは仮に連れションマン1号、2号と命名することにする

えー、お前知らないの最新ニュース

へ何の話だよ

あのさ、白坂雪乃にオトコができたらしいぜ

瞬間、オレはトイレの便座の上で凍り付いた

あちゃ~と思った

ありゃりゃ~とも思った

とほほ~とも思った

そして全身の血が、一瞬にして沸騰した

るええーッッ

し、し、し、白坂さんにオトコができたぁぁ

ブヒーッがががぁぁーんッッ

オレは個室の中で、思わずウンコする力を緩めて、聞き耳を立てるッ

えー、嘘だろと、連れションマン2号

そうだ、嘘だと言ってくれ、連れションマン1号よッ

嘘じゃねえよマジな話

えー、誰だよ相手は

そ、そ、そ、そうだ、誰だ誰だ相手は誰なんだ

それがよぉあの遠藤だってよ

エンドウあの遠藤ってどの遠藤だよぉぉっ

えー、遠藤って、野球部の

そう、その遠藤

あ、遠藤って、うちのクラスの遠藤ケンジかぁっ

はー、あの遠藤なら仕方ないかもなあ

な、な、な、何を言う

仕方ないことなんかあるかっ

遠藤ケンジなんて、顔が良くて、背が高くて、家が資産家で、スポーツ万能で、一年生なのに野球部のレギュラー獲れそうだっていう噂で、一年女子にモテモテでただそれだけのオトコじゃないかっ

例えヤツが完全無欠のスーパー高校生だったとしても、だからって、だからって、だからってそれで白坂さんと付き合っていいわけがないっ

そうだろ、そうでしょ、そういうもんだろうなあ八百万の神々よ

まあ仕方ないよな、あの遠藤じゃあ

そ、そんなことないやいぃっ

許さんこのオレが許さないぞぞぞぞあーッ

んで、いつからなんだよ

何が

だから、いつから付き合っているんだよ、白坂と遠藤

そっそっそ、そうだ、それが大事

よくぞ気が付いたな連れションマン2号

ホメてつかわすぞ

あー、二人はいつからの関係なのだ

あー、白坂さんの唇はまだ汚されていないのか

いやいや、それどころか白坂さんの純潔は

しょ、しょ、処女膜は無事なのかかかかかーッ