Выбрать главу

だからさ白坂家の三人と、重役たち、香月さん自身を別々のフロアの別々の部屋に移す必要があるんだよ

そうですね裏切り者も、自分の息子が居る場所に敵を呼び込むことはしないでしょうから

だから重役たちと私塾の連中を一緒にする

あたしたちも、そろそろ移動するべきね

くたびれています眠いデス

目方でドンなんて若い人は知りませんよね

279.なからましかば

おい、これってどういうことなんだよ

今まで呆然として、スクリーンを見上げていた私塾の連中の中から香月仁が、オレたちに振り向く

御覧の通りです現在、このホテルは敵勢力による襲撃を受けております

真緒ちゃんを抱きかかえた麗華が、平然と答えた

だから何なんだよ、あの連中は

閣下がご説明下さった通り白坂守次氏の命を受けた、アメリカの犯罪組織だと思われます

麗華は、真緒ちゃんの頭を撫で撫でしている

真緒ちゃんは、ちょっと眠そうな感じだ

僕たち、あの、大丈夫なんですよね

心配そうに、香月昴が尋ねた

香月セキュリティ・サービスが対応しております

いや、だからオレたちは、安全なのかって聞いているんだ

夏木惇が、大きな声で喚いた

私塾の連中全員が、緊迫した状況に怯えている様子だった

1階の状況は、ご覧になられたのでしょう

みすずが、冷ややかな眼で答える

武装した百人を越す集団がこのホテルに襲来したんですセキュリティ・サービスの皆様は精一杯やって下さると思いますが、皆さんも一応の覚悟はしておいて下さいね

あの警察とかには、通報してあるんですよね

司馬アキラが、おそるおそる聞いてくる

今、警察が動いたとして何ができると思われますか

みすずは、質問に質問で返した

だって、それは警察の特殊部隊とか、そういう人たちに来て貰えば

警察の方々が、あたしたちの今の状況を理解して対テロ組織用の特殊部隊の出動が認可されるとしたらまあ、早くても2時間後だよね

マルゴさんが、笑って言った

それよりさ今、ここに警察が来たら色々とマズイと思わないこのホテルには、香月グループの重役がほとんど全員集結しているそれから白坂家の白坂守次当主を失脚させようとしている勢力の3人も揃っているそこに、謎の戦闘部隊が襲撃を掛けたなんてことが外に漏れるのは、よくないよね

警察からマスコミに情報が流れることって、よくありますものね

マルゴさんの言葉に、麗華が付け足しをする

白坂家のスキャンダルに香月グループが、全面的に巻き込まれることになります

私塾の連中が、ブルッと身体を震わせる

そうか、白坂家のスキャンダルは新聞社とテレビ局の経営権を奪い取るために、閣下が引き起こしたことと思われるかもしれませんね

嘉田奉孝が、香月操に言う

しかし、白坂守次が閣下に襲撃部隊を送り込んだというのはやつにとって、命取りになるのではないか

その辺は私は何も知らないを押し通すつもりなのでは

こういう場合は襲撃を受けた我々の方も、落ち度があったと報道するのがマスコミの常ですしね

大張遼、華岡侘介、香月健思が順番に語る

それにこれぐらいの襲撃を自力で撃退できなければ、香月セキュリティ・サービスの沽券に関わります

トップ・エリート警護人である麗華が、笑ってそう言った

警察の手など患わせることなくわたくしたちは、襲撃者全員を排除致します

そ、そうかでは、私たちの安全は保証してくれるのだな

私塾を代表して香月操が、麗華に尋ねる

わたくしたちが全力でお守りするのは、閣下とご家族だけですわ

麗華の返事に私塾の連中は、動揺する

それって、どど、どういうことだよ

角田文和が、慌てて叫んだ

閣下からは、皆様をお守りせよという命は受けておりませんから

でも、オレたちは閣下の臣下の子供だぞっ

香月仁も喚く

はい臣下の皆様はすでに、ご自分の命を犠牲にしてでも閣下をお守りするお覚悟をなさっているはずですわ主のために命を懸けるのが、臣下の勤めでございますから

麗華は、はっきりと言った

臣下は、幾らでも替えがききますが現在の香月グループは、当主である閣下を失うことはできませんまた、香月家の後継者である、みすず様、瑠璃子様のお命も絶対に守らなければなりませんそのことは、お判りですよね

麗華の言葉に、私塾の連中は黙り込む

自分たちを、選ばれたエリートだと信じていた彼ら

しかし、自分たちよりも上の立場の人間の前では絶対に守られるべき存在ではないのだということを思い知らされる

もちろん香月セキュリティ・サービスも、できる限り皆様をお守りするよう努力は致しますしかし最優先にすべき人物では無いと、認識されていることはご了承下さいもし、敵がホテルの上層部まで侵攻して来たとして味方の数が足りなければ、わたくしたちは閣下の安全を優先するために、皆さんの警護を放棄するという可能性もあります

そんなオレたちを見捨てる気かよっ

角田が叫んだ

最悪の事態になった場合は、そういうこともあるということですわ

麗華の声は、穏やかなままだった

あのこういうのは、どうですか僕たちも、僕たちの両親も全員、閣下と同じ部屋で警護して貰うっていうのはそれなら、警護の人たちも一カ所に集中できますし良い考えだと思うんですけれど

香月昴が、そう提案する

それでは敵の勢力も、一カ所に集中して攻撃してくることになるんじゃない

マルゴさんが、笑って答える

香月セキュリティ・サービスは、敵を分散させたいんだよ幾ら何でも、百人以上の敵がまとまってやって来るのを撃退するのは、大変だからね

はいそれに、閣下と閣下のご家族、臣下の方々、私塾の皆様、それに担当の警護人全員が収容できる部屋となれば、レストランや会議室、こちらのパーティルームなど、場所が限られてしまいますこのホテルの間取りは、敵は全て知っているでしょうし

うんレストランとか、会議室、結婚式場なんかが、どの階に幾つあるかなんてことはホテルの情報を調べれば、一発だろう

閣下の所在地を、敵に判らないようにするためには上層階のごく普通の客室にお隠れになっていただく方が良いと思いますわもちろん、警備はその部屋に集中させるのではなく、そのお部屋を中心にして幾重にも警護人を配置していくという形式で敵の一部に所在地を特定された場合には、すぐにまた別の階の別のお部屋に移動できるような態勢でいなければいけませんから

とにかく麗華は、香月セキュリティ・サービスがプロの警護集団であり、ジッちゃんの安全を守ることだけに集中しているということを私塾の連中に伝えた