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お前、ちゃんと食ってるか

オレが雪乃に尋ねると

もう、放っておいてよあたしのことなんて

オレは、サンドイッチと飲み物を持って行ってやった

とにかく食っとけよいざっていう時に力が出ないぞ

いいのよ、あたしもう死んだっていいんだから

雪乃は、暗い顔でそう言う

守次おじ様が失脚したらもう、あたしたちを助けてくれる人なんて、誰もいないわ

雪乃はあたしたちと言った

パパも見捨てられるママは市川の実家へ戻ればいいし舞夏は、まあ、あんたが助けてくれそうだけれど

雪乃には自分の家族がある

あんな酷い父親と責任放棄の母親も雪乃にとっては、家族なんだ

あたしはどうなるのかしら

とりあえず一年は、オレたちと一緒だよ

一年

雪乃は、怪訝な顔をする

お前は子供を産むんだから

ハッとして雪乃は、自分のお腹に触れる

あたしもう妊娠しているのかしら

今していなくても、必ず妊娠させるよそれがミナホ姉さんの意志だから

ミナホ姉さんは雪乃に、死んだ自分の妹の身代わりを産ませようとしている

赤ん坊が産まれなければミナホ姉さんの復讐は完成しない

ミナホ姉さんは、白坂創介によって二度と子供を宿すことのできない身体にされてしまったのだから

そうね、あんたたちが諦めるとは思えないものね

雪乃は、嫌悪感を露わにして呟いた

好きなだけ、あたしのことをレイプすればいいじゃない卑怯者

そんな雪乃にマナが近付く

お兄ちゃん、あたしが産もうか

おい、マナ

雪乃さんじゃなくてあたしが産んだって、黒森さんの復讐は果たされるでしょあたし、別にいいよどうせ、いつかはお兄ちゃんの赤ちゃんを産むつもりだし今すぐ、妊娠してもいいよマナ、どうせ学校へ戻れないし

マナは今通っている、名門女子中学には戻れないだろう

一年休学してマナが、赤ちゃん産むよそしたら、雪乃さんはもうお払い箱でいいよね

あ、あたしだっていいのよ

メグまで、寄って来る

あたしも白坂創介の娘なんだから

いいよ、メグお姉ちゃんマナが産むよメグお姉ちゃんは、学校があるんだし部活頑張って欲しいし

マナこそダメよ14歳で出産なんて、身体によくないわそれに、あなたスーパーモデルを目指すんでしょ妊娠したら身体のラインが変わるのよ知ってるでしょ

メグが、マナに言う

でも夢は夢だもん夢よりも、あたしはお兄ちゃんとの絆が欲しい

赤ちゃんができたらもう、絶対にお兄ちゃんとは離れなくていいんだって、信じられる気がするの

そっかマナは

不安なんだ

それにね雪乃さんが、お兄ちゃんの赤ちゃんを産むのは怖いの

雪乃さんにお兄ちゃんを取られるんじゃないかって

ヨシくんあたしもそう雪乃が怖い

この2人は

雪乃の実の妹と、腹違いの姉妹

ずっと、雪乃に対してコンプレックスを感じて生きてきた

その傷が2人の心に深く残っている

あたしはこんな男、大っ嫌いだから

雪乃が姉妹たちに言った

でも、この男どうも、あたしのこと好きみたいなのよね

意地の悪い笑みを浮かべて雪乃が囁く

知ってるわだから、怖いのよ

あーあ、あんたたちの落ち込んだ顔を見たらお腹が減ってきちゃった

雪乃は、オレの持って来たサンドイッチを食べる

そうねあんたを苦しませるためなら、この男の赤ちゃんでも産んであげようかしら

雪乃もまたメグに劣等感を抱いている

その悪感情が雪乃を暴走させる

あんたの泣く顔が見れるのならあたし、何でもするわ

雪乃お前、何も判ってないな

お前一度でも、オレとセックスしたいと思ったことはあるか

そんなのあるわけないじゃないあんたみたいな人、嫌いだものあたしはいつも、無理矢理あんたに犯されているのよ

プライドの高い雪乃はそう、答える

そうだお前はいつも、無理矢理犯されている今も、無理矢理、変な格好をさせられて無理矢理、連れ回されているお前の意志なんて、全然関係無く

そうよっあたしは被害者なのよっ

雪乃が怒りの眼で、オレに吠える

そういうことだ妊娠させられるのも、子供を産まさられるのも無理矢理だお前の意志なんか無視だ

泣かなきゃいけないのは、お前の方だお前の人生、オレがメチャクチャにしてやるからな

雪乃の眼にクッと涙が溜まる

な、何よ、何よ、何よ許さない、絶対に許さないからねあんたなんて

また、涙の粒が雪乃の頬を零れていく

ああ、許さなくていいよ許して貰おうとは思わないから

オレは、メグとマナを見る

お前たちは何があっても、雪乃を羨ましいと思うな

メグもマナもオレが幸せにするだから、お前たちは幸せになる

雪乃は、絶対に幸せにしないお前たちとは、違うんだ

雪乃とは判り合うことはできない

オレたちは、相容れない

オレを信じて、胸を張れいいな

暗い顔のままのメグ

お二人は、ご主人様を信用なさらないのですかでは、ご主人様の女であることを、ご辞退下さい

すっと美智が顔を出す

美智さんそれって

わたくしやみすず様はご主人様が、わたくしたちを幸せにして下さることを信じておりますしわたくしたちも、ご主人様を幸せにすると誓っております

美智が、はっきりと告げた

ご主人様にいつまでも甘えるばかりで、ご主人様を支えるおつもりがないのならお二人は、わたくしが排除します

おい、ちょっと美智

工藤流古武術で、メグやマナに襲いかかられては困るぞ

はいはいはーいっそこまでねぇっ

寧さんが、ニコニコ笑って登場する

メグちゃんもマナちゃんもそろそろ考え直してね君たち、昨夜からずっとヨッちゃんに甘えっぱなしなんだから

甘えてますかあたしたち

甘えるのは、いいんだよっ家族なんだからっでも、甘えるばかりになっちゃっててそれでいいの

よくないと思う

あたし、どうしたらいいんだろう

メグが呟く

いつのまにかみすずさんに追い越されてみすずさんは、ヨシくんのパートナーとしてどんどん魅力的になっていってるのにあたしは、お荷物のままであたしあたし

272.コンプレックス(その2)

ふーん仕方無いんじゃないの

落ち込むメグに寧さんは、カラッとした声で言った

メグちゃんは、ヨッちゃんの側にずっと居たいんでしょ

それは、そうですけれどでも

でも何さ

あたしヨシくんの役には、立っていないと思うから

ヨッちゃんに必要とされたいんだ

だって今のあたしには、ヨシくんが必要なんですだから、あたしもヨシくんに必要とされたいでもヨシくんには、みすずさんや寧さんや、あたしなんかよりも素敵で心の強いお姉さんたちが居てくれていてあたしは、足手まといなんじゃないかって思うんです