そのことは判っているさっきの様子も見たこいつは、とても頑張っているようだな
言葉では褒めているけれど閣下の言葉には、険がある
その点、お祖父さん役はお徳よ孫娘たちを、可愛がってあげるだけでいいんだから
渚の勧誘が続く
あたしたちシゲちゃんの孫娘になるわシゲちゃんに甘えるし優しくしてあげる家族として、シゲちゃんを受け入れるわ想像してみて
ニッと微笑む渚
黒森御名穂が、高梨克子が、片貝渚がシゲちゃんの孫娘になるのよ損得関係無く、シゲちゃんを慕い、シゲちゃんのために働くわもちろん、あたしたちの1番は彼だけどシゲちゃんのことは2番目に大事にしてあげるマルゴ・スタークウェザーが、奈島寧がシゲちゃんの孫娘になるのよ吉田恵美に、吉田マナ、工藤美智、片貝真緒っていう、今が可愛い盛りの女の子たちも、みんなシゲちゃんをお祖父ちゃん、お祖父ちゃんて慕ってくれるわよ
可愛くない男の孫も付いてくるのだろ
しょうがないでしょうその子が核なんだからそしてねシゲちゃんあなたの可愛い、香月みすずがあなたの孫娘として帰ってくるわよ
はいっお祖父様お祖父様があたしたちの家族に入られるのなら、みすずは喜んで歓迎致しますっ
みすずも、勧誘に加わる
孫娘全員でシゲちゃんを歓迎するわ
そうよね美智
みすずが美智に振る
はいっわたくしはそんなに可愛くないですが
美智に閣下が言う
いや、お前も可愛いぞ黙っていればな
ポッと赤くなる、美智
褒められたところだけ受け入れたらしい
黙っていればの部分は、無視か
さーてどうするシゲちゃんそうそう忘れていたけれど
お祖父ちゃんには、あたしたちと彼のセックスは全部、公開しますわよっいつでも、見放題
みすずの処女喪失の時の映像もお見せします渚様に撮っていただいた映像があるんですっ
あそう言えば、撮ったな
その後のもお祖父様には、みすず感じているところ、全部お見せしますからっ
みすずの言葉に閣下は
多少騙されているような気もするがふん確かに悪い申し出ではないな
閣下の口元が緩む
君たちがどういう人間なのかは良く判った信頼できる取引のできる人間の集まりだということを何より、みんな美人揃いだいいだろう、君たちを私の孫として受け入れるよ
渚が反発する
そうじゃないでしょ、お祖父ちゃんお祖父ちゃんが、あたしたちの家族に入るのあたしたち、別に香月家とかどうでもいいんだからっ
判った、判ったでは、私を黒森の家族に入れてくれ
はい、いらっしゃいお祖父ちゃん
渚がニコニコ笑って、返事をする
ようこそお祖父様
よ、よろしくお願いしますお、お祖父様
美智も閣下を受け入れる
オレは閣下に頭を下げた
いや私の方が新参者だよろしく頼むぞ
閣下はオレに、そう言ってくれた
こうして閣下が、オレたち家族の一員となる
ではお祖父ちゃん今、あたしたち孫が、お祖父ちゃんに何を求めているか判るわよね
瑠璃子さんお祖父様のご命令なら、何でも聞くのよね
みすずが瑠璃子に
閣下が瑠璃子を見る
瑠璃子お前も、黒森の家族に入りなさい
しかし、お祖父様
お前は勘違いをしておるよ
祖父が穏やかに、言った
香月の家の将来などどうでもいいことだ私の代で潰してしまったって構わんよ家族の機能しない家など家では無い
瑠璃子はジッと祖父の言葉を聞いている
だが香月の家の呪縛が、お前には幾重にも掛けられているお前は、普通の結婚は出来ない普通の恋愛もだ
ですからわたくしは
もし、瑠璃子が幸福になる選択肢があるとしたらそれは香月でなく、黒森の家族に飛び込むことだろう少なくとも、ここにはお前を愛し、受け入れようとしている人間が何人も居る
それで香月の家は、どうなるのですか
瑠璃子の問いに、閣下はみすずを見る
お前は、どうするつもりだどうせ、もう何か思い付いているのだろ
はい、瑠璃子さんにはヴァージン・クィーンになっていただきます
ヴァージン・クィーンというのは、英国のエリザベス1世の愛称だったな
はい17世紀のエリザベス女王は、生涯結婚をしませんでしたもっとも、若い時分にはロンドン塔に幽閉されていましたし、寵臣たちとの浮き名も多かったですからエリザベス1世が本当にヴァージンだったと思っている者はおりません
エリザベス1世が、結婚しなかったのは国際的な戦略のためだったな
はい、お祖父様何度も、他の国家の元首と結婚を考えているという素振りをしてみせて巧みに、ヨーロッパ内での英国の立場を強化致しました
周囲の者どもに結婚を匂わせることだけで緊張感を保ったまま、優位を築くか
はい瑠璃子さんの場合も、その戦略が有効だと思います
元々瑠璃子には、閣下の定めた婚約者がいることになっている
しかしそれが誰なのかは、誰にも公表されていない
本人も知らない
うむ内外の連中に、誰が瑠璃子の婚約者なのかを匂わせたり、否定したりすることでこちらの優位に立つことができるな
それで時間を稼ぎます
みすずが瑠璃子を見る
あたしが香月家の全権を握ります30歳無理でも、35歳までには今は晩婚ですから瑠璃子さんが、その年まで結婚なさらなくても、別に誰も文句は言わないはずですそれまでに、婚約者候補の方々に散々潰し合いをしていただきます
そしてみすずが、香月家の当主となり
瑠璃子を香月家の呪縛から、解放する
良い計画だ私も協力する
閣下が言った
あたしたちも全力でお手伝いするわ
渚もそう言ってくれた
じゃあそういうことで、いいわね瑠璃子さん
みすずが瑠璃子を追い詰める
そうそう瑠璃子さんが、あたしたちの家族になるということは旦那様だけを愛して、旦那様の赤ちゃんを産むって約束することなんだけれどもちろん、構わないわよね
チョコレート工場の秘密
チョコレート工場は、あちこちにチョコレートが落ちている
床の泥みたいな染みも、チョコレートだ
だから、お湯で擦るとみんな綺麗に取れる
チョコだから
私がバイトしていた時は、なぜか現場責任者の正社員さんは、50過ぎの正社員さんだった
普通は、50過ぎたら夜勤のある工場は担当しないんだけどよ会社は、オレを辞めさせたいもんだから、わざとこういう仕事につけているんだ
と、本人は言っていた
その人は、ずっと同じ会社のアイスクリーム工場に勤めていて、チョコレートのことは何も知らないという
だからさ、機械のことなんて全然判らないんだよ
ということで1週間に1度くらい、チョコが洪水になる