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寧さんも震えていた

この2人は自分の本当の気持ちを晒すのが苦手だ

ホテル内の温度調整は、保たれている

上半身裸のオレだって、特に寒さは感じない

ほらほら、寒くない寒くないですよ

オレは一生懸命、2人の背中を擦る

今のオレにできることは、これぐらいしか無い

うわぁ、温かいヨッちゃん、ありがとうっ

寧さんは、オレのほっぺたにキスをする

雪乃は、それを見て不機嫌にフンッと鼻を鳴らした

シザーリオ・ヴァイオラの幹部1人ぐらいは倒さないと、あなたのメンツが立たないわよ

二番目を歩く関さんが、先頭を行く麗華に言った

それは倒しますでも、もし谷沢チーフと敵対することになったら、関さんはどうしますか

麗華は暗い顔をしていた

高校剣道界のホープだった麗華を、香月セキュリティ・サービスにスカウトしたのは谷沢チーフだ

谷沢チーフに裏切られたことには色々と複雑な思いがあるのだろう

わたくしは、警護人です護るべき対象に降り掛かる火の粉は全て払うわそういうシンプルな考えで行くことにしたから

関さんは強いですね

わたくしは、香月セキュリティ・サービスの社員である前に、1人の警護人だからただ、それだけよ藤宮さんの方こそもっと簡単に割り切れるでしょ

わたくしが

関さんが、麗華に微笑む

あなたはもう、この子たちの家族なんでしょお姉さんが、妹や弟たちを護るのは当たり前のことじゃない

藤宮さんは警護人よりも、お姉さんの方が似合っていると思うわ

わたくしにはプロの警護人としての才能は無いと思われますか

そんなことは言っていないわあなたの打撃力と突進力は抜群よチームの先鋒としては、最高だと思う有能な指揮官の下ならねあなた、状況の分析と作戦立案は苦手でしょ

すみませんわたくし、頭が悪いですから

自分を卑下するのは止めなさい人にはただ向き、不向きがあるっていうことだけよまあ、自分の戦闘能力だけに慢心していた頃の藤宮さんよりは良いけれど

色々とご迷惑をお掛けしました

いいのよわたくしも、あなたに無闇に突っかかっていたからお互い様よごめんなさいねあたしも謝るわ

そんな全部、わたくしが悪いんです

そんなことないわあたしも悪かったから

これがあのトンデモなく仲が悪かった2人だろうか

人は変わるどんどん変わる

人と人の関係も

話を戻すけれど一流の警護人と、みんなのお姉さんは両立できるわよあたしが言いたかったのは今までの、男装して一匹狼っぽく孤高の警護人を演じていた藤宮さんは、あんまり良くなかったってことよ今みたいな可愛いお姉さんのキャラクターで警護人をやった方があなたに合っていると思うけれどな

そうでしょうかわたくしには、まだ良く判りません

麗華は恥ずかしそうに答えた

でも今、関さんがおっしゃった姉として弟妹を護るという気持ちは、大事に致しますそうですねこの闘い、負けられないんですものね

そうよ勝つわよ絶対に

今のこの人は、香月セキュリティ・サービスのトップ・エリート警護人じゃない

心の底からオレたちの仲間になってくれている

わたくしは頭が弱いですから関さんとマルゴ妹《イモウト》の指示に全て従いますこの身を一本の剣に変えてどんな危険な場所にも突撃しますから

麗華もそう言ってくれた

やがて19階に降りる階段に到着する

足下に気を付けてね

マルゴさんが、身体の震えている寧さんと雪乃を気遣って、後ろから声を掛けてくれた

大丈夫よっヨッちゃんにしがみついているからっ

寧さんとオレと雪乃押しくらまんじゅう状態で、階段を下りて行く

高層ホテルだけあって各フロアの間の階段は長い

それでも19階に到着する

それより下に向かう階段は、防火壁で閉ざされていた

開けます

19階へ続く鉄の扉を先頭の麗華が開く

19階の様子は他のフロアとは、全く異なっていた

何これわたくしが覚えてきたフロア・マップと違う

関さんも、絶句する

19階には何も無かった

コンクリートの分厚い柱と壁があるだけで

天井も配管剥き出し

数百メートル先の反対側の壁まで見通せる

4面の壁は、全て灰色のコンクリートで窓も無い

高級ホテルの中と言うよりまるで、地下の駐車場みたいだ

壁際の照明灯のある場所以外は薄暗い

よう遅かったな、お前たち

ビカッと、強い光がフロアを照らす

オレたちから、20メートルぐら離れた辺りに大きな丸い白テーブルがある

そこに座っている2人

谷沢チーフとミス・コーデリア

谷沢チーフは、三つ揃いの黒いスーツ

ミス・コーデリアは、真っ白なパンツスーツに着替えていた

黒と白の男女

2人ともオレたちの敵だ

ミナホは、どこだい

マルゴさんが階段の鉄のドアの所から、谷沢チーフに叫んだ

スッとドアの下に落ちていた段ボールの切れ端を差し込んで

ドアを開いたままにしようとしている

そこで何をやっているんだ

決まっているだろうこういうロケーションの場所なら、あらかじめ逃げ場は確保しておかないとね

無駄なこったお前らが階段へ飛び込んだら、上の階へ到着する前に階段内の隔壁を下ろすだけだこの端末から、そういうこともできるんだぜ

谷沢チーフは、白テーブルの上の端末機を指して、そう言った

そうでも、あたしは生き延びる可能性のあるものは、どんなものでも見逃すなって教わってきているんだよ恭子さんにね

マルゴさんが、このドアを開けたままにする本当の理由は

シスター・イーディのためだ

もし、遠隔操作でドアをロックされたらシスター・イーディは、このフロアに飛び込んでこれない

うん、これでいい

マルゴさんは、ドアが固定できたことを確認すると

もう一度聞くよミナホは、どこにいるんだい

オレたちの隊列は、すでに臨戦態勢だ

麗華は、撲殺ステッキを構えて谷沢チーフたちに飛び掛かる準備をしている

関さんも、ピストルを抜いてサポートの準備をしている

美智はオレたちの前に、スッと立つ

赤いムチを持った手は、背中に隠して

麗華お姉さんまだ、ターゲットを絞らないでミス・コーデリアの部下がどこに隠れているか判らないから

マルゴさんの指示に麗華は谷沢チーフへの突撃ではなく、どの方向にも踏み出せる様に体勢を変える

よく躾けたもんだな藤宮くんにチームプレイを教え込むとは

谷沢チーフが、感嘆する

寧たちは、周囲を監視して気配を殺しているはずだから眼で探すしかないよ

そうだミス・コーデリアたちには、美智が気を察知することなく強襲されている