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あなたと一緒に居ることにドキドキしてあなたは絶対にあたしに嘘をつかないし、心の中が全部顔に出るでしょそれでいて、いつも思い切ったことばかりするんだものあなたを見ているとワクワクが止まらないの

ただ、頭の悪い、馬鹿な男っていうだけで

あたし、恋しているわ一生に一度の恋だと思うあなただけよあたしは、あなたの前でだけは、本当に心も身体も裸になれるのあなたじゃないとダメなのよ

渚は、ほろほろと涙を零した

だから死なないで生きていて他に何人女を作ってもいいわあなたのためなら、何でもするわお願いだから生きていて

うん、ヨッちゃん生きていてよ生きていてくれるだけでいいから死んじゃったら、もう会えないんだよ生きていてよ、ヨッちゃん

お願いあなた

渚寧さん克子姉

ごめん、オレみんなの気持ち、全然判っていなかった

みんなオレがいなくなっても、平気だって思い込んでいた

あなたがいるから、みんな救われてきているのよ

ミナホ姉さんが、穏やかに言った

むしろ、あたしたち年上組の方があなたがいないと生きていけないわ

だから自分を大事になさい

そうだよっ、ヨッちゃんが死んだら、ホントにあたしも死ぬからねっ

あたしたちだってねえ、克子

うん渚

判った生きるよ、オレ何があっても、必死になって生き残るよ

ここまで言ってもらった以上オレは、絶対に死ねない

それまでずっとオレたちの話を黙って聞いていた関さんが、口を開く

ど、どうしたの関さん

オレには関さんの言葉の意味が判らない

わたくしは、閣下の専任警護人ですからもちろん、皆様のプロフィールについては存じ上げています

つまり黒い森という売春組織と

そのメンバーである、ミナホ姉さんたちのことについて

ですが皆様のお気持ちというものを理解していませんでしたそれどころか娼婦であった皆さんを、心の中では見下げていました

仕方無いわ普通のお嬢さんには、そう思われても仕方無いですもの

ミナホ姉さんは、笑って関さんにそう答える

本当に、誘拐されたのですか

あたしは12歳の時に、克子と渚は高校生になったばかりの時期に、誘拐・拉致・監禁されて無理矢理に娼婦にさせられました

ミナホ姉さんの答えに、関さんは震える

それは存じ上げませんでした

ええ、特に公表はしていませんから

香月セキュリティ・サービスの調査票にも、そこまでは書いてなかったのだろう

あたしたちを娼婦に堕としたのは白坂創介という人間ですですから、あたしたちは何年も掛けて、娼婦の世界を脱し、白坂創介に復讐する機会を狙っていたのです

それで、全て合点がいきました

関さんの中で今回の件での、黒い森の動きが繋がったらしい

閣下の思惑とは別に黒森様たちは、ご自分の復讐を遂行なさっておられるのですね

そういうことです付け加えると、今、ホテルを襲撃しているシザーリオ・ヴァイオラという悪党は、寧の両親を殺害し、寧と寧の弟を誘拐して奴隷にしていた男です寧は、あたしたちが奴隷の境遇から救い出しましたが、寧の弟はヴァイオラの配下に殺されましたヴァイオラがここを襲撃しているのは、白坂本家の要請もありますが寧を取り戻すためでもあります

関さんは、まっすぐにミナホ姉さんを見る

判りました充分ですわたくし全力を尽くします

それは香月セキュリティ・サービスのトップ・エリートとしてのお言葉ですか

ミナホ姉さんの言葉に関さんは

1人の女として皆さんのお気持ちに共感しました

関さんが、フッと微笑む

今まで、誰にも話したことはないのですがわたくしの父は酒乱で、いつも酔って暴れては母に暴力を振るうような人間でした

幸い、わたくしが小学校3年生の時に両親が離婚し父とは離れることができましたが実の父がそういう男であったことは、あたしの心に深く陰を落としました

フッと溜息を吐く関さん

わたくしが一度も恋愛をしなかったのは、それが原因だと思います普段は、温和しくて気弱な男性が、お酒を飲んだ途端に粗野で乱暴な人間に変貌するわたくしには、男というものが信用できないのです

あたしたちもそうよ男はもうこりごり

だから少年を愛することにしたの

それにこんな馬鹿正直な子、なかなかいないわだから、あたしたちもこの子の前では素直になれるの

克子姉が、優しい眼でオレを見る

うんっヨッちゃんは、ちょっとお馬鹿なところがいいんだよねっ

わたくしアメ車も好きですが、アメリカン・バイクも好きなんです

ハーレー・ダビッドソンて判る

名前ぐらいは

今度、乗せてあげるから

赤い顔で、関さんは言った

気持ちいいのよ風を切って走っていると

そうよわたくし、イライラすると中央高速をブッ飛ばすのあそこ、あんまり車が走っていない時があるから

大丈夫よ、あなたを乗せている時は、あんまり無茶しないから

何かよく判らないけれど

とにかく、関さんのハーレーに乗らないといけなくなったらしい

あ、判りましたよろしくお願いします

約束したからねっ

最近の父は、品川がブームです

昨日も、今日は、品川でパーティがあるから、行かないといけない

とか、突然言い出しました

品川のどこ

と、尋ねると多分、海の方だと言います

もちろん、そんなパーティはなく、全て妄想です

何かよく判らないのですが品川に何か、心残りがあるみたいです

ちなみに、毎日恒例のこの病院はどこにあるか判るを聞いてみたところ

品川のどこかだ

いや、都内ではあるんですが全然違うぞ

毎日、病院の場所と、自宅からどれくらいの距離なのか話しているんですけどねえ

あと、昨日は、リハビリ担当の**と言う先生が来たと私に言うのを看護士さんが聞いていて

昨日じゃありません、2時間前のことじゃないですか

と言ったところ

いや、日本とは日付の切り方が違うんだ

との返事

父よ、あなたは今、どこに居るんだ

293.彼のこころ

関さん

わたくしには、あなたっていう男の子のことは、まだよく判らないけれどっていうか、わたくしには男の人全般がよく判らないけどでも、あなたが悪い子じゃないってことは、よく判ったわもっとよく知り合うべきだって

関さんの言葉に、克子姉が言う

何でも、関さんがこの子に教えてあげたいことを話して下さい今のこの子は、どんなことでも興味津々で吸収していますから

そうですよ、あたしたちの話はいつだって眼を見て、真剣に聞いてくれるんですから

渚も、笑っている

わたくしが話せることなんてアメ車とアメリカン・バイクと、アメリカ映画の歴史ぐらいよ