張本さんと服の色を合わせようとかなさったり社員食堂で、同じメニューを注文したり退社時間を無理矢理合わせようとかなさってましたよね
どうして、あなたがそれを知っているのっ
社内で、知らない人はおりません
うぐぐぐぐ
ふーん、同僚にときめいちゃったんだぁ
渚が茶化す
だってぇあんなホモ野郎だって、思わなかったんだもんっ
関さんは、ドンと机を叩く
いつもは、違うんですからっホモに当たってしまったのは、これが初めてですっ
いつもはでも、関さん確か、男性とお付き合いしたことは無いんですよね
そうです、ありませんっみんな、絶対にわたくしの方に寄って来ては下さいませんからっだからわたくしの方から、近寄る努力をするんですけれどそうすると、男性はますますわたくしから遠ざかっていくんですっ
近寄る努力って
服の色を合わせるとか同じメニューを頼むとか
何と、判りにくい
そして判ると、どう反応したらいいのか困る行動ばかりだ
なるほど関さんは、恋に恋する乙女のままなのですね頭の中が
麗華が、そう言った
関さんて、意外と恋愛体質なんだ
なのに、男性側からは一切アプローチが来ないから
自分の方から、訳の判らないアピールをする
それで、男の方が引いてしまって
うん確かに重い女だ
この年齢まで処女だったのも、よく判る
何よぉぉぉあなたにだけは言われたくないわよっあなただって処女でしょおっ
関さんが、麗華に怒る
わたくしはそういうことには、一切興味がありませんでしたから
麗華は笑う
それにわたくしは、もうすぐ経験致しますし
オレを見る麗華
もう彼女の中ではオレとセックスして、子を孕むことは決まっている
麗華は割り切りが良すぎる
ちょっと、ストップ
オレは麗華に言った
麗華は、もうオレたちの家族だそれは、もう変わらないけれどオレとセックスするかどうかは、まだ保留にしよう
何故です主様
麗華が、驚いた顔をする
麗華は関さんもそうだけど、まだちゃんとした恋愛を経験してきていないから
恋愛を経験してきていないのにセックスだけしちゃうのは、よくないよ
わたくしは構いませんが
麗華はそう言う
もう、一生、この身は主様に捧げると誓いましたから
オレは麗華と関さんを見比べる
麗華は、割り切りが良すぎる
関さんは、考えすぎて自爆する
二人とも、極端過ぎる性格なんだよな
だけど、二人とも恋愛というものを知らないまま、大人になってしまった女性だ
麗華の気持ちは嬉しいし、オレも尊重するけれどでも、少し様子を見よう
主様
今の麗華に家族が必要だってことは、よく判っているんだだから、今は家族に溶け込むことにだけ集中してセックスのことは後回しにしよう
麗華が、今求めているものは家族愛だ
まずは、それを充足させよう
オレとのことはそれからでいい
しかし、わたくしは
オレは愛が無いのにセックスしてしまって、後悔している相手がいるんだ
オレが、雪乃とだけは関係がグチャグチャになっているのは
最初のレイプのせいだ
自暴自棄だったオレが愛するのではなく、雪乃を肉欲のまま犯してしまったから
オレたちの関係は、最初から躓いてしまった
ああいうことは二度としてはいけない
オレも麗華のことをもっと好きになるからだから、麗華もオレの色んな部分を見てくれそして心がちゃんと合ったなら、その時には抱き合おう無理矢理でなく、自然にそうなったら
それが主様のご命令でしたら従います
麗華は、そう答える
そういうことじゃないんだよな
さっきは麗華さんは、あたしと旦那様のセックスは、声しか聞いていらっしゃらなかったんですよね
みすずが、麗華に尋ねる
では旦那様とあたしのセックスを御覧に入れます愛のあるセックスというものを、実際に間近で御覧になった方がいいですわ
それはいい考えかもしれない
みすずあなたばっかりはズルいわよっ次はあたしよっ
渚が、ムッとして言う
このまま、ここで絞り取られるわけにはいかない
いや、一度家族全員と会わせようセックスを見て貰うのは、その後にしよう
ミナホ姉さんたちの姿をしばらく見ていないし
とにかく、麗華は早く家族たちと引き合わせた方がいい
関さんも今居るメンバーよりも、克子姉やマルゴさんの方が気が合うんじゃないだろうか
オレは、閣下に振り向く
麗華と関さんが、こういう人だってことは当然、ご存じだったんですよね
香月老人は、ふふんと笑う
はて何のことかな
閣下は、瑠璃子と美子さんを男から徹底的に隔離していた
みすずに対しても、似たようなことをやっていた
そういう方針のみすずと瑠璃子に恋愛経験ゼロの二人が送り込まれてきたのは、偶然なわけがない
当然閣下の意志が介在しているはずだ
このお二人が恋愛経験が皆無でそれでいて、善良な性格の持ち主だからそれで、二人をみすずと瑠璃子の警護役にしたのでしょう
それだけではないこの二人は飛び抜けて優秀なんだよ香月セキュリティ・サービスのトップ・エリートの中でもね肉体と技能は抜群だ精神的には、まだ未熟なところがあるがそれは、発展の余地があるのだと大目に見てやって欲しいまあ、エリート特有の読みの甘さや、性格が善良すぎて真面目過ぎる欠点もあるがその辺は、上手く御名穂くんがコントロールしてくれるだろう
そう言って、老人は笑っている
いずれにせよ私たち家族にとっては、必要な人材だと私は考えているが君はどう思う
オレも、そう思います香月さんの人を見る眼は、正しいです
麗華も関さんも、最初から閣下のお墨付きなんだ
そうじゃなけりゃ、大事な孫娘たちに接触させるはずがない
心の薄汚い人であるはずがない
恋愛経験欠乏症なのはちょっと、問題だけど
さてでは、そろそろ御名穂くんの顔を見に行くかきっと、びっくりするだろうよ
閣下は、悪戯っ子の様な顔をしてそう言った
急いで、身支度を整えて
全員で部屋を出る
先頭が麗華と関さん
オレとみすずがその次に続く
瑠璃子と美子さん
渚と真緒ちゃんが閣下に付いて
殿は美智が守る
また、エレベーターを何度も乗り換える
違うエレベーターで降りたり上がったりを繰り返して
27階で降りる
ここは、普段は結婚式場になっておるんだよ
閣下がみんなに言った
御名穂くんたちは、ここで待たせている軽食も用意させてあるから、君たちも食べなさい