工藤遙花が、みすずを責める
みすず様には、すでに婚約者がいらっしゃるのですし下賤な人間たちとのお付き合いは、お止めいただきたいですわね
あくまでも、高圧的に
臣下として言葉を選びながらも、あからさまに見下した態度で
工藤遙花は、話し続けた
寧さんが、噴き出す
へぇ、あたしたちって下賤なんだ
工藤遙花に負けない嘲笑を、寧さんは返す
売春組織の人間が下賤でないとでも言うのですか
少なくとも、あんたみたいな女よりはねっ
二人の視線が、交錯する
姉上は黒い森という組織の方々のことを、少しも判っておられません
美智が、うつむいたまま小声で姉にそう言う
そんなの判るわけがないでしょう身を売って生活するなんて、最低の女のすることじゃない
工藤遙花の言葉にメグが、怒る
みんな好きでそうなったんじゃないわっ勝手なことを言わないでッ
娼館の中で生まれたメグには、彼女の言葉は許せない物だったらしい
あら、ごめんなさいでも、別にいいのよわたくしは、あなたたちみたいな下劣な方々のことなんて何の興味も無いからあなたたちのことなんて、知りたくもないし見たくもないわ
工藤遙花の顔は、まだ嘲笑に歪んでいる
そんならあっちへ行ってよこっち来ないで
マナが大声で叫ぶ
わたくしだって、できるものならそうしたいわよでも、そうはいかないの判る
工藤遙花が軽く、肩を回す
このまま、あなたたちがこの会場に居ると瑠璃子様の視界に入ってしまうでしょうわたくしね瑠璃子様には、汚い物はなるべく見ていただきたくないのだから
空気が鎮まる
無理矢理にでも、排除させていただくわ黒い森の人間は、全て
この空手少女は
オレたちを、この会場から叩き出すつもりなのか
正直わたくしは、香月家の瑠璃子様のことしか考えていないわみすず様には、申し訳無いんだけれど
工藤遙花は、ニッと笑う
でも瑠璃子様は、次代の香月家の当主となるお方ですからみすず様にも、瑠璃子様を第一に行動していただく必要があると思うのよ
ふーん瑠璃子って子は、ミィちゃんがあたしたちと関係していることが、ご不満なの
寧さんが工藤遙花に探りを入れる
そういうことでは無いわよこれは、わたくしの独断ですわたくし、瑠璃子様には何の憂いも無く過ごしていただきたいの瑠璃子様は、とてもお優しい方ですからみすず様の不良行為をお知りになったら、とってもお心を痛めることになられると思うの
不良行為
オレと黒い森と付き合っていることが
ですから瑠璃子様がお知りになる前に、わたくしがみすず様の眼を醒まして差し上げようと思って出向いて参りました
工藤遙花は、ニッと微笑んだ
10分以内に黒い森の人間は、この会場から全員退去なさいそして、二度とみすず様の前には姿を現さないように誓っていただくわ
工藤遙花の眼がオレたちに向けられる
特にあなたにはね
オレとみすずの関係を知っているんだな
あなたの男性器悪いんだけれど、この場で潰させて貰うわ二度と、性的な機能が働かないようにね
オレのチンコを潰すっていうのか
そうすればハレンチなみすず様でも、あなたのことを諦めて下さるでしょう
触ると気持ち悪いから、靴底で踏みつぶすわわたくし力尽くで蹂躙するって言葉、大好きなのよ
胸の前で、パンと拳と手の平を合わせる
オレはサッと前に出る
相手が暴力を使うと宣言しているんだ
他の女たちを危険に晒すわけにはいかない
あら女の影に隠れるかと思ったら、そこそこの勇気はあるみたいねただの格好付けかもしれないけれどそれとも、あたしの空手の力も判らないような、お馬鹿さんなのかしら
侮辱されるのはいい
とにかくみんなを守らないと
これ以上の無礼は、姉上といえども許しません
美智がスッと立ち上がる
あら、あなた本気なの驚いたわね
工藤遙花は、妹を笑った
判っているの、美智あなた、今まで一度もあたしに勝ったことがないのよ弱い癖に、無理をするとケガをするわよ
姉と妹の年齢差は3つ
高3と中3身体能力の違いは大きいだろう
その上お互いの手の内は知り尽くしているだろうし
本気でやったら、美智が勝つよ
美智が、ハッとしてオレを見る
馬鹿なことを言わないでよその子は、空手の練習から逃げ出したような半端な人間よわたくしが工藤遙花が負けるわけがないでしょう
工藤遙花は父親の工藤流古武術を認めていない
その真の実力も知らない
空手ではなく、工藤流を選んだ妹を練習の辛さから逃げ出しただけだと思っているらしい
それともあの下らない武術モドキで、わたくしに勝てると思っているわけ
自信満々に、そう言う工藤遙花に
そうかなあ、あたしもミッちゃんの勝ちだと思うけれど
あたしも、美智さんが勝つと思いますっ
生真面目なメグが、美智のためにそう言ってくれた
美智今まで一度もお姉さんに勝ったことが無いってどうせ、空手か何かの試合でのことだろ
美智が、オレを見る
当たり前じゃないあたしは、空手家よ
工藤遙花が、凄むが
なあんだじゃあ、やっぱり美智さんが勝つじゃん
マナが、カハッと笑う
そうだよねぇミッちゃんの敵じゃないよねこんな空手女
寧さんも、薄ら笑いを浮かべている
でもわたくしは
美智自身は姉に対して、どうしようもなく苦手意識があるらしい
激しく緊張している様子が見えた
大丈夫だよ美智の工藤流なら
オレは、ハッキリと美智に言う
そうよ、美智さんはとっても強いんだからっ
メグも美智にエールを送る
うんミッちゃんなら、やれるよ
ほらっ、黒子ちゃんも何か言いなさいっ
マナに頭をはたかれた、雪乃は
が、がんばって
何じゃ、そりゃあ
判りましたみなさま
美智が覚悟を決める
姉上勝負致しましょう
工藤遙花は、ニヤッと笑った
本気なのね
みすずが緊迫した空気を完全に無視して
いきなりオレに、甘えてくる
身体全体でオレに、もたれてくる
オレの手を取って指先に、そっとキスをする
あのね、旦那様浴衣って、色々なところに穴が開いているんですよ
そして、オレの手を
浴衣の脇から、内側に招き入れる
みすずのおっぱい、触って下さい
浴衣の中下着の上から、みすずの乳房を触る
うふふ日舞用の下着なんです布地が、つるつるしているでしょう着物が滑ってもつれないようになっているんです