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関さんは、監視カメラに向かって叫ぶ

ごめんね手間の掛かる妹と弟で

寧さんが、関さんに言った

お姉ちゃん、大好きっ

関さんは照れて顔を赤くしながら

わたくしはまだ、あなたたちの姉になると決めたわけではありません

それでももう、お姉さんだよあたしたちの

寧さんはニッコリ微笑んでそう言った

麗華ドアをブッ壊して

麗華が、撲殺ステッキを構える

こんなことしなくたって谷沢さんも、脱出を黙認しているのなら、ドアのロックを外してくれればいいんですよ

香月健思が、皮肉っぽく言う

谷沢さんだってサラリーマンだからねあたしたちが自力で抜け出したっていう証拠が残っていないと後で困るんだよ盗聴から脱走しそうな気配を感じたが、対処しようとした時にはすでにドアを壊されて、部屋を抜け出された後だったってね

参ります

ドゥガァァッッ

特殊合金製のステッキがドアの電子ロック部分を貫き、破壊する

オーケイ、開いた行こう

マルゴさんを先頭に部屋の外に出る

マルゴさんは、一応廊下の反対側にある、本部に通じるドアを探る

ドアノブは廻らない

金属製の分厚いドアをコンコンと叩く

うんこの階にはいないね

本部は、部屋ごとエレベーターになっていて、5フロア分くらいを自由に移動できる造りになっている

今は他の階に部屋ごと移動しているのだろう

このフロアが、本部が移動できる一番上の階だったよね

マルゴさんの問いに、寧さんがうんと頷く

ということは谷沢チーフたちは、下の階にいる

じゃあ、あたしたちも下りようか

シザーリオ・ヴァイオラと対決するとしても階下のフロアへ下りて行くしかない

もちろんそれはより危険な場所へ行くということだ

わたくしが先頭に立ちましょうか

地図マスターの関さんが、マルゴさんに提案するが

いいえフォーメーションは変えますが、関さんは2列目のままでお願いします

先頭は美智ちゃん、頼むよ

ちょっとでも変だなって思うことがあったら、報告していや、報告する前に攻撃しても構わないその辺は、美智ちゃんの判断に任せるよ

マルゴさんは、美智の気を感じる力を最大限に活用するつもりらしい

ムチは出しておいて危険な感じがしてから取り出していたら、間に合わないから

美智はスカートの下から、赤いムチを取り出す

2列目の関さんは、行き先のナビゲートと美智ちゃんのフォローをお願いします

わたくしも拳銃を出しておいた方がいいわね

関さんは、隠していたホルスターからリボルバー式のピストルを取り出す

へえ、オートマチックじゃないんだ装弾数だって、リボルバーよりオートマの方が上でしょ

マルゴさんが興味深そうに覗き込む

戦闘員なら、弾数の多い方がいいんでしょうけれどわたくしは、護衛人ですこちらから率先して攻撃することは想定していないでしょだから、装弾数の多いオートマチックよりも、どんな状況でも確実に機能するリボルバーをの方採用しているのよ

今は昔よりも機械のレベルが上がっているから、オートマチックでもジャムることは少ないでしょ

でもこの金属の塊っぽいピストルの方が、何か落ち着くのよ信頼できるっていうか

ああそういうのって大きいよね

関さんの言葉に、マルゴさんは納得する

で麗華お姉さんが、3列目寧と彼と雪乃さん、3人のガードをお願いします

麗華の武器は直接攻撃しか出来ない

この状況では、美智とポジションを交換するべきだとマルゴさんは判断したらしい

で、殿《しんがり》はあたし

マルゴさんが、一番後ろで周囲の様子を見ながら、指揮を執る

その辺は変わらないらしい

あの、僕はどうしたらいいんでしょうか

君は、あたしの3メートル後ろから付いてきて敵にヤられた時は、大声でギャーギャー喚いてね君が痛みにのたうち廻っている間に、迎撃態勢を作るからくれぐれも、一言も言葉を発さないまま即死しちゃったりしないでね君は、背後から敵に襲われた時のみんなの盾なんだから死ぬまでの間に、できる限り敵を引きつけておいてね

マルゴさんは笑顔でそう言う

あの僕、殺されちゃうんでしょうか

さあまあ、一人で頑張ってみて運が良ければ、大怪我だけで済むんじゃない

マルゴさんは、香月健思を護る気が無いことをはっきりと宣告する

あはは面白い冗談ですね

冗談じゃ無いよ本気だってば

マルゴさんの眼は冷たかった

悪いんだけれど、ここから先はあたしたちは、あたしたたちの家族を護ることだけで精一杯だから自分のことは自分でやって君を助ける義理なんか無いんだしね

あはははマジですか

うんマジ

香月健思は自分が、危険地帯にいる事に、始めて気付いたらしい

ずっと香月家の一員として特別扱いされてきた香月健思は

自分は常に他者に大事にされ、護られることが当然だと思い込んできた

しかしこの場では

そんな理屈は通じない

オレたちは、オレたち自身を守るだけで精一杯なんだから

他人を護る余裕なんか無い

やっぱり僕あっちの部屋に籠もっていようかな

それでもいいんじゃないの部屋のドア、ブッ壊しちゃったしずっと一人ぼっちだけど、別に構わないよね

皆さんと行きます

香月健思も覚悟を決める

よし、行こうフォーメーション組んで関さん、ナビ頼みます

下へ行くんですね

多分香月さんもミナホも、この階より下に居ますこの闘い全体が、香月さんが計画したものなら香月さんは、敵の戦力が疲弊し切った時に、シザーリオ・ヴァイオラと面談しようと考えているはずです

ジッちゃんはヴァイオラと会いたがっている

直接面談

それしかこのホテルにシザーリオ・ヴァイオラを呼び寄せた理由が思い付かないんだよ

マルゴさんはオレにそう言った

次正面の角を、右です

関さんが頭の中に写し撮った地図を基にオレたちを誘導する

先頭に立った美智が敵の気配を探り問題が無ければ、前に進む

時間が掛かっても仕方が無い

命には、変えられないのだから

どうせこの辺りには、敵なんていませんよ

24階ですよ谷沢チーフの防衛ラインより上なんですから敵に遭遇するはずが無いんですちょっと考えたら、判ることじゃないですか

最初の戦闘で、敵が4人ほど潜入したことは話したよね

マルゴさんが、香月健思に言う

たった4人でしょうどうせ偵察に出した斥候ですよ無闇に戦闘を仕掛けて来たりはしないと思いますよ大体、そいつらだってまだこのフロアにまでは到達していないんじゃないですか