しかし君が君のプランに、社会的な意義を見出していて、何が何でもそれを実現させたいと思っているのなら利用できるものは全て利用すべきだと、私は考えるね
利用ですか
ああそれが本当に実現するべきものなら、どんな手段を使っても、可能な限り早く実現させるべきだとは考えないのか
まあいい君が社会に出るまでには、まだしばらくの猶予がある今は、私の私塾に残りなさいそして、私から利用できるものは無いのか、目をこらして探したまえついでに私を口説いてみるのだな君の提案が妥当なものだと感じたら、幾らでも利用されてやるから
司馬アキラは驚嘆している
他の連中もそうだ華岡侘介、孔守融、河藤晃司、香月健思、高木風太 、そして今はここにいないが司馬貴彦香月健思を除いて、お前たちは香月家の伝統を知らないお前たちには、守ることはできないだろう発展させることだけに興味がある人材だということは判っているだから、言っておく何かしらプランがあるのなら、学業が終わるまでに私に示せ良いプランだと思ったら、実現に向けて協力してやるまずはプランだプランを見れば、お前たちがどれだけ真剣なのか、世の中についてどう思っているのかが透けて見える甘えたプラン、舐めたプラン、いい加減なプランなら蹴飛ばすぞ自分自身の現在を評価される覚悟で、プランを持って来たまえいいな
新興グループのやつらが一斉に返事をした
司馬アキラだけは、まだ返答していなかったが
アキラくん僕たちは、まだまだ閣下には敵わないご指導していただこうよ学ぶべきことは、たくさんある
香月健思が、司馬アキラに言った
はい、そうですね健思さん閣下、失礼なことを申し上げて、すみませんもうしばらく、閣下の下で勉強させて下さい
司馬アキラもジッちゃんに恭順する
では最後に、みすず、瑠璃子
ジッちゃんは2人の孫娘に告げる
簡単に人を見捨ててはいけないぞ、2人とも人と人の縁というのは、大事にするべきだ今居る人材を切り捨てれば、もっと良い人材に巡り会うかもしれないしかしそんな人材に出遭わなかったらどうする前の人物よりも能力の乏しい、性根も良く無い人間しか採用できなかったなんてことは、よくあることなんだぞ
みすずが辛そうな顔をする
そんな顔をするな大事なのは、適材適所ということなのだ手元に居る人材について、いつも考えろどうしたら、その人材を上手く活用できるのかをね大抵の人材は、パズルのピースの様に上手くはめ込むことができるよ
判りました、お祖父様
わたくしも浅はかでした
みすずと瑠璃子が、祖父に謝罪する
気にするな今の内はどんどん失敗しなさい2人とも
ジッちゃんの声は、優しかった
私の私塾の生徒たち全員に告げる香月家の未来は、瑠璃子とみすずを中心にして進めてくれ香月の家は、血筋からは逃れられない瑠璃子が後継者であり、みすずがサポートするお前たちは、全力で2人を助けてやって欲しいこれは、私からの要請だよろしく頼む
閣下の言葉に香月操は
待って下さいそれでは、あの誰が瑠璃子さんのお相手になるのです
瑠璃子の夫になった男が、香月家の当主になれると香月操たちは、考えている
さあなとりあえず、お前たちには瑠璃子はやらんよ
お前たちの中の誰かが瑠璃子の夫になったら香月家は分裂する決して、上手くはいかんよ瑠璃子の夫は、瑠璃子自身に決めさせるそしてその人物には、香月家の運営には携わらせない
みすずの相手に対して、私はそういう決定をした本人もみすずも承諾しているならば、瑠璃子の方にも同じルールを適用しても構わないだろう瑠璃子の夫になっても、香月家の当主にはなれないと知れば財産目当ての求婚者もいなくなるだろうし
では香月家の当主には、誰がなるのです
香月操の問いにジッちゃんは
瑠璃子でも、みすずでもどちらでも構わないじゃないかこの子らには、当主になるだけの器量も風格もある私はそう判断しておるよ
しかしお二人とも女性です
香月家の長い歴史には女当主も何人かいるそれに、今は21世紀だ男じゃなければ当主になれないという時代でもないだろう
ジッちゃんははっきりとそう言った
ということだからな諸君、これからは二人を盛り立てて行って欲しい
顔を見合わす私塾の連中
いや、私は良い考えだと思います女性当主というのは、これからの時代には受け入れられると思います何より、現在の香月家内の跡目争いが消滅する素晴らしいことだと思いますよ
香月健思がそう言った
確かに、瑠璃子やみすずの夫の座を狙う不埒者がいなくなるのは助かる
そ、そうですか私は、結婚相手にはなれないのですか
瑠璃子の夫は自分だと思い込んでいた香月操は相当なショックを受けているようだ
はいあなたたちは臣下ですよろしいですね
みすずが、強い眼で私塾の連中に言った
はい瑠璃子様、みすず様の下で結束することをお誓い致します
香月健思が、代表してそう言った
君たちもいいね
新興グループは、みな頷く
確かにお嬢様たちがトップの方が、グループ内の結束は高まるでしょうね
司馬アキラも、納得したらしい
お前たちも構わないね
香月健思が親族である、香月仁や夏木惇、さらにプリンス派の一党に尋ねる
まあ確かに、操様が瑠璃子様と結婚するというのは、あんまり良い策では無かったようですね
嘉田があっさりと負けを認める
おい、嘉田貴様
香月操が、睨むが
こうなってしまっては仕方ありますまい閣下のご意志もはっきり致しました香月家に忠誠を誓う家系としては、命懸けで瑠璃子様、みすず様を擁立するしかありませぬ
大張遼が、そう言った
香月家の分家筋よりも旧来からの家臣である家系の人たちの方が、あっさりと受け入れる
ちょっと待てよ操兄ィが瑠璃子様と結婚しないんならオレがお相手になるって可能性もあるってことか
香月仁が、そんなことを言い出すが
それはありません
瑠璃子が、笑顔で答えた
えこれっぽっちも
微粒子レベルでも
ありません仁さんとは
がっくりとなる仁
僕とは、どうですか
作り笑顔で、香月昴が立候補するが
昴さんの方が、仁さんよりももっとありえません
瑠璃子は、ニコニコ顔で却下する
ちょっと少なめの分量で済みません
とりあえず家族編は終了です
交渉編まで行けなかった
では、病院によってから働いてきます
270.マスコミ業界
仁さんあなたは分家であったとしても、香月の姓を持つお方です
あなたのご評判はそのまま、香月の家名に関わりますくれぐれも、軽はずみなことはなさらないように
そのまま、みすずは他のプリンス派の連中を見る