Выбрать главу

実力のあるフリーの人間を企業が雇うということは、なかなか大変なようだ

そして運悪く、本当にフリーの警護人たちだけでは手に負えない様な事態に陥った場合だけ

香月セキュリティ・サービスのトップ・エリートが、救援に向かう

オレたち黒い森が、決戦地に向かうことは絶対に無い

香月セキュリティ・サービスという表の世界の企業が、黒い森という裏社会の組織に貸しを作るわけにはいかないからだ

ほんじゃあ、行ってくらぁ

父上ご武運を

美智が、父に言う

お前もなパパの格好いいところを、ここから観ていてくれ

そして工藤父は、部屋を飛び出して行く

行くぜ行くぜ行くぜェェッドドンガドーンッ勇気プリプリまっぷりま

謎の奇声を発しながら

本当に、あんたの父ちゃんは愉快な男だねえ

ネコさんが、美智に言う

父は、わたくしの誇りです

できれば、寧の眼の前でヴァイオラを叩き潰したかったんだけどね

マルゴさんが、残念そうに寧さんに言う

寧のトラウマを取り除くには、それが一番だと思うから

寧さんはシザーリオ・ヴァイオラによって、両親を殺され

弟のケイさんも、寧さんの眼の前で死んでしまった

数年にわたる監禁生活も含めて

ヴァイオラは、根源的な恐怖として寧さんの心の中に、巣を作っている

でも、仕方無いここから観ているだけにしよう

マルゴさんが、寧さんに手を差し出す

寧さんは、その手をそっと握る

そうだよ闘いの現場なんて、あたしたちみたいな稼業の人間だけで充分さあんたたちまで、無理して危険に飛び込むことは無いんだから

ネコさんは、そう言ってくれた

さてと谷沢さんに連絡しないと

ネコさんは、館内通話の受話器を取る

もしもし、トニーくん谷沢さん戻って来た

オレたちは、ジッと聞き耳を立てる

本部で別れて以来オレたちは、谷沢チーフと話していない

谷沢チーフの本心を知るためにネコさんとの会話が聞きたい

谷沢チーフが、ミス・コーデリアと繋がっていることは判っている

えっまだ戻って来てないの

谷沢チーフは、本部から姿を消したままか

うんとねぇ、そうよそっちでもモニターで監視していると思うけれど、決戦隊を組織するから10階のD-7に集結させているから、あそこの防火壁を一瞬だけ開けて欲しいのよええ、うちの大将もそっちへ行ったわ

ネコさんが話している間マルゴさんは、各階の監視のカメラの映像をジッと見ている

関さんは、コンピューターのモニター画面を

どの階のどこに、どれだけの部隊が展開しているのか、確認しているらしい

何よ、谷沢さんの許可が無いと無理だったら、早く谷沢さんを見つけてきてよこっちも急いでいるんだからノーマちゃんだって、そこにいるんでしょ

関さんが、何かにハッと気付く

ええ、あたしも気付いたところです

2人が、顔を見合わせる

ピピピピピピピ

部屋の中に、警告音のアラームが響く

いや、この部屋だけではない

ホテル全館に警告音が鳴り響く

ジジジジジ

見ると部屋の外の廊下の天井から、防火壁のシャッターが降りて来るッ

1つだけじゃない

廊下の向こうも、反対の角も

このフロアに敷設されている防火壁が、一斉に下りて来ている

美智が叫ぶとシスター・イーディが子犬の様に走り寄って来る

ネコさんに気付かれないように、部屋の入り口のドアの裏にササッと隠れる

完全に気配を消している

さすが、暗殺者だ

ジジジジジ、ガッチン

防火壁が、完全に下りた

オレたち、この場所に閉じ込められたのか

この階だけじゃないみたいだね

マルゴさんが、監視モニターをチェックする

各階の監視カメラがそれぞれのフロアの異常を映し出す

どの階でも、次々と防火シャッターが降りている

今までは特定の防火壁だけを閉じて、館内を迷路化していた

それが今は、全ての防火壁が、無差別に閉じていく

ジジジジジ、ガッチン

ジジジジジ、ガッシャン

ちょっとトニーくん、何をやっているのよっえっ本部では、何も操作していない

谷沢チーフが、どこかから遠隔操作している

ブルルルルルッ

別の館内電話が鳴る

はい、どうしました

トニーさんと電話しているネコさんの代わりに、麗華が受話器を取る

どうなってんだ、こりゃ防火壁の間に閉じ込められちまったぞ

工藤父の怒声は、オレたちにまで聞こえるほど響いていた

やられたね

館内にいる全ての人間敵の部隊も、フリーの警護人の各チームも、全部個別に閉じ込められてるこれじゃあ、完全に身動きが取れないね

マルゴさんが、監視カメラを次々と切り替えていくが

どの画面も、壁と壁の間に閉じ込められて困惑している人たちばかりだ

黒い戦闘服のヴァイオラの各部隊も

色取り取りの派手なコスチュームのフリー警護人たちも

いえ1部隊だけ、閉じ込められずに行動していますね

関さんがコンピュータのディスプレイを見て、そう言う

どっちの部隊です

黒か派手派手か

シザーリオ・ヴァイオラの本隊それも、上へ向かって侵攻している部隊です

マルゴさんが、サッとカメラを切り替える

黒い戦闘服の一団が、廊下を歩いている

この部隊の進行方向だけは、防火壁が閉じられていない

ってことは工藤さんの予想は、間違っていたってことだね

マルゴさんが唸る

ヴァイオラ本人や、ロレンザッチョ・バンディーニら幹部が居るのは下へ向かう部隊ではなく、上に向かう部隊の方だったってことですか

そういうことさこれかなり、まずいね本当にヤバイよ

この状況で、ロレンザッチョ・バンディーニが撤退ではなくさらに侵攻を命じたってことはさあらかじめ、何らかの密約があったってことだよね

ロシア人の各部隊が、次々に殲滅され

アメリカから連れて来た自分の子飼いの戦闘員も、残り少ない

工藤父は、上に向かう部隊が囮でヴァイオラたちは、撤退を念頭に下に向かう隊の中に居ると持っていた

下に向かっていた部隊は、どうなりました

マルゴさんは、パチパチと切り替えスイッチを弾く

カメラの映像が、モニターに映る

うん、やっぱり閉じ込められているね

これで確定だ

上に向かって移動している部隊は、ヴァイオラの本隊だ

谷沢チーフの裏切りも決定的になった

とにかくっ谷沢さんを捕まえて、状況確認してっこのままじゃ、どうにもならないよっ

ネコさんが、トニーさんに怒鳴る

えっ、あんたたちも本部に閉じ込められているのドアが外からロックされている