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ダムゥッ

黒いゴムの小さな弾が、異次元戦士を吹っ飛ばす

痛い痛いじゃあ、あーりませんかっこりゃまた、ビックリ驚いたっ

異次元戦士は、すぐに起き上がってそんなことを言う

こいつはね、面で攻撃すれば撃退できるんだよっ

ルビーさんが、ショットガンをポンプアクションさせて、2発目を撃つ

ダウウッ

こ、こいつはたまらんたまりましぇーんピー、ガリガリピー、ガリガリ一時、撤退致しまぁーすっようそろう

異次元戦士は、ホテルの入り口の方へ向かって後退する

ピストルを持った黒い戦闘服の男たちが、行く手を塞いでいたが

ちょっと通りますよーんっ

男たちが、驚いている間にススッと、隙間を通り抜けていく

また会おうそれまでは、ずっといい動きでいてくれたまえよーん

ビッとポーズを決めて異次元戦士は、逃げて行く

はーい、おじ様ぁお達者でぇ

番場さんは、手を振って見送っていた

次に会った時は、殺そうあたし、あいつ嫌いだわ

姐さんあたしも、同感です

バービーさんとルビーさんは、顔を見合わせて頷く

一方、その頃

タケシハンターは、二人目のタケシを倒していた

ちくしょう、上杉この大嘘つき野郎日本での賞金稼ぎは引退するが、英語のBounty hunterは続けるとか、意味が判らないんだよっドイツで、日本の賞金稼ぎの代表みたいな顔をして、嘘ばっかりついてきやがって

それは、****から***に政治的な圧力がですね私はただ

うるさい、黙れっ

タケシハンターはライフルの台尻で、上杉タケシにトドメを刺す

次は、どのタケシだぁぁ村上タケシこと、タケシ・ポムかぁそれとも、剛田タケシ、またの名をタケシ・ギガンティア・アン・ブートン・プチ・兄貴貴様かぁタケシ・オブ・ザ・レインボー、大和タケシ貴様が来るのかぁ

タケシハンターが、タケシィズを睨み付ける

私がお相手しよう

眼鏡にヒゲの大男が、一歩前に出る

私の現代アーティステックな秘技には、定評があるぞ

誰の定評だどうせまた、自己評価で自分を高く売り付けているだけなんだろ

まだ、村上タケシがお嫌いですか

二人の戦闘が始まる

あああーっテルヤクン、テルヤクン、テルヤクンテルヤクンテルヤクンッ

謎の呪文を唱えながら、突っ込んで来る村上タケシをタケシハンターは一撃で倒す

わけわかんねぇんだよ、お前はっ

曲解です強い悪意を感じますもっと、私の書いた本を読んで、私のことを勉強して下さい

お前のことなんざ、世間の人間は、どうでもいいんだよっ

む、無念

村上タケシの巨体が、床に崩れ落ちる

タケシハンターは、その顔を靴で踏みつけて

さあ、次はどっちだ

ほぼ同数で始まった戦闘だったが

突入してきた黒い戦闘服の連中は、実質戦闘に加わっていないので

防衛側が、圧倒的に有利になっている

ていうかこのフリーの警護人たちの常識外れな闘いを見ていると、素人の黒服たちが呆然としているだけなのもよく判る

何なんだろうこの人たち

あよく見ると、敵も味方も倒れた人は、ネコさんが部下を使って回収している奥の部屋に運んでいるな救護室か何か、あるんだろうか

さてタイミング的には、そろそろだよね

マルゴちゃんもそう思う

何が、そろそろなんです

オレが尋ねてみると

最初に素人の連中を突っ込ませて来てでも、その連中がマシンガンを乱射して、催涙弾を放ったから今、1階のフロアには香月セキュリティ・サービスの正規の警備員は一人もいないよね

そうだ山岡部長は、自分の部下を全員待避させた

今、1階にいるのは工藤父の連れて来たフリーの警護人たちだけだ

そしてフリーの人たちも敵味方に分かれて、乱闘してしまったそろそろ疲労が出てくる頃合いだと思わない

確かにスクリーン上の番場さんたちは、戦闘開始の頃よりも動きが鈍っているように見える

シザーリオ・ヴァイオラの本隊が来るとしたら今だよね

今居る連中はみんな囮

ヴァイオラの本隊は、どんな風にやって来ると思われますか

みすずが、マルゴさんに尋ねる

あれじゃないのパラシュートとかで、屋上に降りてくるとか

マナが、興奮してそんなことを言い出す

飛行機やヘリコプターの状況は、常にチェックしています飛行計画がちゃんと提出されていないと、東京上空では飛行機もヘリも発着できませんし違反行動があれば、すぐに判ります

うん航空会社にチャーターすると、足が付くし

どこかから盗み出すというのも大変だつーか、すぐにバレる

外国人犯罪者のヴァイオラが、飛行機やヘリを使用して自分の兵隊たちを運ぶのは無理だろう

じゃあ、ハンググライダーとかでビュッと飛んで来るのは

あのね、マナちゃんハンググライダーって、結構風任せなんだよそれに、ここはお台場の外れで一番高い建物だよハンググライダーでこのホテルに降りるためには、相当に高い建物の上から飛ばないと無理だけどそんな場所、近くには無いしね

レインボーブリッジとかは

あんなところからハンググライダーで飛んだら、大騒ぎになると思わない

マルゴさんがマナに、丁寧に説明してくれた

そもそもパラシュートにしても、ハンググライダーにしても、数人ならここのホテルの屋上に降り立てるかもしれませんが何十人も降下するのは無理ですそれに、私たちは当然、ホテルの屋上にも、迎撃部隊を配置してありますし

じゃあさ、ホテルの壁をスパイダーマンみたいに昇ってくるっていうのは

マナが、さらに尋ねる

そんなフリークライミングみたいなことをした後で、体力が残っていると思う

マルゴさんが、優しく窘める

あたしは堂々と、ホテルの正面から来ると思うよ

ホテルの正面

あたしたちの知っている、男のヴァイオラは力尽くが好きだからね屋上とか別のルートから、特殊部隊を潜り込ませるみたいな手は使わないと思うよ

うん、あたしもそう思う

永年、ヴァイオラの犯罪を見て来た寧さんも小さく頷く

ええ来たようですわ

麗華の声に、オレたちはスクリーンに眼を戻す

あれは

ホテルの外部カメラが外の様子を捕らえた

やって来るのは

3台の大型の観光用リムジン・バスだった

今日も短めで、済みません

父の人工呼吸器が外れて普通に喋れるようになりました

病室も、今日からは集中治療室から一般病棟に移れるそうです

ちょっと、頭が呆けちゃっているみたいです

ここが何処なのか全然、判っていないようです

一応、家族のことは判るみたいですが

今は6月だと思っているらしいですし

夢と現実が、ごっちゃになっているようです