寧さんは、ずっとマルゴさんと恭子さんのトレーニングを近くで観てきている
格闘術にも、それなりに造詣が深い
イヤハァッ
瞬間美智の裂帛が轟く
相手の技をすり抜けて
美智の拳がミス・イーディの顔面直前でピタッと止まる
今はまだ気を読む力がある分だけ、ミッちゃんの方が先に行っているみたいだね
寧さんの言葉に、美智は
いいえ肉体の鍛錬は、この方の方が上ですわたくしの一撃では、この方は倒せません
気の隙を突いても、一発位じゃミス・イーディは沈まないということか
つまり現状では、五分五分
Great
ミス・イーディは、歓喜して美智に抱きつく
早口な英語で、何か言っている
イーディ、すごく喜んでいるわ私はあなたと出会うために、生まれてきたのかもしれないなんて言っているわよっ
寧さんが通訳してくれる
わたくしたちの技は、全く源流の違うものですだからこそ、一緒に鍛錬し合い、お互いの技を吸収すれば二人とも、より強くなれると思います
美智は、ハンカチで汗を拭いながらそう言った
思うじゃなくって美智は、そうしたいのか
オレは、美智に彼女自身の意志を問う
ご主人様がお許し下さるのなら是非
美智はミス・イーディを気に入ったらしい
ミス・イーディの方は、表情を見ただけで充分だ
じゃあ、ミス・イーディを招待しろオレたちの家に
美智の家は、オレの家だそうだろ
嬉しそうに、オレに答える
はい一生、お側から離れませんっ
ならミス・イーディには、美智の稽古仲間として家に来て貰おうミス・イーディが居たいだけ居てくれていいそう伝えてくれ
うん先生には、あたしからも頼んであげるマルちゃんや克っつんも歓迎してくれるって思うよっ
美智が英語で、ミス・イーディに話す
彼女喜んで、滞在させていただきますって言ってくれました
美智とミス・イーディが、親しげに握手する
さらに二人で何か喋っている
イーディミス・コーデリアとは、全然合わなかったみたいだねミス・コーデリアはレズなんだってさ
だから、ミス・コーデリアの部下はみんな女なんだって組織に売り飛ばされてきたイーディをミス・コーデリアが引き取ったのもこの子に気があったみたい
寧さんが、ミス・イーディの話を翻訳してくれる
さらに彼女が英語で話す
ミス・コーデリアは彼女を次世代のヴァイオラの候補にするつもりだったみたい
次世代のヴァイオラ
最初はロザリンドのスペアの予定だったんだけれど戦闘能力が高いから、ヴァイオラを継がせた方がいいんじゃないかって、ミス・コーデリアが組織のボスに進言したらしいわ
やっぱりシザーリオ・ヴァイオラは何人も居て、組織が管理しているんですね
おなじシザーリオ・ヴァイオラの名前を使って複数の人間が、幾つもの犯罪を犯す
そういう組織なんだ
そういうことねそれで、ミス・コーデリアは、時間をかけてゆっくり彼女を育てるつもりだったみたいついでに、自分のレズ相手としても攻略するつもりだったようよそれでイーディを、今回の日本ヘの出張にも連れて来たらしいのあくまで見学者として
うんこれで、なぜミス・イーディが4人目の戦闘員で
ミス・コーデリアがオレたちを襲撃した時に参加していなかったが判った
現在のミス・イーディはミス・コーデリアたちと戦闘での連携が取れないんだ
というか彼女は最初から、ミス・コーデリアの指揮下に入る気は全然無いから
時間を掛けて訓練しても、連携するのは無理だろうけれど
まあ、暗殺者組織の中で育った子だし留守番していろとか機械の操作をしろとか、そういう普通の作業の命令なら、買い取られて来た手前従うんだろう
だから、ミス・コーデリアは、彼女を従順な少女だと誤解していた
しかしミス・イーディは、自分は自由だと考えてきたし
一番大切な戦闘についてミス・コーデリアに従う気が全く無かった
それで、ミス・コーデリアを放り出して、友達になれそうな美智を追ってオレたちの方にやって来てしまったんだ
なかなか面倒な人材だなこの子
間違いなく逸材ではあるんだろうけれど
何より、ミス・コーデリアが自分のことをエディと呼ぶのが気にくわなかったそうです
そうだ何でミス・コーデリアは、彼女をエディって呼んでいたんだろう
ミス・イーディが次に喋った言葉に美智は赤面する
ええっと、その
ミス・コーデリアは、イーディという名前はEDと同じだって馬鹿にして笑ったらしいよそれで、この子のことエディって呼んでたんだって
口籠もった美智の代わりに、寧さんが説明してくれた
EDってどうして、馬鹿にされるんです
EDというのはその
恥ずかしそうな美智を見て、ミス・イーディは
Erectile Dysfunction
エレクトリック・パレード
オレの返事にミス・イーディは爆笑する
そうじゃないよ、ヨッちゃんErectile Dysfunctionてのは、 Impotenzのことだよっ
え何が大切なんですか
大切
それぐらいの英語は、さすがにオレでも判りますよimportantでしょ
違うよ、ヨッちゃんImpotenzだよっ
インポート
もっと違うよっImpotenzってのはインポだよ、インポオチンチンが勃たなくなるってことなんだよ
えっ、importantってそんな意味があるんですか
そうじゃないって、importantじゃなくって Impotenzの話をしているのっ
何が何やらオレには判らない
何の話をしているのという顔で、ミス・イーディがこっちを見ているから美智が、恥ずかしそうに英語で解説する
ミス・イーディは、ギャハハとまた爆笑する
あんたって救いようがないほど頭が悪いのね
雪乃が、呆れ顔でオレに言う
その言葉に異論は無いが雪乃には、言われたくないと思う
ミス・イーディが、ヨッちゃんに興味を示しているよ
さっき、雪乃さんと二人でしていた行為は何だって言ってるけど
雪乃としていたのはただのセックスですが
寧さんが、さらに突っ込んで尋ねる
うーんどうやら、この子セックスのこと、何もしらないみたい
ミス・イーディは、相変わらずニコニコ笑っている
この子の居たThe gloveという組織は、宗教的な戒律が多いところだったらしいわ男性と女性の居住区が完全に別れているんだって結婚するまでは、自分から男と口をきくことも許されない結婚も、組織から指示された相手としかできないみたいよ原理主義の団体だったみたい
そういやこの子今までオレとは直接会話をしていない
まあ、オレが英語が判らないせいの方が大きいんだろうけれど
その戒律って彼女はまだ、それに縛られているんですか