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特に、マナちゃんはずっと、傍若無人に他の人と君の間に割り込んで、無理矢理に君との関係をキープするっていうキャラクターを演じていたでしょだから、心の敗北感のダメージは大きいと思うよ

えあのキャラって、作ったものだったんですか

オレは、驚く

君白坂舞夏だった頃のあの子を知っているよね今みたいな性格の子だった

舞夏だった頃のマナはお喋りするのは好きだったけれど、今みたいに強引に会話に割り込んで来るような性格じゃなかったと思う

あたしたちの中に居て自分の存在を君にアピールするのに、必死なんだよ

ああお尻を丸出しにして寄って来たりするのも

あいつにとっては、必死なアピールなんだ

それに、マナちゃんよく雪乃さんに対して、キツク当たっているでしょ

今のマナちゃんにとっては当たり散らせる相手は、本当のお姉さんの雪乃さんだけだからねそれに、マナちゃんが雪乃さんに酷い事を言うと、君が心配して寄って来るあの子は、君に自分の近くに来て欲しくて、雪乃さんに当たることも多いよ

マルゴさんは、そんな風に見ていたんだ

まあ、それでもマナちゃんは、まだ君に自分からアピールするだけの元気があるからいいよメグちゃんの方は内に籠もるタイプだからね

みすずや新しい女たちと自分を比較して劣等感に悶々としている

負の感情を溜めるだけ溜め込んで耐えきれなくなったら、君に向かって爆発させるその繰り返しだよね今日は

確かにメグに関しては、よくない連鎖が続いている

オレどうしたらいいんでしょう

オレは素直に、マルゴさんにアドバイスを求めた

家族の中での2人の役割を決めてあげて

それは同時に、あの子たちと君との関係、立場を規定してあげるってことだよ

関係、立場

ほら、さっきあたしが戦闘要員のフォーメーションを決めたでしょ

うんマルゴさんは自分と、関さん、麗華、美智が、どういうフォーメーションで組めばいいのかを示した

ああいうことをやっておかないと戦闘中に考え込んで、疑心暗鬼になってしまうんだよ

マルゴさんは、笑顔でそう言う

例えば、麗華お姉さんだったら自分は先鋒で、前方からの敵を警戒して排除すればいい後ろから関さんのフォローがあるし、状況の判断はあたしがするって判っているから、自分の役割だけに専念できるでしょ他のことは心配しなくていい

確かに役割が定まっていれば、それだけに集中できる

もちろん自分には、その役割が上手くできるっていう自信があって、他の人の能力が信頼できなきゃダメだよそれと自分の役割が必要とされているものだって、納得できないとね

必要とされている

うん愛している人たちから、必要とされているという思いが自分の役割を果たしていく上での糧になるんだから

今、メグちゃんとマナちゃんは自分たちは、家族のお荷物なんじゃないかって感じて、落ち込んでいる白坂家に、価値の無い人間として見捨てられたばかりだからねこういう時は、考え込ませてはいけないんだ考えれば、考えるほど落ち込むばかりだから彼女たちが自分の役割に専念して、他のことを考えている余裕をなくしてしまわないと何かをすることで君に必要とされていると感じることができれば、彼女たちのコンプレックスは解消されるはずだよ

でもしかし

メグやマナの家族での役割って、何だろう

役割はね普段から、やり慣れていることを振った方がいいよその方が自信が持てるはずだから

あエレベーターが戻って来たね

オレたちの前でエレベーターのドアが開く

中に入るオレたち

ええっとこの最終搭乗者のボタンを押すんだっけ

マルゴさんが、ジッちゃんに教わった通りにスイッチを押す

これで、このエレベーターは、オレたちが最初にこの部屋に入って来た時の様に壁の中に隠される

再びジッちゃんの静脈認証が無ければ、開かなくなった

すぐにエレベーターは動き出す

オレはエレベーターは上に行くものだと思っていた

ヴァイオラの軍勢は、下から襲って来ている

だから、ジッちゃんは白坂家の反主流派の3人も、重役と私塾の連中も、このフロアより上の階に逃がした

パラシュート降下やハンググライダーで、屋上から敵が攻めてくる可能性は無いのだから

オレたちの逃げ込む緊急避難室も、ビルの上層部にあるものだと思っていた

しかしエレベーターは、下に沈む

それどころか

これ、今、横に動いていませんか

当然だよまっすぐ上下に動くエレベーターなら、建物の構造から存在がバレちゃうもの直線のラインで結びつけることができないように時々、フロア中を横移動もするんだろうそれで機械室なんかの外からは見えないスペースを縫うようにして、このエレベーターは移動していくんだと思うよ

なるほど戻って来るまでに時間が掛かったわけだ

エレベーターは、幾つかのフロアを降下する度に、右に左に動いて、また降下する

この感じだと香月さんの緊急避難室は地下にあるんだろうね

地下

うん、地下五階とかここは埋め立て地に立てられたホテルだから、地盤の固いところまで掘り進んで、建物の基礎部分の中に作ってあるんだと思うよ核シェルターとかも兼ねているんじゃないかな

とにかく降下していくエレベーターの中で、メグとマナの役割について考える

ところでさ

君亭主関白になる気は無い

君とメグちゃんとのボタンの懸け間違いはねどこまでも、対等な関係になろうとしたことだよ

君と彼女は同級生だし元々は、君も彼女に対してコンプレックスがあったんだろ

オレがメグに

いやそうだ

メグはクラスの委員長で女子の友達の多い子だった

高校に入学したばかりの頃のオレは、女の子に不慣れで

メグとだって、口をきくことができなかったんだし

逆にさみすずさんと君との関係が上手くいっているのは、最初にみすずさんの方がへりくだってくれたからだよ本当は自分の方が年上なのに君を立ててくれたから

みすずはいつも、オレに敬語を使っているし

最初から君の支配下に入ることで君とのバランスを取っているんだよ

バランス

みすずさんが君よりも上なのは年齢だけじゃないよね

うんみすずは

綺麗だし、上品だし香月家という名家のお嬢さんだ

本当ならオレなんかが釣り合うはずがない

それをみすずの方から、オレを旦那様と立ててくれることでオレたちの関係は、バランス良く成立している

じゃあ、メグとマナの場合も

対等な関係であろうとするから苦しくなっているんじゃない

お待ちしておりました旦那様

みすずを筆頭にみんなエレベーターの前で、オレたちを待っていてくれた