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瑠璃子がそっと呟く

あたしも本当の家族がうつろなんですだから黒森の旦那様の家族に入れていただいたんです

この人があたしの旦那様です世界中の人間があたしを見捨てたとしても、あたしの旦那様だけは絶対にあたしを助けに来て下さるそう信じられる、たった一人の家族です

あたしもそうよ自分が、今すぐ死んでしまうとしたら側に居て欲しい人それが彼なのあたしの主人よあたしの家族です

みすず、渚

わたくしはご主人様とみすず様をお守りする番犬です絶対にわたくしは、このお二人の幸せを守ります

番犬じゃないわあたしたちの家の中に入っていらっしゃい

美智だってもう、あたしたちの家族なんだから

オレが割り込む

みすず美智は、そういう言い方じゃダメなんだ

オレは、美智を見る

美智命令だオレの家族になれ

わたくしは下僕です忠犬です道具ですご主人様の玩具です家族なんて大それた

大それていない

オレは、きっぱりと言う

下僕でも玩具でも、何でもいいからオレたちの家の中にいろ家の中にいれば、犬でも猫でも玩具でも、みんな家族だ美智が幸せな気持ちにならないと、オレたちが幸せになれないんだそう思って一生懸命、幸せになれ

美智が身体を震わせる

もったいのうございますっ

もったいなくないっ

オレは、眼の前の美智を思いっきり抱き締める

どこにも行くなずっと、オレの側にいろっ

はいはいかしこまりましたぁぁ

美智がオレの腕の中で震えている

命令だからなっ美智は、オレの家族だっ

はいっ家族ですっ家族になります

そんなオレたちを見て渚が、瑠璃子に言った

こういう関係よあたしたち本当の家族ではどうすることもできない女たちを彼は受け入れてくれているの

そうですそれに旦那様は、誰でも見境なく受け入れていらっしゃるわけではありません旦那様が家族になさるのは心の美しい、だけど傷ついている娘だけですから

瑠璃子さんがお会いになった人たちでも旦那様は黒子さんは受け入れませんから

雪乃を受け入れていない

黒子さんだって身の回りの状況は、他の娘たちと大して変わらないんです

いや、みすず雪乃はマナの実の姉なんだから

状況が大して変わらないどころか同じくらいヤバイ

白坂本家は、雪乃にも抹殺指令を出しているんだから

でも旦那様は、ああいう下品な女性は家族にはなさいません

あんな面白衣装に、変なメイクをしているのは雪乃の趣味じゃないんだから

そこまで言うのは、可哀想なんじゃないか

そこまで、他の女たちと雪乃に差を付けているか

いや、みすずは自信満々に言っているし

渚も美智も、うんうん頷いているから

みんなからは、そう見えているんだ

自分では全然、気付かなかったけれど

今のお話をお聞きして、安心しました黒森様は、ちゃんと女性の本質を見る眼をお持ちなんですね

る、瑠璃子

他の人たちから見て、雪乃ってどんな女に映っているの

時間のある時に、じっくり聞かせて欲しい

しかしわたくしには、まだ納得できませんみすずお姉様は黒森様を独占なさりたいとは思われないのですか

瑠璃子の問いは、もっともだ

時々は、独占したいと思います

でも、あたし旦那様に相応しい女にならないといけませんから

相応しい

みすずの答えに瑠璃子は驚く

そうですあたしにはやらなければならないことがありますそれを一生懸命やらなければ、旦那様に愛していただくのに相応しい女になれません

あたしも、そうよあたしは今、お花屋さんをやっているの一生懸命、お店で働いてそして、あたしの可愛い娘今、隣の部屋で遊んで貰っている子ねあの子を幸せに育てていかないとねそれが、あたしのやらなくてはいけないことあたしの現実一人だけだと心細くって、夜にベッドの中で泣いたこともあるわでも、今は平気彼がいるから本当に心が辛くなった時は、彼が慰めてくれるって判っているから毎日、一生懸命生きられるの

あたしはそれでもやっぱり、香月の娘であることからは逃げられませんこれが、あたしの現実だから闘います香月の家に関すること恨みも妬みも陰謀も、全部きれいに吹き飛ばして、みんなが幸せになれるようにするそれがあたしの夢よ

あたしは香月の娘に生まれたという運命に流されないわ誰が従容として運命に負けるものですかあたしは闘いますそしてあたしだけでなく、香月の人間全てが幸せになるように努力しますもう、どんな相手も怖くはないわ本当に辛くなったり、悲しくなった時には旦那様にいっぱい甘えますからそして、旦那様からエネルギーをいただいて、またあたしは闘いに行くの

だからあたしは瑠璃子さんのことも決して見捨てないわあたしと旦那様は、あなたも幸せにするそう決めたんだから

みすずお姉様は、本当に香月の家を変えられると

変えるわあたし一人の闘いじゃないものあたしには、旦那様がいる旦那様の家族もいてくれるみんな、あたしを助けてくれるわ

みすずから渚へ

ええ何でも助けるわよあたしたちは彼を通して、みすずの家族だから血の繋がりは無いけれど命懸けで助けるわよ大切な家族だもの

渚から美智へ

はい何でもご命令に従いますわたくしたちには、掛け替えのない絆がございますから

瑠璃子の香月家を頂点とした、世界観がゆっくりと崩壊していく

そんな家族が世の中にはあるのですね

そうよ彼の他の女にはねこれからパン屋さんを始める子もいるわもちろん、あたしたち全員でバック・アップするわ

今日だってあたしの発表会のために、家族みんなで応援しに来てくれたのよっ恵美さんは、陸上部の部活を頑張っているんですって今度は、あたしが応援するわっマナさんは、スーパーモデルになりたいんだってだから、あたしこれから良い先生を探してあげないと

みすずに、渚が言う

家族ですものっ何でもしてあげたいものねっ

はいっだからあたしは、旦那様を独占しないし他のみんなも同じ気持ちなのよもう家族なんですものっその時に旦那様を必要としている人に旦那様は、元気を与えて下さるんだからあたしたちは自分の夢に向かってそれから、家族の夢のサポートに、精一杯突き進めばいいんですものっ

みすずの言葉に、美智がうんと大きく頷く

本当にオレの女たちは良い人ばっかりだ

頭が良くて素直で優しくて

オレにはもったいない

ごめんみんな、オレ

オレこそ頑張るからみんなに相応しい男になるから