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関さんは穏やかに言った

優秀な戦闘能力と、専門的な知識、素早い判断力を有しているだけでなく閣下の信頼に足る人間でなくては、トップ・エリートにはなれません谷沢チーフの推薦を受け、閣下自らの審査を受けて人間としての品格を認められなければ

人間としての品格

わたくしたちも人間ですからお金も欲しいですし、欲もありますしかし、だからといってわたくしたちは、主を裏切ったりは致しませんもし、わたくしが閣下の敵に廻ろうと思ったらまず、閣下にその旨を報告し、主従関係を破棄する許可をいただきますそのプロセスが済むまではわたくしは決して閣下を闇討ちしたりなどしませんし、閣下も何も言わずにわたくしを処分なさったりはしません

うん主従の信頼

それは、金銭とか、地位とか名誉で保たれているのでは無い

お互いにお互いの心を信頼しているから

品の無い、下衆な人間では裏切られるかもしれないけれど

そういう人間では無いと判っているから

だから信じられる絆がある

閣下は最初から、私のことを信用なさっていない

そうでしょうね信用なさっておられたら、山岡部長の今夜の失態について、直接、お叱りの言葉があるはずです閣下から何かお話はありましたか

ありません閣下だけでなく、谷沢チーフからも

もっとも今は、山岡部長を叱るための時間を取るのは難しいのかもしれないですわね何しろ敵の襲撃中の非常事態ですからみなさん、とてもお忙しいですものね

関さんは、皮肉っぽく笑う

その非常事態に現場から外される警備部って

そ、それでは私たちは警備部とは、何なのです閣下にとって

悲痛な叫びを上げる山岡部長

警備部は安全な時にこそ、必要なものです強そうな制服姿の警備員が並んで居るだけで、犯罪行為を諦めさせるのが、その存在意義の全てですですから、そこそこの格闘能力があって、制服の似合う体格の良い人間ならば誰でも構いません上司の命令を理解するだけの知能と、無闇に犯罪に走らない性質は必要でしょうが

関さんは、説明する

しかし警備員による厚い人壁を見ても、犯罪を諦めないような人間むしろ、その裏を掻いてやろうとするような極悪人には、わたくしたちトップ・エリートが立ち向かわなければなりませんわたくしたちは、ありとあらゆる方法で合法、非合法に関わらず、そういう悪人と闘い滅ぼします閣下より、それを可能とするだけの数々の権限を与えられる以上、戦闘力と同じくらい品格を重視されるのです

人としての品格

一応、お伝えしておきますが工藤さんも、閣下のトップ・エリートの1人ですよ工藤さんご本人はそのことを認めておられませんから、香月セキュリティ・サービスの中ではあの様な中途半端な形での在籍となっておられますが閣下は、工藤さんを完全に信頼なさっていますので

工藤父は警護課のトップっていうことになっているけれど

書類上は、香月セキュリティ・サービスとは別の会社である工藤探偵事務所の人間で、業務提携で出向しているということになっている

香月セキュリティ・サービスの正社員になることを、自ら拒んで

さてもう、よろしいですわねわたくしたちは、中に入りますよ

山岡部長は

私は私は今後、どうしたら良いのでしょうか

そんなことは私の知ったことではありません大人の男性なら、自分でお考えになって下さい

うなだれる部長に工藤母が、寄り添おうとする

こんな状態でもまだ工藤母は、山岡部長に気があるんだ

しばらく、放っておいてくれ

そんな工藤母を、山岡部長は拒絶する

君には私のみっともない所を、これ以上は見て欲しくない

つくづく、身勝手な男なんだな

こんな男だから、夫と子供のいる女性に手を出した

そしてそんな男にフラフラしてしまったのが、工藤母という女

美智がオレの眼を見て囁く

自分の母親のみっともないところって見るのは辛いよな

オレにも覚えがある

美智の小ぶりなお尻を触る

あふっご主人様

思い出せ、美智はもう全部オレのものだ

はいそうでございました

美智の眼から、戸惑いが消える

な、何だね何かあったのかね

隣の部屋に入った途端、スーツ姿のオッサンの1人がオレたちに言った

うん、この何でも食い付いてくる感じは

角田の親父だな

オレたちは、ゾロゾロと部屋に入っていく

最初にジッちゃんと会った会議室よりも、少し広い

ブロンズ像の彫刻が大理石の上に乗っていたりするしちょっと豪華な部屋だ

木の机が幾つか並んで居る

あれ山岡部長に1人にしてくれと言われた工藤母も、オレたちにくっついてこっちの部屋にやって来ている

関さんが、颯爽と宣言する

閣下はご無事なのかっ

これは香月操と昴と一緒にいるから、兄弟の父親だろう

この中では、ジッちゃんに一番近い血筋のはずだ

はい、現在は別室で退避していただいております

閣下にお会いしたいいや、電話でもいいとにかく閣下と連絡を取りたいのだが

そう言ったのは、夏木惇の父親だった

なるほど集団内の人間関係や、順列、役割が子供たちと同じだ

それはできません

関さんは強く言った

香月操の父が、尋ねる

ここからは、オレにやれって言うのか

まあそうだな

ジッちゃんは、オレにそう命じたんだし

あの、皆さんの中に裏切り者がいるみたいなんです

オレは、穏やかに言った

だから裏切り者の人を排除しないまま、香月さんに会わせるわけにはいきませんし香月さんの現在位置も教えられません裏切り者が、敵に知らせる可能性がありますから

オレの言葉に一堂はどよめく

バカなこと言うな

私たちの中に裏切り者がいるはずなんて無いだろう

そもそも誰なんだ、お前は

子供の相手をする気は無い早く、閣下に取り次いでくれ

一気に騒ぐのはやっぱり、プリンス派の親父たちだな

新興グループの親父たちは、様子見をして黙り込んでいる

プリンス派は親同士、子供同士で、ざわざわ勝手に話を始めて

このままでは、ラチがあかないな

麗華あそこのブロンズ像、ブッ壊してくんない

オレは麗華に、言った

何か一発ガツンと決めて、この人たちの度肝を抜いてやらないと

権威を笠に着るやつらには現実的な力で圧倒するしかない

ご主人様それには、及びません

スッと美智が、オレに近寄る

あの像は美術品ですその様な目的で破壊するべきものではございません

それに、麗華お姉様よりもわたくしの方が強い衝撃を、皆様に与えることができます

確かに麗華は、香月セキュリティ・サービスの人間だから