15歳の黒髪の美少女の歌声
美智の声は瑞々しく、どこまでも透き通っている
フロアの中で、オレたちを取り囲んでいる人々
100人のマシンガンの情報部員たちも
20人のトップ・エリート警護人たちも
ついつい、美智の歌声に引き込まれてしまう
♫ Twinkle, twinkle, little star,
天使の様に、人々に対してニッコリと微笑む
美智ちゃんを見ちゃダメだよ眼を瞑って心を閉じるんだ
マルゴさんが、オレたちにそっと囁いた
そうかこれは
美智この場に居る全員に仕掛けるつもりなのか
いくら、美智の心月が凄いからって
120人を越す人数に、気を放てるのか
Like a diamond in the sky.
Twinkle, twinkle, little star,
来るぞ
きっと来る
オレは、ギュッと眼を瞑り心を閉じる
それでも心にゾワっと気の風が流れ込む
予定通りに詰めています
著作権の切れている(というか、そもそも無い)歌を探していたら、きらきら星になってしまいました
最初は、うさぎ追いしのふるさとが良かったんですけれど
他には、メリーさんの羊とかロンドン橋とか
でも、よく考えたらロンドン橋は小説版のガンダムで使っているので止めました
メリーさんは長いんですよ実は歌詞が
キリの良いところで終わらないので、キラキラ星の採用となりました
332.ATTENTION
グゥエエッ
やっぱり、自分の心の中に強い他者の気が入って来るというのは
全身の血が一瞬で沸騰して逆流する様な、生々しいショックがある
来ると判っていたオレが、こうなのだから
不意打ちで、心月を喰らったやつらは
ウウウッ
アアッ
ドワアッ
100人の情報部員たちはバラバラとマシンガンを落としていく
手に力が入らないのだろう
19階のコンクリート剥き出しの無装飾の床面にガチャガチャと銃器が転がって行く
香月セキュリティ・サービスのトップ・エリートたちや
谷沢チーフまでもが、ぐったりとしている
みんな、しばらくは全員戦闘不能だな
や、やったぞ美智
今ならここから脱出できる
とにかく、この場から逃げないと
ミス・コーデリアは、オレたち黒森の家の人間を皆殺しにするつもりなんだから
寧さん雪乃
ううっ大丈夫、何とか身体は動かせるよっヨッちゃん
あたしも、動けるわ二度目だもの
しかし肝心の美智は
あううううご主人様
ブルブルと震えて、オレにしがみつく
この広大な部屋全体に、全力で気を放ったんだ
心と身体の限界を越えてしまったのか
どうした、美智大丈夫か
オレは、ギュッと美智の小さな身体を抱く
怖いぃぃ怖いのぉぉぉ
美智は、幼子の様にオレの腕の中で震えている
ご主人様ご主人様ご主人様ぁぁっ
こ、これは
オレたちの前に、白い人影がスッと立つ
うふふふふふその子が気を放ち切って、スッカラカンになった瞬間に逆に、あたしの念を叩き込んでやったのさ
ミ、ミス・コーデリア
な、何で、無事なんだ
その技は、さっき体験したからね
だからってミス・コーデリアは、全然ダメージを受けていない
平然とオレたちを見下ろして、笑っている
さっきは、まさかそんな小さな子が気の技を使うなんて思わなかったから、真っ正面から食らっちまっただけさ
美智に心月があると知っていれば
気を操作する技なんて、世界中にあるんだよその対処法もねあたしは、オリエンタルな闘技は、キョーコから教わっているしね
気に対する、受け流しの技をミス・コーデリアはマスターしていたのか
オレの腕の中で、美智は震えている
全力で気を放って心が無防備になったところに、ミス・コーデリアの邪念を叩き込まれたんだ
肉体と精神が同時に混乱して、激しい拒絶反応を引き起こしている
大丈夫だぞオレが、ギュッと抱き締めてやるからっ
おれは、美智に声を掛ける
はぃぃい、抱いて、もっと力強くご主人様ぁぁ
美智は、すぐには回復しない
オレは、関さんと麗華を見るが
うぐぐっ
くぅぅ
2人とも心月の直撃を受けて、ダウンしているぅぅ
この人たちは、美智のフル・パワーの心月は初体験なんだっけ
心のガードをしないで、敵と同じ様に美智の気の大波を受け入れてしまったんだ
さてそろそろお仕置きの時間よ
ミス・コーデリアが、ニカッと微笑む
そうはさせないよ
マルゴ・スタークウェザーがゆっくりと立ち上がる
あなたの前には、まだあたしがいる
マルゴさんも心月のダメージを受けている
身体は、小刻みに震えている
両手の棍棒も床に落としてしまっている
それでも、マルゴさんは闘志を露わにして
ミス・コーデリアの前に、ファイティング・ポーズをとる
さすがねそうじゃないと、面白く無いわ
ミス・コーデリアの言葉に、マルゴさんは
このまま無様にやられたら、恭子さんに会わせる顔が無いからね
あなたの口からキョーコの名前は聞きたくないわ
ミス・コーデリアは、あからさまに不快な表情をする
二度と、そんなことは言えない身体にしてあげる
すわっ
ミス・コーデリアは、風に舞う羽のようにマルゴさんを襲う
さぁいっふっはぁぁ
マルゴさんは、ミス・コーデリアの攻撃を避けずに腕の防具で、受け流す
思い切りがいいのねっ
今できることを精一杯やっているだけだよ
現在のマルゴさんには、俊敏に敵の攻撃を躱すことはできない
だから、敢えてその場に踏ん張って
避けずに、受ける
すぅぅはぁぁすぅぅ
深い呼吸を繰り返しながらマルゴさんは、全身を活性化させようとしている
ふーん、カラテの廻し受けねそれもキョーコの教え
そうさ
なるほどあなたの素質は認めるわこのまま、成長したらかなりの闘士なれるかもしれない
ここで殺しちゃうのが、もったいないわよね
ミス・コーデリアの攻撃が、さらにスピードアップして繰り出さられるッ
はぁぁッッ
マルゴさんは、敵の素早い攻撃を集中して全て捌いていく
はんっいつまで保つのかしら
一発でも有効打を打ち込まれたら
マルゴさんのピンチだ
美智オレの眼を見ろ
オレは、美智に言う
えっと確か
美智と、呼吸を合わせるんだっけ
呼吸を重ねて鼓動も同じにする
美智の声は、弱々しい
それでも、綺麗な瞳でオレを見上げる
オレの心とお前の心を繋げるんだ
気を放つ技は、心月を会得したことで偶然できるようになった派生技で
本来の心月とは違う
オレの心の中にお前の心の中の澱みを流し込むんだ