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麗華が鍵を開ける

どうぞ中へ

オレたちは、全員部屋の中へ入った

部屋の中は、可動式の大きな棚が何層も並んでいてホテルの普段使わない備品が置かれていた

可動棚が、普段は壁にぴったりくっついていて使用したい物が置かれている棚があれば大きなハンドルを廻して、棚と棚の間に人が入れるだけのスペースを作るという構造になっているらしい

麗華と関さんが、そのうちの棚の一つを動かす

人が入れるぐらいの幅が開くと奥の下の方に置かれている箱に向かう

よくあるプラスチック製の物入れだ

蓋を開くと中には、万国旗が詰まっていた

今時、こんなのこの近代的なホテルのどこで使うんだろう

麗華が、その万国旗をケースから出す

ケースの中からテンキーの付いたリモコンのスイッチが出てくる

貸して

関さんがスイッチを受け取り暗証番号を打ち込む

続いてジッちゃんが幾つかの数字を打ち込んだ

これでいいはずだ

関さんが、メインスイッチを入れると

部屋の奥の壁がスーッと開いていく

そこにあったのはエレベーターだった

緊急避難用の部屋に通じているエレベーターだこの階のこの部屋からしか、行かれないようになっている

このホテルは、最初から香月グループの重要な会議をするために作られている

だから、こういう避難システムは設計時から作られていたのだろう

ジッちゃんはいつも、この緊急避難エレベーターがあるフロアの近くに居て

突然の事態に対応するようにしているんだ

このエレベーターは、私の右手の静脈を確認しないと始動しない

ジッちゃんが、緊急エレベーターの横のパネルに右手を当てる

ヒピッ承認致しました

エレベーターからアナウンスの声が響きエレベーターが、スッと開く

このエレベーターは5人乗りだ順番に乗りたまえ

最初は瑠璃子、そして美子さんそれに、ミナホ姉さんと寧さん護衛として関さんが乗り込む

あり得ない可能性だが緊急避難室に、敵が忍んでいることを想定してだ

ジッちゃんとみすずと瑠璃子さんが一緒に乗らないのももしものことを考えてだ

全員が一挙に捕まったら、元も子も無い

さてさて、家族だけになって一旦避難します

それで、内側の問題を片付けて

その間に、工藤父たちに襲撃グループの数を削らせるという感じでしょうか

一応、エッチシーンも入れる予定です

今日は、東京は時々雨が降って蒸しましたが、気温が低くて助かりました

それでも夕方の雨の切れ目に、自転車で病院まで行ってきました

しばらくは、こういう生活が続きそうです

感想欄のお返事が、すぐに書けない状態が続いており、申し訳ありません

時間のある時に、少しずつお返事を書いております

どうか、ご容赦下さい

281.コンプレックス(その3)

数分後、エレベーターは戻って来る

緊急避難室というのが、ホテルの中のどこにあるのか判らないが

このフロアの近くでは無いのだな

スーッとドアが開く

次はジッちゃんと、克子姉と渚渚は、眠っている真緒ちゃんを抱いているそれに麗華が乗る

エレベーターが戻ってくるのを待って

みすずとメグとマナ、雪乃、美智が乗り込む

旦那様、先に行かせていただきます

うん、気を付けろよ

みすずは、オレに声を掛けてくれたが

メグとマナと雪乃は、無言のままだった

残ったのはオレとマルゴさんだけだ

別に二人きりになるつもりは無かったんだけれど

気が付いたら、こうなっていた

かなり重傷だねあの子たち

はいちょっとマズイですよね

オレも、困っている

さっきジッちゃんが、未来の話をしだしてみんなして、パン屋やビルの話をしたのってオレたちが怖がらないように、元気づけてくれようとしてくれたからですよね

もちろんそうだよ明るい未来の話は、良い気分転換になるからね

今、自分が居る建物の下階から、大人数の敵が侵攻して来ている

香月セキュリティ・サービスや工藤父の仲間が、それぞれ撃退してくれているとは思うけれどやっぱり、怖い

ガス弾の煙の中に消えた、4人のこともあるし

正直、オレたちの心には恐怖が渦巻いている

ちゃんと明日は来て、みんなで幸せになれるそう、信じているって語り合うことで、怖い気持ちに対抗するんだよ

はいみんな、そのことを判ってくれていましたよね

だから、寧さんも渚も克子姉も楽しそうに、明るく夢を語ってくれた

みすずも、瑠璃子も美子さんも話しにノッた振りをしてくれた

場を和ませ雰囲気を明るくするために

麗華お姉さんは、本気だったけれどねでも、ちょっと天然なところがあの人の可愛らしさだから、あれでいいと思うよ

確かに麗華は、トップ・エリートの警護人だから、肝が据わっている

これくらいの危険なシチュエーションなんて、全然平気なんだろう

だから、オレたちの不安な気持ちとかは、よく判らないんだ

きっと麗華は、敵との戦闘中にその日の夕食の献立について話したりできるだろう

自分が敵に負けるということを、これっぽっちも想定していない

絶対に守り通すという、強い意志を持っている

最悪の事態まで、あらかじめ全て想定して準備しておく、ミナホ姉さんや工藤父とは真逆の性格だ

しかし現場で闘う、プロの警護人としては、そういう考え方もアリなんだと思う

麗華が平然としている限り周りに居る人間は、安心できるし

あれ、待てよ

英国風カフェは本当にやりたいんだな

やらなきゃいけないお店が増えて君は大変だね

マルゴさんだって、手伝ってくれるんでしょ

メイドは嫌だけどギャルソンの格好はしてみたいかな

あ、それ人気出ると思います

ダメだよ、寧のメイドの方がお客には好評だと思うから

そんなことありませんよマルゴさんだって絶対に固定客が付きますって

でも、いいのそういうのって、麗華お姉さんがやりたい英国風カフェとは違うんじゃない

いいんですよ麗華は、ちょっと世間とはズレているからていうか、麗華自身がお店に立てば、すごい人気になるだろうし

英国紳士の男装をする超美人なお姉さん

見た目は凄いクールだし

女の子のファンが、いっぱいできると思う

そうだねお店は繁盛しそうだね

マルゴさんは、楽しそうに言った

ところでどうしようか

不意に、マルゴさんがオレに尋ねた

白坂家絡みの3人落ち込んだままだったけれど

白坂創介の娘雪乃、メグ、マナ

さっきの未来のお店話にも乗ってこなかった

3人だけ、暗い顔をして

まあ、雪乃さんは家族じゃないからちょっと置いておくとしてさ