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妬みやそしり押しつけがましい優しさに、たった一人で立ち向かって

孤独だったんだろうと思う

あたしは平気です一番辛い時に、お祖父様に助けていただきましたから

みすずは、そう言ってオレの手の平に、指で渚という文字を書く

だから、香月閣下はみすずを渚に托したのか

渚なら、みすずの孤独を癒やしてくれると信じて

それで、今ではこんなにたくさん、心を許せる方々ができましたわ

みすずが、オレたちを見る

渚から、オレ

そしてメグ、寧さん、マルゴさん、マナ

みんな、みすずの身内だ

雪乃だけが、ブスッとしているけれど

だからみなさんが、みすずさんのお身内なのですね

羨ましいですわ

瑠璃子さんは、そう言った

瑠璃子さんも、あたしたちの身内になりましょうよっ

マナ、急にそんなことを言うのは失礼よ

メグが、マナをたしなめる

マナが、ペコリと頭を下げる

もう瑠璃子さんも身内ですよ

はっきりと、そう言った

瑠璃子さんはみすずの従姉妹ですなら、オレにとっては身内ですそうだろみすず

そして、瑠璃子さんを見て

あたしの旦那様は、信用のできる方ですお優しい方です絶対にあたしのことを裏切ることはありませんですから瑠璃子さんのことも、決して裏切りません

瑠璃子さんが、オレを見る

みすずの人を見る眼を、信用して下さい

それは信用しておりますけれど

瑠璃子さんは、戸惑っている

あたしずっと、瑠璃子さんを自分の妹だと思ってきました

従姉妹ですけれど今、香月の家の重さを背負っている娘は、あたしと瑠璃子さんだけですあなたの苦しみも辛さも、同じ立場にいるあたしが一番判っています

みすずお姉さんと呼んで下さい

みすずお姉様

どんな感じです

瑠璃子さんの顔が、和らいでいく

不思議です今まで以上に、みすずさんが親しく感じられます

みすずお姉さんでしょ

はいお姉様

それなら、あたしの旦那様は瑠璃子さんのお兄様になりますよろしいですわね、旦那様

うんこれからは、幾らでもオレに頼って下さい、瑠璃子さん

オレの言葉に瑠璃子さんは、顔を赤くして

は、はいお兄様

みすずが、美子さんを見て

美子さんこういうことになりましたこれ以上、あたしと瑠璃子さんが仲違いしているという噂を広めないためにも、この方が良いと思うのだけれど

みすずは瑠璃子さんの長年のお付きである美子さんを気遣って、声を掛ける

はいそうですねわたくしは、よろしいかと思います

美子さんは、そう言いながらも少し考え込んでいる

言葉に歯切れが無い

これがみすずの策略で瑠璃子さんを籠絡しているのではないかと疑っているらしい

さっきお話しした通りあたしは、この方と添い遂げます香月の家に対する野心はありません今まで通り瑠璃子さんを香月家の未来の当主として、盛り立てていくつもりです

みすずは自分には香月家の当主になる野心は無いと、明言した

あなたが瑠璃子さんを3歳の時から、見守って来て下さったことは感謝していますどうか、ずっと瑠璃子さんの側に居て下さいしかしあたしも、瑠璃子さんが産まれた時から、親しい気持ちで見守って参りましたあたしは、瑠璃子さんの年上の従姉妹です年の近い親族は、瑠璃子さんしか居ないのですからずっと、妹同然に思ってきましたあなたと同じです

美子さんは

ご無礼をお許し下さい

心の中で、一瞬でもみすずを疑ったことを謝罪した

お姉様よみすずさんが、わたくしのお姉様になって下さったの素晴らしいわ美子も、そう思うでしょ

瑠璃子さんは、幸せそうに微笑んでいる

美子さんも、主人に微笑んだ

話を元に戻します遙花さんをこのまま瑠璃子さんの護衛にしておくのは、危険ですあの方は、とても考えの浅い人ですから

みすずが、そう言うと

確かにここのところ、増長なさっている様な気がします

打ち解けた美子さんは、いきなり遙花さんに対しての苦情を述べる

インターハイで優勝なさって自信を持たれたからでしょうかマスコミに美人空手少女と取り上げられてからは、勝手なことばかりなさっています今日も、瑠璃子様の警護部隊を作ったとおっしゃって、空手部のお仲間を4人もお連れになってなのに、全然瑠璃子様の廻りにはいらっしゃらないのです

あの4人の手下はそういうことか

今日の紺碧流の発表会は、セレブな方々がたくさん来場致しますものね

みすずが、溜息を吐く

はいその方々の前で、良い格好をなさろうとお揃いのスーツ姿でいらっしゃって

あのピンクのパンツ・スーツは、そういうことだったのか

本当に小者というか考えが幼い

みすずが、瑠璃子さんに言う

このまま増長が続けば、いずれ瑠璃子さんの顔に泥を塗るような失態をすることは目に見えています遙花さんには、空手に専念するということで瑠璃子さんの警護からは退いていただきましょう

しかし、あの意固地な方が簡単に、お辞め下さいますでしょうかあの方は、瑠璃子様の警護役であることを誇りに思っていらっしゃいますし

美子さんが、心配そうに言う

誇りというかステイタスだと思っているんだろう

にも関わらず主人を守るという本業は、おろそかになっている

大丈夫ですあたし先程、遙花さんがあたしたちに働いた無礼に対して美智と決闘する様に申しつけました

遙花さんが美智さんと決闘なさるんですか

驚く、瑠璃子さん

はい姉上と勝負致します

美智が、ギラッとした眼で答える

その手は、ちゃんとパンフレットを折り続けていた

ちなみに、この段階でも作業を続けているのは

美智と、メグと、寧さんとマルゴさんだけ

マナは、こっちの話を聞くのに夢中になっている眼をキラキラさせて他人の家の事情に興味があるんだろう

寧さんは、こういう時に手を抜いたりしない根は真面目な人だから耳はこっちに傾けながらも、ちゃんと手は動かし続けている

メグは、生真面目過ぎる子だから黙々と作業している香月家の事情を聞いても、自分にはどうすることもできないと割り切っているのだろう

マルゴさんはちゃんと話を聞きながら、作業している同時に二つのことをすることができる人なんだ手は動かしながら、頭では現在の状況を冷静に分析しているのだろう

オレはみすずと一緒にいるから、何か作業しながらだと瑠璃子さんに失礼な感じがして申し訳無いけれど、手を止めている

そして雪乃はただ、ポーっとして机の上を見ていた何で、あたし、こんなところにいるんだろうという顔をしてその気持ちもまあ、判る

妹の美智に負けて、鼻が折れれば遙花さんの増長も止まりますご自分が、ボディーガードに不向きなことに気付いて、空手の世界だけに専念して下さるでしょうそこまで、徹底的に彼女を追い詰めます