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君自身の忌憚の無い意見を聞いているんだけれとね

マルゴさんの言葉は穏やかだが殺気は隠していない

少女は

遙花様今回のことは、全て私たちの負けですわ

な何を言うのよ

手下の答えに、工藤遙花は驚く

そもそも先に侮辱的なことを言って、相手を挑発しトラブルを引き起こそうとしたのは私たちですし

それがバレた上に、そちらの方に同じ様に挑発されて殴りかかってしまう遙花様は、ちょっとどうかと思います

それにその方は、わざわざ寸止めにして下さいましたし

道義的にも、その方のおしゃっていることの方が正当だと思います

4人の手下全員にたしなめられる工藤遙花

と皆さんは、言っているけれど

何重にもマルゴさんは、工藤遙花の上を行っている

根本的な、経験値が違いすぎる

美智あなたがお姉さんに引導を渡すべきだわ

みすずが、ここまでの様子を見て言った

このままボディガードを続けたら、遙花さんは死ぬわ瑠璃子さんも、きっと酷いことになると思うの

美智が、ジッとみすずを見る

だから、あなたが遙花さんを倒しなさい

ポケットから、白い手袋を取り出すと姉に叩き付けた

な、何をするのよ美智

驚く、姉

姉上いえ、こうなったからには、血縁は関係ありません我が主、香月みすず様の命により、工藤遙花あなた様に決闘を申し込みます

馬鹿なこと言わないで、姉妹で決闘だなんて

姉妹だからこそこれ以上、工藤家の恥を晒さぬ様、あなたを処罰致します

その言葉に工藤遙花は

美智あなた、本気であたしに勝てると思っているの

あなた程度の人間に勝てないようでしたら、みすず様の警護役は務まりません

絶対に1対1の勝負でしょうねそちらの方が、加勢するなんてことは無いですわね

疑り深そうな眼で工藤遙花は、マルゴさんを見る

決闘なんでしょなら、手は出さないよだいたい、君ぐらい彼女一人で倒せるし

マルゴさんは、軽くそう答えた

わたくしが弱いとおっしゃるのですか

ギッと強い視線で睨む工藤遙花

そうだよ君は、自分がどれくらい弱いか気付かないくらい弱い

うん弱い上に、ちょっと頭が悪いよね空手の練習ばっかりやっていたからそうなんだろうけれど

マルゴさんの言葉に、寧さんが付け加える

奈落とか、今日は使わないんだよね

はい、今日は日舞の発表会ですからセリや回り舞台は使いませんし

奈落って何

ああ、旦那様舞台の真下の地下の部屋のことです

みすずが、教えてくれた

じゃあ、そこにしようかこの劇場の中で、他に決闘できる場所なんて無いよね

はい場内は、どこも警備の方がいらっしゃいますから

だからって今、劇場の外に出て行くのは嫌だしね

わざわざ、シザーリオ・ヴァイオラの標的になりに出るようなものだ

じゃあ、決闘は舞台地下の奈落ってことで発表会の始まる前にカタを付けておこう

はい見届け人は、あたしが務めますよろしいですね、遙花さん

みすずが、工藤遙花に言った

判りました、鍵はわたくしが開けていただきます

工藤遙花が、そう言った

じゃあ、準備ができたら声を掛けてねっそれから君が負けたら、売春して貰うペナルティはそのまんまだからねっ

寧さんの言葉に、工藤遙花は

構いませんどうせ、わたくしが勝つのですからその代わり、わたくしが勝つたならば、美智を返していただきます

美智を返す

美智は、もう一度わたくしが空手で鍛え直します姉に逆らうような妹は、徹底的に制裁しなければなりませんわっこれもみんな、あの愚かな父と工藤流などという下らない武術をやっているからです美智は、堕落してしまいました

姉の言葉に美智は

あなたは、何も判っていらっしゃらないお見せ致しますわたくしの成長を

もう美智に、迷いは無い

ふんっギッタギタにしてあげるから覚えてなさいねっ

工藤遙花は、どこまでも妹をナメ切っている

こんなところに居たのですか

ロビーの向こうから、二人の少女が現れる

一人が主人で、もう一人がお付きの少女であることはすぐに判った

美子と楽屋で練習をしていたらいつの間にか姿が見えなくなってしまうのですもの困りますね

工藤遙花にニコッと微笑む長い黒髪の美少女

マナと同じくらいの背丈で顔は、みすずによく似ている

やっぱり、飛びっ切りの美少女だがみすずよりも、おっとりとした感じがする

何か優雅という言葉がとても似合いそうな

この娘もオレは前に見ている

瑠璃子さんちょっと、遙花さんをお借りしていました

みすずが従妹香月瑠璃子に、声を掛ける

確か、15歳中学3年生だっけ

あら何か御用をなさっていたのですか

瑠璃子さんは、机の上に並べられたパンフレットの山を見てそう言った

はい加奈子さんに、パンフレットを二つに折るように頼まれました

今までの険悪な空気を打ち消してみすずは、にこやかに瑠璃子さんにそう告げた

まあ、そうでしたかでは、わたくしたちもお手伝い致しましょう美子

はい瑠璃子様

お付きの美子さんは高校生ぐらいに見えた

ご主人の瑠璃子さんに似て、とっても穏やかそうな人に見える

遙花さんたちは、警備本部にお戻りにならないといけないのよね

みすずが、平然とそう言った

舞台の奈落への通路を適当な理由を作って、開けさせないといけない

まあそうなの、遙花さん

瑠璃子さんが、自分の警護役を見る

では、早く行ってらっしゃいわたくしと美子は、ここでみすずさんのお手伝いをしておりますから

主人を残して行くことに工藤遙花は逡巡している

ここは、あたしが守っているから何の問題も無いと思うよ

マルゴさんが、ニコッと微笑む

だから、さっさと行って、すぐに戻ってくればいいんじゃないのかな

瑠璃子様わたくしは、すぐに戻って来ますから美子さん、頼みますねみすず様も卑怯なことはなさらないで下さいねみんな、行くわよ

工藤遙花は、ぷりぷりしながら立ち去る

4人の手下の少女たちも従って行く

何ですの卑怯なことって

瑠璃子さんの言葉にみすずは

さあ遙花さんは、いつもあたしの前ではぷりぷりなさっていますから

うん、ホント、言いたい放題、やりたい放題だよねっあの子

寧さんが、工藤遙花の後ろ姿を見て、そう言う

ごめんなさい、みすずさん

瑠璃子さんがみすずに頭を下げる

そんなことなさらないで瑠璃子さんが、頭を下げるようなことでは無いわ

でも遙花さんが、何か失礼なことをなさったのでしょうあの人は、人一倍、わたくしに忠節を誓って下さっているけれど方向が間違っていますし、あの人の行動はいつも過剰ですから