しかしだな
ジッちゃんは、納得しようとしない
ジッちゃん悪いんだけれど、みすずと瑠璃子のために、今は生き続けてくれないか
ジッちゃんが、どうして自分の命を危険に晒そうとしているのかは判らないけれどいや、きっとジッちゃんのことだから裏に意図があることは判っている
そうだ私は、私の計画に従って行動している
シザーリオ・ヴァイオラを、このホテルに呼び込むということ
ホテル一つを犠牲にするような、大胆すぎる行動
オレとみすずの仲を簡単に認めてくれたこと
自ら家族入りしてくれたことだってみすずと瑠璃子を、ミナホ姉さんに託すためだろうし
私塾の連中の前で、みすずを後継者にする宣言をしたことだって性急すぎる
ジッちゃんは何か隠している
自分の命の危険を感じてみすずと瑠璃子のために、急いで色んな事を決めた感じがする
でも今のジッちゃんは、少し焦っているよ冷静じゃないこのまま上に行って、裏切り者やヴァイオラと対決するべきでは無いと思う
だからと言ってなぜ、お前が上に行く
ジッちゃんが、叫ぶ
それはあたしが上に行くからでしょ
その声は寧さんだった
どどういうことかね
驚くジッちゃんに寧さんは
この緊急避難室は絶対に安全なんでしょ香月さんが、ミィちゃんやルリちゃんを避難させているんだから
ああ裏切り者にも、ヴァイオラにも気付かれない自信が無ければ
ジッちゃんは、大事な二人の孫娘をここに連れては来ない
でも、あたしがここに居る限りヴァイオラは、執拗にホテル内を探し回ると思うのもしかしたら、何かの拍子にこの部屋の存在に気付いてしまうかもしれない
それに敵のターゲットが、全員ここに集まっているというのは得策じゃないよね
だからあたしは上に行って、敵の前に姿を見せて攪乱するべきなんだと思う
うん寧が姿を見せることで敵をさらに分断することができる香月さんや白坂家の反抗勢力を狙う部隊と、寧を追う部隊に
寧さんなら、そう言い出すと思っていた
妹たちの安全を確実なものにするためには寧さんは、この部屋から出ないといけない
オレも寧さんと一緒に、上の階へ行かないといけない
寧さんを守るために
オレの強い意志を知ってみすずが不安そうに、そう言う
みすず今日は、頑張ったな凄いと思うよ
一度は、ジッちゃんに香月家から追い出される覚悟までしてそれで、ジッちゃんと対決して香月家を丸ごと引き受ける約束をして私塾の連中とも渡り合った
みんな旦那様のおかげです
違うよみすずの力だ大好きだよ、みすず
オレはみすずの身体を抱き締める
だから今日はもう、これ以上頑張らなくていい
お前が、家族のリーダーになる必要なんてないんだゆっくり休んでいろよ
みすずの身体が、震える
みすずはオレの女なんだよな
だったら今は、これ以上頑張るな
みすずには、オレの言葉の意味が判らないらしい
メグがさ、ちょっと前に、今のみすずと同じ症状だったんだよ
症状
オレとある程度、信頼関係ができた段階でずっと、その関係が続くのか不安になっちゃうんだよ不安だから、メグの場合はオレとのセックスに溺れようとしたセックスで、不安を消そうとしたんだみすずの場合は
あたしの場合
家族の年下組のリーダーになることで、オレとの関係を強化しようとしているんだよ無意識的に
そうだあの頃のメグと同じだ
みすずも不安なんだ
元々、黒い森のメンバーでないみすずは、コンプレックスがあった
だから自分に近い、美智や瑠璃子や麗華というメンバーを新たに家族に加入させようとした
そして、瑠璃子にオレとのセックスを見学させたり
美智の処女喪失を公開したりした
でもさ美智も瑠璃子も、みすずの支配下にはならないよ二人とも、強い女の子だもの麗華だって、命令されれば何でも従うような人間じゃない
オレは、みすずを抱き締めたまま瑠璃子を見る
瑠璃子はまだ、オレのこと信用していないだろ
信頼はいたしておりますお兄様の何事にもフェアなところは、瑠璃子、大好きですわ
うん、そんなものだろう
みすずが、どれだけオレを薦めたって瑠璃子の様な、しっかりした女の子が簡単にオレを受け入れるはずがない
こういうことはさすべて時間を掛けて、ゆっくり関係を作っていくしかないんだよみすずだって、最初からオレのことを信頼してくれていたわけではないだろ
みすずと本当に心が通じたのは2回目のセックスぐらいからだ
最初からでは無い
わたくしは、完全にご主人様を信頼しております
美智が、自信満々に言った
心と心が同調致しましたから自分自身と同じくらい、ご主人様を愛おしく感じています
まあ工藤流古武術奥義は、特別だ
普通の人間同士では、あんな心の交流はできないんだし
とにかくみすずは急ぐな今のまんまじゃ、みすずが他の子たちを急かして、みんなでオレの取り合いになってしまうよ
旦那様の取り合い
そうさみんな、他の女よりも、よりオレとの関係を強くしたいと思うからただオレを取り合うだけで、疲弊しちゃうよ
それはそうかもしれませんが
そんなことをしているヒマがあったらさどんどん、他の女の子と仲良くしろよ誰がリーダーで、誰と誰がグループとかそういう力関係のゴタゴタは抜きにしてくれみんな家族で姉妹なんだからさ
オレが死んでもお互いに助け合うことができる姉妹になってくれ
みすずがオレを見上げる
例え話だよオレとの関係を強化することばかりに、集中しないでくれってことさもっと家族として結束しろってこと
みすずは、うつむく
オレ、みすずのことを責めているんじゃないよみすずは、今日色んなことがあって神経が高ぶっているんだよ本当に今日のみすずは、一生懸命頑張ったもの
オレは、ギュッとみすずを抱き締める
だからしばらく大人しくして、心を落ちつかせてくれいいな
はいあの、旦那様
なんだいみすず
あたし申し訳ありませんでしたきっと、あたし、旦那様の良い奥さんになりますから
みすずは、とっくにオレの良い奥さんだよ
オレは、みすずにキスをする
ふんすっかりやられてしまったな
仕方無いお前たちの気の済むようにしろ
どうにか、自ら上階へ行くプランは諦めてくれたらしい
はいじゃあ、瑠璃子オレがいない間は、みすずやメグと相談してみんなのことを頼むよ
瑠璃子は、驚く
ああ、多分、瑠璃子が年少組では、今、一番冷静なんだと思うんだ
メグやマナは白坂家から見捨てられたこともあって、もっとテンパっている
マナがやたらとオレに擦り寄って来るのも見捨てられるのが怖いからだ