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ずっと話を聞いていた香月健思が、そんなことを言い出す

それは無いと思うヴァイオラ自身は、決して戦闘能力の高い人じゃないから幹部たちがこの部隊にいるのなら、ミスター・ヴァイオラもここにいるよ

あたしもそう思う多分、この30人ぐらいの部隊だけがヴァイオラが、アメリカから連れて来た子飼いの連中だろうし1人だけ、言葉もろくに通じないロシア人のチンピラの中に混じるような勇気は、ミスター・ヴァイオラには無いと思うね

マルゴさんは、そう判断する

寧谷沢チーフや、関さんや麗華お姉さん、美智ちゃんに、ミスター・ヴァイオラやジュリアーノ・ジェンカたち幹部の情報を教えてあげて

マルゴさんが、寧さんに言う

マルちゃんでも

実際に、彼らと会ったことがあるのは寧だけなんだつまらないことでも、何かのヒントになるかもしれないしとにかく、話してあげて

ああ、貴重な情報だ聞いておきたいなすでにうちの情報部がまとめているファイルの内容と被っていても構わないお嬢ちゃんの知っていることを話してくれ

谷沢チーフも、寧さんに要請する

ううんえっとね

寧さんは、話し始めた

ちょっと来て

その隙にマルゴさんが、オレを呼ぶ

部屋の隅でマルゴさんは、オレに囁いた

君はずっと寧から離れないでね寧を寧のままにしておいて

寧さんを、寧さんのままに

名島寧《ナトウ・ネイ》を名島寧子《ナジマ・ヤスコ》に戻さないでってこと

真剣な眼でマルゴさんは、オレに言った

今の寧の明るくて、ひょうきんな性格は作ったものだよ双子の弟のケイが死んだ後にミナホや恭子さん、そして寧自身が長い時間を掛けて基の人格とは違う別の人格を作ったんだ寧の内側の悲しみや憎しみ、それに自己破壊衝動を覆い隠すために

自己破壊衝動

寧はいや、寧子はケイが死んだのは、自分のせいだと思っている自分もまた、ケイと同じ様に惨たらしく死ぬべきだと思っている

寧子は精神的に弱い子だよ両親をヴァイオラに殺されて、誘拐された日からずっと、恐怖の中で暮らしてきたから

誘拐され人殺しの犯罪者たちと生活する日々

しかもヴァイオラの目的は、双子の弟の方で、寧子は価値の無い女として放置されていた

ヴァイオラはホモでケイさんを性的なペットにするために、誘拐した

女の寧さんはヴァイオラにとっては何の価値も無い

むしろ、寧さんの生命を保障してもらうためにケイさんは、ヴァイオラの支配に屈した

そのことが寧さんの心を蝕んでいる

作った人格だって人格は人格だよあたしは、寧が好きだ君だってそうだろ

はいオレも、寧さんが好きです

寧さんにはいつも笑っていて欲しいと思う

昨夜、アメリカでの過去を語っていた寧さんは寧子さんに戻っていた

あんな弱々しくて、泣きっぱなしの寧さんはもう、見たくない

君が側に居る限りは寧は寧のままでいられると思うんだ

寧は潜在的に、依存できる相手を探しているしかも、それは弟的な存在でないといけない

寧さんは弟が欲しい人だ

君は、すでに寧の中で大きな存在になっているしかも、寧は、君がケイとは違う弟であることも、ちゃんと認識しているだから、身近に弟としての君を感じている間は寧は寧のままだ寧子には、戻らない

マルゴさんの強い眼が、オレを射す

判りました絶対に、寧さんから離れません

オレは約束する

頼んだよそれと

マルゴさんは言う

心理学的には、ありえることなんだけれど寧は、ミスター・ヴァイオラの前ではケイに成り切ろうとするかもしれない

ケイさんに

双子の姉弟だからね寧は、いつも鏡の中の自分に弟を感じていたわけだし

うん寧さんは、自分の顔にケイさんの面影を感じていた

今日、男性的なパンツスーツで来たこともさっきの放送で、ケイを演じて喋ったこともヴァイオラに対する恐怖と、ケイの無念を晴らしてあげたいっていう気持ちがゴッチャになってしていることだと思うんだ

ケイさんを演じることでケイさんを身近に感じ、ヴァイオラへの恐怖に打ち勝とうとしている

もし、寧さんが本格的にケイさんになり切ろうとしたらオレは、どうしたらいいんですか

マルゴさんは、しばらく考えて

寧子の人格に戻るよりは、良い寧子は心が繊細で弱すぎるからヴァイオラと対峙したら、心が張り裂けてしまうよケイになり切ることで、心を保つことができるのならそのままにしておいた方がいいかもしれない

だからマルゴさんは放送で、寧さんがケイさんに扮するのをそのままやらせんだ

でも寧は、寧なんだケイにはなれない寧は、女の子なんだから

寧さんの心も身体も女の子のものだ

男には成り切れない

悪いんだけれどずっと側に居て、見ていてあげて欲しい

あたしはここから先は、戦闘に集中しないといけないからそうでないと、みんなが生き残れない

マルゴさんも必死なんだ

寧さんのことは任せて下さいオレ、頑張ります

マルゴさんは、谷沢チーフたちに話している寧さんを温かい眼で見る

あの子はあたしの大切な妹だから

うむ大体、うちの情報部が調べた通りだな軍の経験があるのは、ロミオ・モンタギューだけかだが、部下を指揮する能力は、ジュリアーノ・ジェンカの方が上なんだな

凶暴性もねっ

谷沢チーフの言葉に、寧さんが答えた

しかしシザーリオ・ヴァイオラの趣味が、変装と聞いていたが、身内でも判らないほどだとはな

うん本当に、ロレンザッチョ・バンディーニと死んだ妹しか、誰が本物のヴァイオラかは判らなかったんだよ

お嬢ちゃんも判らないのか

谷沢チーフが、ギロッと寧さんを見る

あたしは同じ部屋に居て、話をしているのを聞いたら、何となく判るかもしれないでも、もう何年も経っているし

今の寧さんでは判らないかもしれない

あいつら自身はどうやっているんだ誰が、ヴァイオラか判らないんじゃ、色々と行動に支障があるだろう

それはロレンザッチョ・バンディーニが、話し掛けて指示を受けている人物がヴァイオラだから

ふんそれじゃあ、ロレンザッチョ・バンディーニが、誰がヴァイオラかコントロールできるな

谷沢チーフの言葉に、ハッとする

あらかじめ、隊の中にヴァイオラの偽者を数人配置して置いてヴァイオラから指示を受けている振りをして、実はロレンザッチョ・バンディーニが全隊の指揮をしているんじゃないのか

そういう可能性もある

でも、あたしはバンディーニも知っているけれど知的な人じゃないよ下品で粗野で派手好きでヴァイオラのマネージャーではあっても、戦闘部隊の指揮とかはできない人だと思う