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香月仁は、喚く

現在のわたくしは、みすず様、瑠璃子様の警護を命じられておりますですから

ですから、何だよっ

わたくしが敵対するとすればあなた方ということになりますが

麗華が、ギロッと強い眼で男たちを見る

はいあなたたちは、あたしの親しいお友達に無礼を働いているわけですからあたしが藤宮さんに命じて、あなたたちを処分させることもできます

みすずははっきりとそう言った

角田、仁、お前たちの負けだ

プリンス組のボス、香月操が先鋒役の2人に声を掛ける

みすず様、失礼致しました彼らの無礼は、私が謝ります

スッと頭を下げる香月操

こいつ相当、狡いやつだ

あくまでも悪いのは角田と香月仁であって

自分は関係無いという顔をしている

遅刻しマース

ヤバイです

265.プリンス派

角田が、わざと寧さんに馴れ馴れしく近寄り

寧さんを助ける振りをして、香月仁がやって来る

多分こいつら、いつもそういう風に分担して、女の子に声を掛けているんだろう

ごめん、ごめん別にこいつにも悪気は無いんだとか何とか言って

そうやって女の子の気を惹く作戦だ

ところが、その作戦をあっさり寧さんに見抜かれ

マルゴさん、麗華、みすずに糾弾されると

親玉の香月操が出てくる

結局同じパターンの繰り返しだ

そちらのお嬢さんが、あんまりにもお美しいので彼らもつい、気安い態度で声を掛けてしまったんでしょう彼らには、お嬢さんに謝罪させます

ほらこういうことになる

角田、仁

香月操が、2人を睨む

は、はい、操様

判ったよ操さん

2人は、寧さんに頭を下げる

香月操は、ニッと微笑む

どうです、みすず様これで全て、水に流してはいただけませんか

そして、オレたちをいや、女たちを順に見て

ちょっとしたトラブルがありましたが気になさらないで下さいどうですせっかくの機会ですし、私たちにみすずさんと瑠璃子さんのお友達をご紹介下さいませんか私たちも、ご挨拶致しますそういうプロセスさえ踏んでおけば、今あった様なつまらない揉め事は無かったでしょうし

狙いはそれか

香月操は、みすずに公式にオレたちを紹介させようとしている

一度紹介さえされれば後は、自由にオレたちと交流できる

それぞれの女たちから個別に、情報を探りだそうというのだろう

お断り致します

みすずははっきりと言った

何故です私たちは親族ではありませんかあなたや瑠璃子様のお友達なら、私たちも仲良くしておきたいさっき、閣下からもご指示いただきましたみすず様、瑠璃子様のお友達と仲良くするようにと

香月操は、さわやかな笑顔でそう言う

普通の女の子なら、この自信たっぷりの表情に誤魔化されてしまうかもしれない

しかしオレのみすずは、普通の女の子ではない

あらお祖父様がおっしゃられたのは、操さんたち私塾の殿方たちがあたしたちに粗相をすることの無いようにというご命令だけでしたわよ別に仲良くしろなんていうお言葉は無かったと思いますが

そうだジッちゃんは、そんなことは言っていない

直接のお言葉ではありませんが文脈を読めば、おのずと判ることです

文脈

文脈って何だ

香月家の後継者であられるお二人と香月グループの未来を担う、我々せっかくの機会だから、打ち解けて相互理解を深めろという閣下の思し召しだと推察いたしますが

香月操は、自説を押し通そうとする

それは、操さんの勝手な推論でしょう

みすずはそう言う

そうでしょうか私は、操様のご推測が正しいと思います

穏やかにそう言ったのはプリンス派の一人、嘉田奉孝だった

うむ、オレもそう思うこの部屋といい、料理といい閣下は、ここでオレたちにみすず様・瑠璃子様と懇親せよと命じられているのだろう

自信満々にそう言うのは、夏木惇だ

オレも、惇兄ィの言う通りだと思う

香月仁がうなづく

そうでしょうな閣下は、無駄なことはなさらない方だ我々に命じられることの全てに意味がある

言葉の裏を理解しなければ、閣下のお心は理解できない

大張遼と、谷楽進が言葉を繋げる

というよりオレは、腹が減りましたっ

そう言ったのは、虎田知徳だ

プリンス派の一党は、ガハハと笑う

まあ、待て待てまずは、お互いを紹介し合い、乾杯の一つもしてからだしばし待て虎田飯は逃げていかぬからな

夏木惇が、大きな声でそう言った

みすず様そういうことですので、みなさんをご紹介下さいお願いします

最後に、人懐っこそうな笑顔でみすずに声を掛けたのが香月昴

プリンス派のボス、香月操の弟だ彼らの中では一番年下だと思う

ね、いいでしょうお願いしますよみすず様

プリンス派のチームワークは良い良すぎる

それぞれが自分のポジションを理解した上で状況を香月操の望む方向へ持って行こうとしている

お断りすると言ったはずですあたしに、同じことを2度言わせないで下さい

みみすず様ぁ、どうしてです僕たちは、ただみすず様たちと仲良くしたいだけなんですよぉ

強攻策が外れた時は、年少の香月昴が下手に出る

そういうフォーメーションになっているんだな

あたしにはあなたたちと仲良くする必要は無いからです

みすずの顔は笑顔だったが眼は、真剣だ

本気で、そうおっしゃっているのですか

香月操が、そう言う

ええさっき、お祖父様がおっしゃっていましたわ香月の血族だとしても、嫡流で無い者はみな臣下ですあなたたちが、あたしたちにきちんと臣下の礼を取らない限りあたしはあなたたちを認めません

みすずの言葉にプリンス派の連中は、互いの顔を見る

アイコンタクトが嘉田奉孝に集まる

そうはおっしゃいますがみすず様とて、閣下のご次男様のお子様言わば分家のお嬢様です香月家の正当な嫡流では無いと存じますが

論理的に攻めてる、嘉田

こいつがプリンス派の参謀役なんだろう

お黙りなさい

ずっと口を閉じていた瑠璃子がおもむろに声を出した

みすずお姉様は、わたくしの心を代弁して下さっているのですみすずお姉様のお言葉は、わたくしの言葉と思いなさい

ジッちゃんの長男の一人娘香月家の正当な後継者である瑠璃子

本当はみすずと瑠璃子の親には、殺された兄がいるのだが私塾の連中もその存在は知らないらしい

ハッ申し訳ございません

嘉田は、さっと頭を下げて退く

いつからお二人は、そんなに仲が良くなられたのですか私はてっきり、お二人の関係はあんまりよろしくないと理解しておりましたが

香月操が、不審そうに尋ねる

そうだ香月家の中では、みすずと瑠璃子は不仲という設定になっていた