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いいなあ、瑠璃子さんあたしもそんな風にだっこされたいなあ

いつでもするよ渚

うふっあなたなら、そう言ってくれるって思ってたわっ

あっあたしもお願いします旦那様っ

みすずも言う

判っているよみすず

美智はジトッとこっちを見ている

美智お前もやってやるからな

ニッと笑う、美智

子犬が尻尾を振っているみたいな笑顔をしている

あ、あのお兄様

瑠璃子がオレに言う

わ、わたくしはもう結構ですからどうぞ、他の方にして差し上げて下さい

馬鹿なことを言うな瑠璃子

今は、お前の時間だ

オレはもう一度、ギュッと瑠璃子を抱き締める

でもいつまで、わたくしを抱き締めていらしゃるおつもりですか

心配そうに瑠璃子が尋ねる

瑠璃子が納得するまでだ

オレが瑠璃子のことを、本当に可愛いって思っているってことをだ

瑠璃子がハッとする

はっきり言っておくけれどオレは世間のことに疎い人間だそんなに頭が良くないだから、香月家っていうのがどれぐらい凄い家なのか、全然知らないんだ

っていうか一週間前には、存在すら知らなかったし

だからそこにいるお祖父さんも、みんながスゲェ、スゲェ言うから、きっと凄い人なんだろうってことは判るけれど具体的に、何がどうスゲェのかは全然判らない

うんどうしてみんな閣下の言うことを聞くんだろう

権力者の力ってどこから湧いて来るんだ

金なのかコネなのか

でも、金をたくさん持っているからってそれをどう使ったら力になるのか、オレにはよく判らない

ミナホ姉さんなら、そういうことに詳しいんだろうけれど

つまりつまりだオレはそこの爺さんの命令には従わないよ

ハッキリと言う

爺さんの話に一理あると思ってそうした方が良いと思えば、言われた通りにするかもしれないけれどでも、単純に頭ごなしに命令されたって、絶対に従わないだって、オレ香月の家とは関係無いんだから

香月の家とは関係無い

うんオレは普通のどこにでも居るありきたりの高校生なんだから別に名家がどうとか、そんなこと一々考えていられないよ馬鹿馬鹿しい

でもお兄様は、みすずお姉様の

オレは、みすずが好きなんだ香月家のみすずを好きになったんじゃなくってオレの好きなみすずが、たまたま香月家の娘だっただけだからもちろん、みすずのことは応援するけれどオレと香月家は関係無いないだろ

みすずお姉様の夫として香月家を支配しようとは、思わないんですか

瑠璃子がオレの腕の中で、そう尋ねる

だから、言ったろオレは頭良く無いんだからそういうのは向いて無いし、興味も無いんだ

ではお兄様は、何に興味がお有りなんですの

それはえーと

どうしたらみんなで幸せになるかだな

オレさつい、この前まで一人ぼっちだったんだ親に捨てられてね自分一人だけだと何だか何もかも、もうどうでもいいって投げやりな気分になっちゃうだけなんだよだから、全然一人の時は幸せになる努力をする気になんてなれなかった

あの頃

誰も帰って来ない暗い家で

一人でソファで寝起きしていた頃

まだ一週間も経っていないのに遠い過去になっている

今は違うオレには家族がいるから幸せになるために、頑張らなきゃぶーたれてらんないよ一人じゃないんだもの幸せにしてあげなきゃならない家族が何人もいるんだもの

家族ですか

オレは腕の中の瑠璃子をジッと見る

もう一度しっかりと、この娘を見よう

流されないでちゃんと

そうでないと間違える

な、何を見ているんですか

恥ずかしそうな瑠璃子

確認しているんだ

オレはお前のこと、本当に好きかどうかって

これから一生瑠璃子の面倒を見るんだもの香月さんに言われたからじゃないみすずや渚に勧められたからでもないちゃんと、オレがオレの意志で瑠璃子のことを好きだから受け入れるんじゃなけりゃ瑠璃子に失礼だろ

うん瑠璃子は

瑠璃子は、可愛い

マジで可愛い

瑠璃子、お前すっげぇ、いい女だなあっ

改めて見るといや、改めて見なくても

瑠璃子は、美少女中の美少女だ

わ、わたくしいい女ですか

うん美少女ってだけなら、みすずや美智だって、とっても綺麗だけど瑠璃子は、清楚さと羞じらいが良いすっげぇ、可愛いよお前

瑠璃子は耳まで赤くなる

それに頭も良いし、優しいし全然、悪いところが無い

そ、そんなことないですわたくしにも、心の汚いところはあります

瑠璃子はそう言う

判ったじゃあ、それは今度見せてくれ

瑠璃子の心のそういう部分まで含めて、好きになるから

瑠璃子の眼が大きく見開かれる

オレは、瑠璃子の頭を抱き締める

うん大丈夫だオレ、やっぱり瑠璃子のことが本当に好きみたいだからお前を幸せにするためなら、何でもできるよ

ようやくオレの中で、確信が湧く

と、同時に他の家族への愛も強く感じる

愛の感情が爆発的な連鎖反応を起こしていく

みすずオレ、お前のこと大好きだっ幸せになろうなっ

みすずは即答する

渚大好きだよっ真緒ちゃんのことも好きだっ二人とも幸せにするからなっ

もうあたしがあなたを幸せにするのよっ

渚も、ニコニコと微笑む

美智大好きだぞっいっぱい粗相しろお前が満足するまで、お仕置きしてやるからっ

はいっわたくしもご主人様をお慕いしておりますっ

子犬少女が尻尾を振る

香月さんオレは正直、名家とか血筋とか後継者とか、全然判りませんっ興味も無いですでもあなたが、本当にみすずや瑠璃子のことを愛しているってことは判りましたっ

オレは閣下を見る

ですから歓迎しますようこそあなたも、オレの家族です

改めて瑠璃子を受け入れたことで

何もかもが、客観的に見えた

うんオレは、この状況を全て受け入れられる

何もかもオール・オッケーだ

ふんっそうかなら、私もお前の祖父さんになってやる

閣下は、そう答えた

お前は頭の働きは遅いが、身の程知らずでは無いのだな状況に流されることなくちゃんと、自分の心を確認する努力を怠らない自分が納得できることなのかどうか、ギリギリまで判断するそういうことのできる男なんだな

はい、あたしたちの旦那様ですから

みすずが、祖父に答えた

オレは瑠璃子を見る

で瑠璃子は、どうなんだ

瑠璃子は戸惑っている

瑠璃子もじっくり考えて、答えを出してくれ瑠璃子はオレでいいのかオレたちの家族になりたいか

瑠璃子はジッとオレの眼を見上げている

香月さんの命令とかそういうのは抜きだ瑠璃子自身の気持ちを教えてくれ

もし、わたくしが嫌だと申し上げたらお兄様は、どうなさいます