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そういう飛び抜けた仕事ができるからトップ・エリートなんだ

だからこっそりと、会話を盗み聞きしているぐらいのことは当然なんだ

盗み聞きしていることが判っていてその上で、彼女たちがただの警護人としては、知ってはならない以上の話をした全て、お前の策だな

みすずは初めから、この二人を仲間に引き入れるつもりだったんだ

はいお祖父様このお二人が知ってしまったことは今後の香月家に関わる重大な事柄ばかりですただの臣下警護人が知って良い範疇を遥かに超えています

うんオレとみすずの関係

瑠璃子との関係

瑠璃子をヴァージン・クィーンとして擁立し、その間にみすずが香月家の全権を握るという計画

香月老人の黒森の家族加入

美子さんの秘密

全てが絶対に外部に漏らすわけにはいかないトップ・シークレットだ

みすず様は意図的に、全ての秘密をわたくしたちに聞かせて下さったのですか

はいあたしは、あなたたちを信じていますから

みすずは、ニッと微笑む

ありがとうございますみすず様

藤宮さんが、みすずに礼を言う

それから、関さんをチラッと見て

関さんはどうなさるのか判りませんが

みすずを見上げる、藤宮さん

わたくしはみすず様たちの仲間になりますわたくしごときの力でお役に立てるかどうか判りませんが、精一杯努力します

ニッと微笑む撲殺剣士

ちょっと、藤宮さんいいの、あなた

関さんは、戸惑っている

いいも悪いもありませんみすず様のご計画は結局、香月の家を女の帝国に造り替えるということでしょう面白そうじゃないですかロマンがある

藤宮さんは、同僚にそう言う

正直最近のわたくしは、いささか退屈していたのです武の道で身を立てようとしても、日本国内では香月セキュリティ・サービスのトップ・エリートの警護人以上の道はありませんかといって、自衛官や警察官となって国家に縛られるのは嫌ですし人殺しがしたいわけではありませんから、他国で軍務に就くわけにも参りません実戦の緊張感を知った身で、今更競技者に戻るつもりもありませんし、わたくしには指導者は向いておりませんこの先の人生をどう生きるべきか、悩んでいたところなのです

藤宮さんの言葉に、関さんは驚いている

あなたそんなことを考えていたの

そんなトップ・エリート中のトップ、直衛警護人になれないくせに、偉そうなことを言わないで

関さんは直衛警護人が、トップ・エリートの最上級者だと考えておられるのですか

藤宮さんは、意外そうに尋ねる

当たり前でしょう香月様の一番お近くでお守りするお役目よ

それはそういう任務に適している人材が、選ばれているだけだと思いますが

馬鹿なことを言わないで頂戴っ

関さんは、直衛警護人であることにプライドがあるらしい

すまん関くん

君がなぜ、私の直衛に選ばれたかということなんだが

な、何だ

君の前に着任していた警護人は若い男性でね

はいそうだと聞いています何か、問題があって退職なさったとか

関さんが答える

その若い人に問題があったわけではない問題を起こしたのは、大徳くんと張本くんたちだ

ほら二人とも同性愛者だろうあの二人が、若い男の取り合いをしてね

それで、その若い人はいたたまれなくなって退職したんだよ勤務中にお尻を触られるのは、もう耐えられないってね

ホモのセクハラか

しかし大徳くんも張本くんも、警護人としてはビッグ・ネームだしね実際、非常に能力は高いその上、ホモだから私の気に入っている女性たちに色目を使ったりしないしねいや、昔、そういう事件があったんだ私の警護人が、私の愛人と通じるという事件がその警護人には、オホーツク海の底の方へ行って貰ったそれ以来、私はなるべく、ホモか女性の警護人を選んでいるんだどうしてもノンケの男を選ばざる得ない場合は、なるべくブサイクで口下手な男に決めているしかしまさか、あんなブサイクな男を大徳くんたちが取り合いするとは思わなかったんだ

関さんの眼が点になっている

ではわたくしが、その方の次に選ばれたのは

うん入社半年で早過ぎるという意見もあったが大徳くんたちと上手くやってくれそうな女性というと、君ぐらいしか見当たらなかった藤宮くんだと、絶対にケンカになるからな

うんホモ男二人と、このマイペース英国男装女史は合わないだろうなあ

それに君は綺麗だし、あとフランス語とドイツ語が堪能だろういつも助かっているよ

閣下の言葉に関さんは

はははあ、ありがとうございます

関さんは、プライドを打ち崩されてがっくりしている

もちろん君の能力は高く評価しておるんだよ私は

いや、閣下今更、そんなフォローをしても

あのお祖父様

瑠璃子が尋ねる

ホモとは何ですがドーセイアイシャとはノンケというのは、どういう意味なのでございますか

ルリちゃんそれは、後でオレが教えてあげるから

はい、お兄様では、後ほどお教え下さい

純真な笑顔で瑠璃子はニコッと微笑む

いいのか

こんな子に、教えても

あ、あたしの方が詳しいからあたしがちゃんと教えてあげますっ

渚が、立候補してくれる

きっとまた嘘知識を教えるんだろうけれど

この純真な瞳が曇るよりはいいか

オレが説明すると、ドギツクなりそうだし

じゃあ、頼むよ、渚

そこへ真緒ちゃんが

ママ、真緒にも教えてっ

真緒はダメよっもっと大きくなってからね

えー、どうして

そんな年から、変な趣味に目覚められては困りますっ今はダメっ

むむーっママのけちんぼ

真緒様、こちらへ

美智が、真緒を抱き締めて頭を撫でてくれる

すぐに大きくなりますよ

うん何か

美智って、いいお母さんになりそうな気がしてきた

さて話を戻しますが

藤宮さんの言葉に場の注目は、再び彼女に戻る

わたくしは、皆様の仲間になりますいえ、仲間にして下さいわたくしも、みすず様を擁立する計画に参加させていただきたいと思います

藤宮さんは、はっきりとそう言ってくれた

あたしの方からの条件は一つだけです仲間である間は、外部の男性と交際なさらないで下さい女性は特に処女の方は、お付き合いしている男性には弱いと聞いています秘密が漏れるような危機は、絶対に避けたいのです

別に構いませんこの身を捧げたいと思うような男性とは、今までも巡り会っておりませんし今後も無いと思います

藤宮さんは答える

それと仲間から家族の一員には、いつでもなれますから藤宮さんが、ご希望なさったら

みすずは、艶やかに微笑む