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地下を脱出した香月さんは、すぐに谷沢さんと合流できない理由があるんじゃないかな谷沢さんのいない場所で、誰かと交渉するとかそうじゃなかったら、ミナホが家族を残して香月さんに付いて行ったりはしないよ

うんミナホ姉さんは、そういう人だ

おそらく、その交渉にはオレたち家族の未来も関わっているんだろう

だから、ミナホ姉さんは誰にも告げずに、ジッちゃんと地下から脱出したんだ

さてここからが問題だけれど

あたしたちこれからどうする

このままここで谷沢さんの引いた絶対防衛ラインの内側で、制限された情報を見ながら朝まで過ごす

マルゴさんは、フッと笑う

もっとも、香月セキュリティ・サービスの防衛ラインが破られて、敵がこのフロアまで上がって来る可能性もあるけれどね

そんな敵の本隊は判別できましたし、他の隊の動きを封じ込めれば、全戦力を投入して一気にシザーリオ・ヴァイオラを駆逐することができます現状は、わたくしたちに有利だと思うわ

でも、行方不明の4人が居るでしょまだまだ、敵にも形勢逆転のチャンスは残っていると思うよ

そうだミス・コーデリアと白いヴァイオラたちそして謎の人物が居る

この先何が起こっても不思議ではない

とにかく、この部屋からは出た方がいいと思うよっ

あたしもそう思うよ待っているだけなんているのは、性に合わないしあたしは誰かに制限された情報なんかじゃなくって、真実が知りたいからね

マルゴさんは寧さんに微笑む

わたくしは谷沢チーフに確認しないことには

香月セキュリティ・サービスのトップ・エリートとして関さんは、そう言う

いえ、関さんと麗華がオレたちと一緒に行かせてくれた段階で谷沢さんにとっては、オレたちがこの部屋を脱出することは想定していると思います

さっき、谷沢さんは関さんと麗華をオレたちから引き剥がそうとしましたよね

でも最終的には、二人がオレたちに同行することを認めてくれました麗華の力があれば、こんなドアはブチ破れますもし、谷沢さんがオレたちをこの部屋に閉じ込めておきたいと考えているのなら、絶対に麗華を一緒には行かせないはずです

何か別の指令を与えるとかするはずだ

谷沢チーフは、麗華の直接の上司なんだから

それに迷路になっているホテル内の地図も、オレたちがアクセスできるようになっていますこれってオレたちがこの部屋を出て、外に出ることを想定して用意してくれたんだと思うんです

そうだ多分

谷沢チーフもきっと不安なんですよ

不安

関さんが、オレに聞き返す

はいジッちゃんが、ミナホ姉さんと二人きりでいることが谷沢さんも不安なんだと思いますだから、谷沢さんはオレたちがジッちゃんと合流してガードすることを、心の中では望んでいるんだと思うんです

台風一過で、温かい風が吹いています

310.暗夜行路

あたしも、そう思うよ谷沢さんは、あたしたちがこの部屋から出て行くだろうと判っているもちろん、公式に認めてくれているわけではないけれど

わたくしはそれでも、谷沢チーフに連絡するべきだと思います

関さんは、言った

推測だけで行動するのはよくないと思うわ

谷沢チーフの部下としては、何せよ上司の判断を仰ぐべきだと考えているらしい

公式に打診したら出て行っていいなんて言うわけないよ

寧さんは言う

このままこんな部屋に閉じ込められていたくないっていう、あなたたちの気持ちは判るのよでも、ここはとりあえず安全よ谷沢チーフの絶対防衛ラインよりも4フロアも上なんですからもし、万が一、敵が防衛ラインを突破したとしても、ここからならさらに上のフロアに退避できるし

あたしは逃げるために、ここに来たんじゃんじゃないよっ

関さんと、寧さんが真っ向から、対立する

さて困ったね

マルゴさんは、苦笑した

関さんはあたしたち全員の安全を第一に考えているもちろん、それはとても大事なことだよねだけど

マルゴさんの瞳が、寧さんを捉えた

寧は自分は、ヴァイオラと対決しなければならないと思っているそうでなければ、過去の苦しみから抜け出すことができないってあたし自身は、どこまでも寧の手助けがしたい地獄の底まで付き合うつもりだけれどみんなには、強制するつもりは無いよ

部屋中の視線が、マルゴさんに集まる

これからどうするかそれぞれの人が自分で決めて欲しい

オレはもちろん、寧さんとマルゴさんに付いて行きます最後まで

とっくに覚悟はできている

わたくしは、ご主人様をお護りするだけですみすず様にも、そうお約束致しました

美智も、即答してくれた

わたくしも一緒に行きます

藤宮さん

麗華の言葉に関さんは驚く

わたくしは、お姉さんですから、この子たちを護る義務があります

麗華は香月セキュリティ・サービスの警護人であることより、オレたちの姉であることを優先してくれた

雪乃はどうする

オレの問いに雪乃は飲んでいた茶碗をドンと置いて

もちろん、あんたたちと一緒に行くわよ

この部屋何か気持ち悪いのよこれ以上、長居したくはないわ

ふ、ふふふふふ

香月健思が笑い出す

なるほど、そういうことですか

この部屋ももちろん監視カメラは付いていますし、盗聴のシステムもあるんでしょう今のこの会話も当然、全て聴かれていると考えるべきでしょうね

聴かれている

誰に

監視システムを今、押さえているのは

谷沢チーフそして、ジッちゃんだ

この部屋の中でグダグダしている姿を、閣下たちに見られ続けるぐらいなら外へ出るべきなんでしょうね

香月健思が、オレを見る

さっきも言いましたけれど僕、もう後が無いんですよ

父親が裏切り者であることが発覚した香月健思は個人的にジッちゃんへの忠誠を示さなければ、香月グループの中に残れない

どっちにしても君は本物の裏の世界の恐ろしさを肌で感じた方がいいよね今のままじゃ、余りにも頭でっかちだから

マルゴさんは、香月健思をそう評した

怖い思いをした方が良いということは、自分でも判っていますよまあ、覚悟はできていますから

その軽口はいつまで続くだろう

しかしこれで、香月健思までが部屋を出る方に付いた

後は

判ったわよ、もう

関さんが溜息を吐く

わたくしが一緒じゃなかったらホテル中を動き回れないんでしょ行くわよあなたたちに付いて行ってあげればいいんでしょ

迷路化したホテル内の地図を暗記したのは関さんだけだ

本当のところ関さん抜きでは、オレたちは部屋の外へは出られない

谷沢チーフどうせ観ていらっしゃるんでしょわたくし、この子らに付いていきすから後で、命令違反で減俸でも、クビでも何でもして下さいっ