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このスキャンダルの炎上は、終わらない

それどころか、ミナホ姉さんが、さらに大量の火種を持っている

彼らはその流出を恐れている

当主・白坂守次の方針は、真っ正面からの徹底抗戦だがそんなことをやっていたら、企業グループ全体で膨大な損害が出ることになる

地方と関連会社は、早急な消火を願っている

だからミナホ姉さんと手打ちをしなければならない

そのことをジッちゃんが私塾の連中に言わないのは

黒森御名穂と黒い森という裏組織について、彼らに教えるべきでは無いと思っているからだろう

彼らのサポートを引き受けることで香月家には、どんなメリットがあるのです

司馬アキラが尋ねた

香月家のメリットというより日本の国益の問題だな

ジッちゃんは、答えた

白坂創介による醜聞が明らかになってから白坂家の関連企業の株は、軒並み暴落している安くなった株を、外国人投資家が狙っているという情報がある

しかし外国人が直接、日本の報道機関の株式を買い漁るのは強い反発を受けることになると思いますが

嘉田が言った

そんなもの日本人が代表者になっている投資ファンドにでもやらせればいい間接的にでも、やつらは支配できれば良いのだからしかし日本国内の報道機関を、外国人に握られるのは良く無い彼らにとって都合の良い恣意的な報道をされるぞ

なるほど背後で動いているのが、アメリカ人投資家ならば、ただの金に群がるハゲタカですがそれ以外の国の人間だと、政治的な目的に利用されますね

香月健思が、解説してくれた

とりあえず私たちが救済してやる代わりに、白坂家の持つ株式を吐き出させる全てを奪うことはできないだろうが3割は、私たちで押さえるそうすれば、執行役員を送り込めるからな白坂守次氏が失脚すれば、次の新聞社・テレビ局のトップは、白坂家の人間ではなくなる白坂家の人間から白坂家の人間にバトン・タッチしたのでは世論は納得しないだろう新しい代表者と、私たちの送り込んだ役員で社内から、白坂家の影響を抹消させるよ

つまり白坂本家にはもう、経営には触れさせないと

香月操が、驚き顔で言った

ああ白坂の本家には、新聞社・テレビ局の大株主の1人という立場に甘んじて貰うもちろん白坂の一族でも、有能な人間には要職に就いて貰うが、トップには据えないそもそも、一つの家が巨大な報道企業グループを牛耳っているという状況が異常だったんだこの機に、それを正す

ジッちゃんはそう言う

ついでに関連企業も整理させる独立させられる会社は、全て独立させて新聞社とテレビ局は、報道機関としての業務だけを行わせる下らん商売は、もうさせんよ

ジッちゃんは、白坂家の企業グループを完全に解体してしまうつもりらしい

まあ、確かに新聞社やテレビ局が、レコード会社や芸能プロダクションまで運営しているのはおかしい

今午後の8時過ぎだ予定よりも、少し遅れているが白坂博光氏らは、そろそろ到着することになっている

劇場にやって来た白いヴァイオラと一緒に居た、ミス・コーデリアは、午後8時までは襲撃しないと約束してくれた

すでに、その時間を過ぎている

約束を守ってくれたということなのか

いや、敵はすでにオレたちの近くまで潜入していて

開戦の指令を待っているだけなのかもしれない

実態は、何も見えない

まあ、私が呼んだ連中も到着が遅れているからな

ジッちゃんは、交渉の場に私塾の連中の親たちを呼んでいる

そのうちの誰かが

裏切り者なのではないかと疑っている

香月セキュリティ・サービスに、敵が紛れ込んでいたことを考えると

シザーリオ・ヴァイオラ以外の敵が、身内にいることは想定できる

今しばらくは、そこで食事でもしていてくれ追ってまた連絡する

そして、ジッちゃんの音声は途切れた

スクリーンの映像は、ホテルの1階玄関に切り替わる

あ誰かが車で、ホテル内に入ってきた

あ、うちの親父だあれ

角田が、言った

高そうなスーツの男が、黒塗りの車から降りる

こうして1人ずつ、交渉のテーブルに着く人々がホテルに集まって来るのだろう

みんな、お腹は空いていない

オレはオレの女たちに声を掛けた

え、どうしたのヨッちゃん

寧さんが、驚いてオレに尋ねる

食べられる内にちゃんと食べておこうよ

さっきは食事の途中で、私塾の連中に乱入されたから

それにご飯を残すのは、もったいないよ

用意された食事は、まだかなり残っている

旦那様、そうですわね

今の内に、もう少しだけ食べておきましょう

うん実際にヴァイオラの襲撃が起これば、次の食事は何時になるのか判らない

ホテル内に孤立することも考えられる

そうだね食べる、あたし

あなたたちも、できる限り食べなさいいいですね

みすずが、私塾の連中に命じた

さて、部屋の中は、不思議なことになった

みすずの命令が効いているから私塾の連中は、オレたちには近付いてこない

そのかわり

プリンス派と新興グループで、交流している

一度、あなたとはお話してみたかったんです

司馬アキラが、プリンス派の参謀役の嘉田奉孝と会話している

その向こうでは、新興グループに居た香月健思が、虎田知徳や大張遼、谷楽進と言った香月家では無いプリンス派のメンバーと話している

華岡侘介、孔守融も、その輪に加わる

プリンス派の香月操をリーダーにした血の濃さによる順列が崩壊したため私塾の中のパワー・バランスが一気に変化しようとしているのだろう

プリンス派は、血族と親の世代の因縁に縛られていたし

新興グループも、後からの参入した人間の子供という負い目があった

それもまたコンプレックス

そういうコンプレックスが一気に解消されて一気に風通しがよくなっている

もっとも逆に孤立することにしたらしい者もいる

河藤晃司と高木風太の2人は、1人離れて全体の様子を眺めている

また、香月操、昴、仁の3人は血族だけで集まって、静かに食事をしている

オレたちの方も、少し変化がある

さっきまで暗い顔をしていた美子さんが今は、明るい顔で瑠璃子と食事している

瑠璃子の婚約者問題が片付いたことで、少しフッ切れたらしい

みすずと渚が場を取り持っている

麗華はあいかわらず、真緒ちゃんと遊んでいる

マナとメグは、2人で固まって食事していた

このコンビは、どうにか壊さないといけない

メグとマナのコンビは、あんまり良く無い気がする

雪乃は、1人でぐったりとしている

しかし、自分の正体を知る香月仁が居るからオレたちの側からは、離れられない