オレや黒森の家族のことを受け入れているわけではない
だから、瑠璃子もみすずも美子さんの家族入りは保留にした
関さんの場合は、あくまでも関さん本人の意志で保留になっているけれど
美子さんの場合は美子さんの意志とは関係無く、保留になっている
だからこの問題はとってもデリケートだ
どうして美子さんも家族になろうよっマナ、美子さんがお姉さんになってくれたら、とっても嬉しいよっ
やれやれ
オレが、割って入る
お前はしばらく黙って土下座していてくれ
えー、何でよっお兄ちゃん何か理由があるのっもし、そうならマナにも教えてよっ
マナは、周りの空気を読む
うつむく美子さんや、困っている瑠璃子の様子から秘密の存在に気付く
美子さんが本当は、香月老人の長男の娘みすずや瑠璃子の従姉であることは秘密になっている
ここにいる家族たちにもオレの口から言うことはできない
そんなことをしたらオレは美子さんからの信用を失うだろう
今の美子さんは、まだ瑠璃子のお付きとして選ばれただけの、香月家の一家臣の娘として、普通に生きることもできる
香月の血筋であることがバレたらみすずや瑠璃子と同じ様に、後継者争いの渦の中に巻き込まれるだろう
だから閣下も、みすずも、瑠璃子も美子さんに、自分で将来を選択するための猶予を与えようとしている
今は何も言うべきではない
そんな態度のマナには何も教えられないよ
オレははっきりと言った
どうして家族でしょ
マナが、キッとしてオレを見る
美子さんは、まだ家族じゃないって言っているだろそれに
誰にだって、自分1人でじっくり考えて答えを出さないといけないことがあるだろオレは、家族の内の誰かが問題を抱えていて、オレに相談したいっていうのなら、喜んで話を聞くよ何時間だって、一緒に考えるでも、オレの方からお前、悩んでいることをオレに話せなんて、相談の押し売りはしないそういうのは、間違っていると思うんだ
何で何でマナだったら、悩んでいる人がいたら、どんどん話し掛けるよ自分から言い出しにくい子だって、いるんだしさ積極的に話し掛けたって、いいじゃないっ
マナはそう言う
マナちゃんそれじゃ、ダメなんだよ
マルゴさんがマナに言った
それじゃあマナちゃんに話し掛けて貰った方は、いつまでも強くなれないマナちゃんの優しさに縋るだけの弱い子のままになってしまうよ
別にいいじゃん家族なんだし
家族だからこそそれじゃあ、ダメなんだよ
はっきりとマルゴさんが、言った
麗華お姉さんも、よく聞いてあなたが、一番妹たちを甘やかしそうだから
はい、教えて下さい
戦闘チームの結成の過程で、マルゴさんを認めたのだろう
麗華は、素直にマルゴさんの話を聞く
家族って人の集まりだよねだったら、なるべく強い人たちの集まりになるようにしたいと思わない弱い人たちの集まりは、悲惨だよ特に心の弱い人たちの集団は、世間の迷惑にしかならないから
マルゴさんが穏やかに話していく
マナちゃん人にはね、自分で決めなきゃいけないこと自分でやらないといけないことが、たくさんあるんだよそれを、他の人に決めてもらったり、代わりにやってもらったりしてはいけないそんなんじゃ、いつまで経っても一人前の人間には成れないからね
でも家族じゃん悩んでいることがあるのなら、助けてあげたいじゃん
寂しそうにマナが言う
マルゴさんは、ニコッと微笑み
克子さんあなたは家族の誰かが苦しんでいたら、どうしますか
美味しい物を作るわそして、一緒に食べるわ
克子姉は、答えた
寧は
あたしはとにかく笑わすよくすぐってでも、笑わせる笑うと気持ちが楽になるもんっ
寧さんは、そう答えた
あたしは一緒にスポーツでもするなドライブもいいかもね
マルゴさんは、マナを見て微笑む
あたしたちは家族だだから、いつも寄り添ってあげることはできるというか寄り添うことしかできないでも、それが大事なんだと思う
苦しい時に、側に居てくれるだけで充分だ
それ以上は要らない
うつむくマナ
集まって、寄り添っているから家族なんだだけど、家族1人1人は、自分で自分の人生を決めていかないとね判るよね
オレは、しゃがんでマナと視線を合わす
思ったことをすぐに口に出すのはお前の悪いところだよ自分の意見を、物怖じせずにハキハキ言えるのはいいことだけれど、お前は相手の人の気持ちとかがまだよく判っていないのに平気で喋るだろそういうのは、相手に失礼だぞ
マナの眼を見て、はっきりと言う
そうだよヨッちゃんなんて、余計なことは絶対に言わないじゃんあたしたちの話はよく聞いてくれるし本当に必要な時にしか、自分の意見は話さないでしょ
いや、それはオレ、馬鹿だから何か言われても、瞬間的に言葉が出て来ないんです何か、相手の様子に違和感を感じてもその理由が、すぐに判らないからだから、判るまで様子を見ているしかなくって
それでいいのよダメな人は、違和感を無視して自分の感情だけで話を押し通そうとするわそうでなければ、違和感に反発して余計な言葉を言ったりね何が問題なのか具体的に理解できるまでは、じっくり相手の様子を見るというのは正しいことよ
ミナホ姉さんがそう言ってくれた
判ったあたし、余計なこと言い過ぎたんだね、お兄ちゃん
そうだな美子さんに謝れ
マナは全裸で美子さんに向かって、手を付く
ごめんなさい美子さん
それは心の籠もった全裸土下座だった
美子さんは、困惑している
美子さんマナのこと、許してあげて下さい
許すも何もわたくしは、気にしていません
美子さんは、そう言ってくれるが
いいえマナさんは、美子さんに無礼を働いたんです人の心に土足で侵入するのは、悪いことですちゃんと罰は受けないといけません
そうですねお尻を3回叩きましょう
みすずがオレを見て、ニコッと微笑む
もしや
オレがやるのか
お願い致します、旦那様
お嫌でしたら、わたくしが叩きますが
美智が赤いムチを出す
いや、そんなので叩いたら、マナのお尻が大変なことになるよ
主様、わたくしが叩いてもよろしいですよ
うんと麗華の力だと、骨が砕ける
いいよ、判ったオレがやるから
オレは、マナの後ろに廻り込む
ほら、四つん這いになってお尻を高くしろ
全裸の14歳が尻を高く突き出す
オレの視線からは、肛門も陰部も丸見えだ
罰なんだからな思いっきり叩くのだぞ
閣下が楽しそうに、オレに言う
そう言われた以上は、手加減はしない