メグも、そう言い出す
誰かオレに説明してくれよ
だぁかぁらぁ
この女の目的は、最初っからみすずさんの退場処分だったわけ
なにぃ
退場処分になったらみすずさん、今日の発表会に出られなくなるでしょパンフレットに名前は載っているし香月さんや知り合いの人もみんな観に来るのに、みすずさんが不祥事で出場できなくなったら、どうなる
みすずにとって不名誉なことになる
そしてこの女のご主人様の瑠璃子さんだけが香月家からの唯一の出演者ということになる
みすずは呆然としている、工藤遙花を睨んだ
あたしと瑠璃子さんの後継者争いにも、影響が出ると思ったんですよね工藤遙花さん
だからみすずは
オレたちが、美智に姉との対決を覚悟させたところで
わざと気を削ぐような方向に持って行ったんだ
なぁるほどねぇ
側から不意に声がした
ハッとして、振り向くと
マルゴさんが居る
マルゴさん、いつの間に
気配を消すのは、あたしの仕事の基本だからね
みすずさん、この子を処分する前にさ
マルゴさんが、提案をする
美智さんとの勝負は、やっぱりさせてあげるべきなんだと思うよ
美智は、姉へのコンプレックスから抜け出るため
正々堂々と勝負して、姉に勝つべきだ
こういうのはどうかな工藤遙花さんだっけこの子が勝ったら、処分は無しにするみすずさんに対しての無礼な行為も全て忘れてあげる
美智が勝ったら、どうしますか
メグが口を開いた
売春して貰いましょう
その人お屋敷の女の人たちを侮辱したんですからあたし、絶対に許さないわ
美智が勝ったら工藤遙花は、売春婦になる
一度だけで構いませんから売春婦の辛さを体験して貰いたいの
どうかな、みすずさん
マルゴさんが尋ねた
それで良いと思いますどうかしら、遙花さん
工藤遙花は
勝てばいいんでしょわたくしが勝つわよ美智に、姉のあたしが負けるはずがないじゃない
毎日更新で書いていると日々の健康状態や精神状態が、あからさまに出てしまいます
なかなか、難しいですね
この2週間は、私にとってかなり厳しい時期でした
やっと抜けられた気がします
最後は自分の作ったキャラクターたちに救われました
とても、良い子たちで心から感謝しています
217.イン・ザ・ボックス
美智も、いいですね
みすずが、美智を見る
美智は、姉との勝負に乗り気では無いらしい
美智お父さんに言われたこと、覚えているか
オレは美智に言った
美智は、もう自分の工藤流を作っていかなければいけないんだぞ
例え、相手が自分のお姉さんだとしても美智は闘うべきだ
オレの言葉に、マナが
そうだよっお姉ちゃんとか、血の繋がりとか関係ないよっボッコボコにしちゃえばいいんだよっ
マナすぐ横に雪乃が居る状態で、それを言うか
こいつのコンプレックスも、複雑だからなあ
ミナホ姉さんが、今朝から徹底して雪乃に酷い格好をさせている理由が判ってきた
マナもメグも雪乃に対するコンプレックスが強く根付いているから
マナとメグはドレス・アップ、雪乃はドレス・ダウンさせることで、劣等感を刺激しないようにしているんだな
せめて雪乃は、自分よりも美人という先入観が崩れれば、二人のコンプレックスは大幅に改善されるだろうし
工藤遙花さんあたしのことは、知っている
マルゴさんが不意に、工藤遙花に声を掛ける
マルゴ・スタークウェザーさん黒い森の警護役の方ですよね
工藤遙花は、一応、オレたちについては調べているようだ
あたしは君よりも一つしか年上で無いけれどもう3年以上、この仕事やっている同じ業界の先輩として忠告しておくけどさ君、才能が無いから、ボディーガードは辞めた方がいいよ
工藤遙花の表情が、厳しくなる
ただの売春組織の警護役が、香月セキュリティ・サービスの人間であるわたくしを侮辱するつもりですか
マルゴさんは、ククッと笑って
ごめんねあたしは心の冷たい人間だからさ、才能の無い人間には、はっきりそう言うことにしているんだよ香月セキュリティ・サービスに迷惑を掛けないうちに、足を洗った方がいいよこの世界は、君みたいな鈍い子が生きていける世界じゃないから
わたくしは、空手のインターハイ優勝選手ですっそのわたくしの何処に才能が無いとおっしゃるんですか
だから、ずっとアスリートをやっていた方がいいと思うよ君には人を守ることはできないよだって、君は守られる方の側の人間だからね
マルゴさんの眼は、冷たかった
無礼なッッ
工藤遙花が、マルゴさんに殴りかかろうとするが
その瞬間、寧さんが机の上にあったボールペンを工藤遙花に投げつける
はいよっ
工藤遙花が、そのペンを避けると
マルゴさんの拳が、工藤遙花の顔面すれすれに出現する
寸止め
後一歩、踏み込んでいたら
工藤遙花の顔は、粉砕されていただろう
相変わらず、マルゴさんと寧さんの連携は凄い
まだやるかい
ひ、卑怯ですわ
そう言う、工藤遙花に
君不意に敵に襲われたら、相手にそう言うのかい
工藤遙花は、空手選手であって
裏の仕事には、向いていない
い、今のはちょっと気が緩んでいただけですっ実戦では、こんな失態は致しません
本当に、ダメだこの人
あたしは今、実戦をやっているんだけれど
マルゴさんの言葉に工藤遙花は、ゾクッと震える
君と美智さんなら、ただの姉妹ケンカなのかもしれないけれど香月セキュリティ・サービスに籍のある人間が、黒い森の人間に殴りかかったら、それはもう実戦だよね
マルゴさんが、穏やかに話す
黒い森は、香月さんには大変お世話になっているけれど香月さんの部下ではないんだよあたしたちは独立した組織だあたしは最初に聞いたよねあたしのことを知っているかって
そうだマルゴさんが
あたしが黒い森の警護役っていう看板を背負っているって知っていた上で君は、ケンカを売ってきたわけだ
それはあなたが、わたくしを侮辱したからですっ
それを言うのなら
工藤遙花は、さっきから散々、オレたちやみすずのことを侮辱している
でも、殴りかかってきたのは、君の方だろあれ知らないのこういう時は、先に手を出した方が負けなんだよね
そ、そんなのは言い掛かりです
そうかなあこれだけ目撃者がいたら、どうしようも誤魔化し様が無いんじゃない
マルゴさんが工藤遙花の手下の一人の少女を指差す
ねえ、そこの君はどう思う今のは、どっちが悪い
マルゴさんは、余裕たっぷりに尋ねた
少女は、チラッと工藤遙花を見るが