わたくしの様な不調法な女は、お兄様のお好みには合わないと思いますがどうぞ、末永く可愛がって下さいませ
瑠璃子はオレに頭を下げる
そのお行儀良すぎる態度にオレは、反発する
瑠璃子あのな
オレはなお前のこと、本当に抱きたいんだよお前は可愛いし、綺麗だから
お褒めいただいて、ありがとうございますお気遣いいただいて申し訳ありません
気遣いなんかじゃない
最初に見た時からお前とセックスしたいって思っていた
お前を抱いて、お前の中にオレの精子を流し込みたいって思っていたんだ
あの何をおっしゃっているんです
瑠璃子は、それくらい魅力的ってことだよっ
ご冗談を瑠璃子には、魅力なんてありません
そんなわけないだろ
皆様瑠璃子に良くして下さいますし、褒めて下さったりもしますがそれはあくまで、瑠璃子が香月の家の娘だからですわたくしには、判っています
こいつも
捻れているなあ
判った瑠璃子お前、香月家やめろ
このホテルの戦闘で、瑠璃子は死んだことにしよう
そんで、あらためてオレのとこに来い
あ、そんなんじゃ足りないな
黒い森の流儀で行こう
瑠璃子オレ、お前を誘拐することにする
でオレの女にする香月家には返さないはっきり言って、香月家なんてオレにはどうでもいいし
うんこれが正しいな
一生、可愛がってやるからお前はもう二度と、香月家のことなんて考えなくていいんだずっとずっと、オレに誘拐されたままなんだから
どうして、そんなことをおっしゃるんです
瑠璃子の仮面が剥がれていく
そんなのお前が可愛くて、お前とヤリたくて溜まらないからに決まっているだろ
香月家の後ろ盾の無いわたくしなんて何の価値も無い女でございますっ
価値が無いって思うんなら、オレにくれお前は、オレが磨き上げてやるっ
何も無しの素っ裸の瑠璃子がいいんだ丸裸で、オレに誘拐されろっ
オレたちの様子を、雪乃が呆れ顔で見ている
あいつにとっては、またオレが馬鹿げたことを言っているようにしか見えないのだろう
お前自分にあるのは香月家の名前だけで、自分自身には何の価値も無いと思っているんだろ
そうです香月家の後ろ盾が無ければ、わたくしなんて何の意味もありません
オレは香月家の部分はいらないんだお前が無意味だっていう瑠璃子の本質だけが欲しいんだ
わたくしの本質
瑠璃子は可愛いよ
オレたちの会話にミナホ姉さんが、介入する
また女の子と約束してしまったわね
これでもう簡単には死ねないわよ
いいえ絶対に、死なせないから
平日の後半はツライ
毎日、父にこの病院はどこにあるのか判ると聞いていますが
昨日の返答は仙台あたりかでした
台北よりは近くなったけれど
東京都内なんです
毎日、説明しているんですけどね
292.遺言 (その3)
あなた、今死ぬことを考えているでしょ
いや、別に死のうとか、死にたいとか、そういうんじゃないよ
オレは答える
ただ、オレ今、ここで死んじゃった方が、いいのかなって気がして
どういうことですお兄様
瑠璃子が、驚いて尋ねる
いやさみすずも、メグも、マナもさみんな、オレとの関係を強めることだけに意識を集中させて、ちょっと暴走気味になっているだろ
そうね、確かにあの子たちはあなたに依存し過ぎていると思うわ
ミナホ姉さんが、オレの言葉にそう言った
うんみんな悪い子じゃないんだけれど一生懸命で、必死なだけででも、このままじゃいけないと思う
切実にオレはそう感じる
確かにオレを接合点にして、家族が集まって来たっていうことはあるんだろうけれどこれからは、オレを抜きにして家族同士でもっと交流して、仲良くなっていくべきなんだと思うんだ
実際そういう方向になりつつある
メグやマナには、今まであんまり喋ったことのない人と交流しろって言ってあるし
みすずも、一人だけ突出することはもうないと思う
それでみんながちゃんと家族になって、お互いを支え合うようになったらオレはもう、いらないわけじゃないか
いらない
瑠璃子は、呆然としている
そうだよ今はみんな、寂しくて心を埋める相手がいないから、たまたまオレのところに来てくれているだけだろ家族がちゃんと機能して、みんな心に余裕が持てるようになったら、みんなオレなんかじゃなくもっと、良い人と付き合っていくべきだよ
あ、あんた自分が欠陥人間だってことは、判っているのね
雪乃が、ニヤッと笑う
判っているよオレ何も無い人間だもの
良かったわそれさえ判っていないような男だったら、こっちがたまらないもの
うんオレに犯され、人生をメチャクチャにされた雪乃には
何を言われても仕方が無いと思う
自分がさっさと死んだ方がいい、救いようのないクソ野郎だってことちゃんと判っているってことよね
死んだ方がいい人間だ
みすずやメグやマナにとっては今、ここでオレが死んだ方が良いような気がするんだオレが死んでも、ミナホ姉さんたちがあいつらを助けてくれることは判っているしジッちゃんだって、約束した以上は家族を見捨てたりはしないよ
ジッちゃんの真意は判らないけれど
香月重孝は、約束したことを反故にするような人間ではない
むしろ、オレがここで死んだ方があいつらは、オレのことを吹っ切れるしその方がいいんじゃないかって思ういや、別に本当に死にたいわけじゃないよただ、そんなことも考えるんだよオレ
今のオレはもう家族には不要なんじゃないかって
美智さんは、どうするの
美智はもう大丈夫だよこれからのあいつは、武道家として、自信を持って生きていくよみすずやオレに依存することはもうないと思う今のあいつは、しっかり自分の足で立っているもの
麗華お姉さんは
麗華は自分の家族が欲しい人であって、別にオレの女になりたいわけじゃないものこのまま、みんなで受け入れてあげたら、それでいいじゃないか
瑠璃子さんのことは
オレが答える前に瑠璃子が口を開く
お兄様が、そこまで正直にお話下さいましたから瑠璃子も、お話致します先程も言いましたが、わたくしはみすずお姉様と一緒に、お兄様にお仕えすることは構わないと思っています香月の家を守るための選択肢としては、アリだとでも、心の奥底で今ここで、お兄様が亡くなられたらなという気持ちも確かにあります
わたくしは今回の件でみすずお姉様のお心が良く判りました今後は何事も、みすずお姉様と共闘して、香月の家を盛り上げていくということについては異存はありません決して、敵対は致しませんわわたくしみすずお姉様が大好きですし