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298.楽しい約束

そうね覚悟を決めた方がいいかもね

関さんが、ニコッと微笑む

ちょっとあんたたち落ち着きなさいよ本当にいいの、それで

雪乃は、ビビっている

まあ、逃げ道をなくして朝まで危険な状況の中に身を置かなくてはならなくなるんだから

麗華お姉さん、やっちゃってぇぇっ

寧さんは、笑っている

まそれが一番の策だろうね

マルゴさんも、そう言った

美智は無言で、頷く

命令だやれ、麗華

ご命令ならば

スッと特殊合金製の撲殺ステッキを振り上げる

ヴァァッキッッ

金属棒の先が、エレベーターの電子回路を粉砕する

オーケイ、とりあえずエレベーターを隠していた壁を元に戻して

マルゴさんが、操作ユニットを使ってエレベーターの前面を壁で覆う

はい、麗華お姉さんこのユニットも壊して

了解です、ハァァッッ

グワッシャッ

これでもう、隠しエレベーターを開く方法は無い

ホテルの上層部から緊急避難室へ下りるルートは、完全に閉ざされた

暗い顔になる雪乃

ほんじゃあ行きますかっ

アッケラカンと寧さんは、笑った

君たちが来る前に話していたんだけれどね関さん、クルーザーを持っているんだって

マルゴさんが下から持って来たパッド式のパソコンで、ここから重役たちの居る部屋までの道筋を確認しながら、言った

ええクルーザーで海に出るのも、あたしの趣味だから

関さんは、ニコッと笑う

えーいいなあ今度乗せてぇぇ

寧さんが、関さんに擦り寄る

いいわよみんな乗せてあげるわハワイだけど

ハワイ

ハワイってあのハワイか

日本だと係留しておくだけでも、法外なお金を取られるしメンテナンスなんかを業者に頼んでも、向こうの何倍も掛かるのよだから、船はハワイに置いてあるのあそこなら一年中乗れるしね

はぁさすが、香月セキュリティ・サービスのトップ・エリートにして、ジッちゃんの専任警護人

スケールが違う

行く行く、ハワイまで行っちゃうよぉっヨッちゃんも、ミッちゃんも、マルちゃんも一緒に行こうねっ

寧さんは、嬉しそうに言った

そうね、いつもはあたし1人だけれどみんなで沖へ出るのも楽しそうね

関さんは、そう言って麗華の方へ行く

麗華は暗くうつむいたままだ

藤宮麗華、あなた、このままでいいの

関さんが、麗華を見下ろして言う

このままだとこの子たちのスポーティでアウトドア派で活発なお姉さんは、わたくしになってしまうけれど、それでいいの

関さん家族に入る覚悟をなさったんですか

そういうことではないわ

関さんは、オレを見る

さっき、この子が言っていたじゃない変な取り決めをして、無理に形にしようとするのが間違っているのよ別に家族のお友達のお姉さんから始めたっていいんでしょ

関さん色々と吹っ切れたらしい

あたしこの子たちに見せてあげたいものや教えてあげたいことが、いっぱいあるのよ車やバイクで疾走する楽しみもあるしハワイの夕焼けの海を、船上から見せてあげたいとも思うわみんなで、一緒にフィッシングもいいなあ海でも湖でも

うっとりとした眼で関さんは語る

あたし年上や同年代だと、意識し過ぎちゃって上手くできないけれど、年下が相手なら、ちゃんとやれそうな気がするのっていうか、こんなあたしでもこの子たちのお姉さんになれそうな気がするのよ

暗い顔で麗華は地面を見ている

わたくしは、剣だけに生きてきた女ですから関さんのように、年下の人たちに教えられるようなものは何もありません

嘘ばっかり

関さんは、ニコッと微笑む

あなた真緒ちゃんを見て言ってたじゃないシャーロック・ホームズとマザーグースは、自分が教えるって

この子に、あなたの英国趣味の話でもしてあげなさいこの子なら、何時間でも真剣にあなたの話を聞いてくれるわよ

関さんは、そう言ってオレを見た

あ、あたしも聞くよ、麗華お姉さんっ

寧さんが、麗華に微笑む

ハッとして顔を上げる

とにかくハワイでわたくしのクルーザーに乗る時には、藤宮さんも来なさいね

あなたも年下なのよあたしより

麗華は頭や心の整理が付く前に、家族への参加を表明してしまったが

関さんは、じっくりとオレたちと付き合って関係を深めてから、どうするか決めることにしたらしい

それでも、いつも孤立していた関さんがオレたちを受け入れてくれようとしているのは、嬉しい

でも、ちゃんと水着を着るのよいつもの男装スーツだったら、あたしのクルーザーには乗せてあげないからねっ

関さぁん、そもそもハワイの炎天下の洋上で、三つ揃いスーツは無理だよー暑すぎるっての

それも、そうねっ

寧さんと関さんは、カラカラと笑った

麗華お姉さんあんまり、自分には何ができるかとか考えない方がいいですよ

それよりみんなで、何がしたいかを考えて下さい

みんなで何をしたいか

その方が楽しいでしょ

爽やかにマルゴさんは、微笑む

あんたたち、バカじゃないのこんな状況でさ

雪乃が、吐き捨てる様に言った

こんな状況だから楽しい未来を考えるんだよ色んなことを約束するんだ絶対に全員無事で生き残るためにね

マルゴさんが、雪乃に答える

あれれれところでさあ誰か、雪乃さんと何か約束したぁヨッちゃんは

何もしていません

つまり誰も雪乃さんの未来は保障していないってことだよねっ

雪乃はゾッとして、震える

まあ何回言っても、雪乃さんは自分の立場を弁えない子だから、しょうがないよねっ

さて、ルートが決まったよそれから、このフロア周辺にはまだ敵は上がって来ていないようだおそらくは

おそらく

マルゴさんの言葉にオレは反応する

最初にホテルのロビーにガス攻撃してきた連中ガスが晴れたら、4人ほど消えていたよね

そうだそんなことがあった

その4人が今、どこにいるのかそれが一番心配だよ

その後に大型バス3台で乱入して来た敵は、班に分かれて上階に侵攻して来ているから動きが完全に把握できているけれど

最初に消えた4人の消息は丸っきり判らない

3人は判っているけれど最後の1人の正体が掴めない

判っているって

あれって、ミス・コーデリアと、白くて女のヴァイオラとロザリンドだよねっ

劇場に現れたミス・コーデリアと名乗る女性と、もう一組のヴァイオラたち

男のヴァイオラたちが、力任せに乱入してくる前に先に、ホテル内に潜入したんだと思うよ

なるほど男のヴァイオラの一党が、荒らした後では現場もメチャクチャだし、潜入しづらいだろうから

想像していた通りミス・コーデリアは、男のヴァイオラとは共闘していないヴァイオラと同じ組織の人間であることは間違いないけれど