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あら、どうしてそう思うのあたしたち、見た目よりも粗暴でメチャクチャかもしれないじゃない

綺麗なお姉さんたちは、自分の美貌を損ねるかもしれないような真似はしないってことさそれに

コーデリアって、名前に聞き覚えがある恭子さんに、コーデリア・プリスケンという人の話をよく聞かされたよ

マルゴさんがジッと、ミス・コーデリアを見る

キョウコ・メッサーは、あたしのことを何て

さあ本人から直接聞けば

やはりキョウコ・メッサーは、すでに日本国内に居るのね

恭子さんのやり方は、あなたもよく知っているでしょ自分の見せ場になるまでは、誰からも見えないところに隠れているよ

それを聞いて安心したわあたし、キョウコ・メッサーには借りがあるの

借り

そうよ貸しでなくて借りがね早いとこ、返してしまいたいのよこういうのは、ずっとそのままにしておきたくは無いから

ミス・コーデリアは、そう言った

それで見届け役として来てくれたのかな

そうねそれも理由の一つだわ

見つめ合うマルゴさんとミス・コーデリア

第4のシザーリオ・ヴァイオラにはこの劇場には、襲撃しないように厳命してあるわ

ここには日本の家柄の良い子供たちが集まっているんでしょ下手に巻き込んでしまったら、プロモーションにはならないわ

彼らは、シザーリオ・ヴァイオラの組織の力を、日本の上流階層に宣伝したいんだ

下手に関係の無い名家の子供を殺してしまったら悪名しか残らない

それに今日は、あたしたちの母国のお役人さんも来るんでしょう

ミス・コーデリアは、自分の首から下げた名札のアメリカ商務省の文字を指差す

合衆国〈ステイツ〉の権威を落とすような真似はしないわあたしは、愛国者だから

お心遣いを感謝するよ

第4のシザーリオ・ヴァイオラにはここの後の、みなさんがホテルに移動した後に襲撃させますそうね、そういうレクリエーションは、夕ご飯の後がいいわよね戦闘開始は、午後8時以降ってことでどうかしら

午後8時

戦闘はしなくてもその時間までに、潜入工作はしてくるんだろ

当然よ戦闘開始までに、どこまであなたたちに接近できるかも、見所の一つでしょ

ミス・コーデリアは、また笑った

では、そういうことでキョウコ・メッサーによろしく言っておいてねあたしとは、会えないままかもしれないら

ミス・コーデリアは、立ち去ろうとするが

恭子さんが、あなたに挨拶しないはずが無いだろ

コーデリアの足が止まる

マルゴさんに振り返る

キョウコ・メッサーは、あなたにあたしのことを何て言っていたの

あなたほど愛した人はいないと言っていたよ

コーデリアが、ギッとマルゴさんを見る

あなたはキョウコ・メッサーの今の恋人なの

マルゴさんは、アハハと笑った

あたしは、恭子さんの弟子だよ今でも、子供扱いされている

子供

あたしも施設の出身なんだ

その言葉にミス・コーデリアの顔が和む

そうだったの

恭子さんが、ブラジルの犯罪結社マランドロを離れて、黒い森の警護役になったのも同じ理由だよあの人にとっては、あたしたち全員が自分の娘みたいなものなんだ

何となく、判ったわ

だから恭子さんを恨まないで欲しい

恨んではいないわただ、あの人の才能を惜しんでいるだけキョウコ・メッサーなら第1のシザーリオ・ヴァイオラにも勝てるでしょうに

コーデリアは、寂しそうにそう言った

ご機嫌ようあなたとは、また会いたいわね

そうだね恭子さんと3人でカルフォルニア・ワインでも開けたいね

それは無理よ

あなたの気持ち次第だと思うけれど

とにかく第4のシザーリオ・ヴァイオラに勝ちなさい話の続きは、あなたが生き残っていたらってことにしましょう

幸運を祈るわ

ミス・コーデリアは、スッと歩き出す

双子の白い二人が、その後を追う

じゃあね、みなさん

がんばって下さいね

そして三人の白い死に神が、姿を消す

マルゴさん、あの人たちの話、どこまで信じられます

何一つ信用できないさ

でもあの人、わざわざマルゴさんに会いに来たみたいでしたけれど

メグが不安そうな顔で、そう尋ねた

あの人が、本当にコーデリア・プリスケンなら恭子さんの最初の弟子で、一番長く組んでいた相棒のはずなんだ

ならって

コーデリア・プリスケンは、死んだはずだからあたしは、恭子さんからそう聞いている

オレたち死んだはずの人と会話していたのか

まあいいよあの人たちは味方ではないけれど、完全な敵ではないから

どうしてそう言い切れるんです

本当の敵ならあたしたちは今、殺されているよ3人とも、相当な戦闘力の持ち主だったからね

見逃してくれたんだと思う

シザーリオ・ヴァイオラの上に、誰か支配者がいることは想定していたし今のヴァイオラがオリジナルでは無い可能性も想像していたまさか複数のシザーリオ・ヴァイオラが一つの組織の中に存在するとは思っていなかったけれどね

あの人たち、あたしたちを狙っているのは第4のシザーリオ・ヴァイオラと言ってました最低でも、4組のシザーリオ・ヴァイオラとロザリンド・オーランドーが居るってことなんでしょうか

メグの問いにマルゴさんは

その辺は誤魔化されているかもしれないよ今の双子だって、本当にシザーリオ・ヴァイオラなのかどうかは判らないし

でも合理的な説明は付きますね今までのことについて

克子姉が言う

あたしたちを狙っているシザーリオ・ヴァイオラは彼女たちの言い方に合わせて第4のシザーリオ・ヴァイオラと呼びますけれど粗暴なだけの小者のイメージが強い相手でした

寧さんの話で聞いたヴァイオラは危ないだけのオッサンだった

緻密な計画性などは、全く感じられませんでしたあたしは、そんな粗野な犯罪者がずっと野放しにされていた理由が判らなかったんです

克子姉の言葉にミナホ姉さんは

複数のシザーリオ・ヴァイオラを一つの組織が同時に操作しているというのは本当なんでしょう仕事の内容によって出動させるヴァイオラを変えているんでしょうね

あたしたちを狙っている第4のシザーリオ・ヴァイオラは、一番粗暴なだけの暴力的な仕事を請け負っていたチームなんじゃないかしら

そうですね今の三人の方が、遥かに洗練された雰囲気を持っていました

色んな人から、様々な犯罪行為を請け負い実行する

現実には、それぞれの仕事に適任の人間が担当するが

それぞれのチームのトップは、全員シザーリオ・ヴァイオラとロザリンド・オーランドーを名乗っているんだ