ああ、良かった助かりましたわ
白坂家の次期当主の件だが私の方からは、富久志くんを強く推しておいたまあ、後は白坂家内部の問題だ君たちの方でしっかりやりたまえ
何から何まで、ありがとうございます
今、私の護衛を迎えに行かせる彼らに送らせるから、君たちはこのまま白坂本家に向かい給え鉄は熱いうちに叩くべきだ白坂家内部の問題については、今晩中に決着を付けなさい富久志くんとは1階玄関で合流できる様に手配しておこう
判りましたわっ
白坂信子しか喋っていないな
大阪のテレビ局の白坂博光氏と山田副社長はどうした
通信を切るとジッちゃんは、谷沢チーフに振り向く
白坂守次が、白坂家内の反対派に刺客を送っていた件今すぐ、マスコミにリークしろ
家庭内の問題を片付けるのにアメリカの殺し屋を雇うような家が日本有数の巨大な新聞社やテレビ・ネットワークを牛耳っているのは危険だというキャンペーンを張れ
ジッちゃんの顔がいつもの意地悪爺さんの顔に戻って行く
白坂家なんていう成り上がりの家系なんぞどうでもいい次の当主の地位は、あの女の息子に与えてやってもいいだろうしかし、これを機に白坂家からは、新聞社とテレビ局を奪い取る白坂家が、支配下のマスコミ各社の経営から手を引かなくてはならなくなる様に世論を動かせ
かしこまりました閣下
司馬くん大阪の白坂博光という人物には、見所がある大阪のテレビ局だけ、白坂家のグループから独立させられないかどうか画策してみてくれ資本関係から調べてみてくれ
そして後片付けが始まる
谷沢チーフが、信頼できる部下を数人呼んだ
そのうちの一人が、司馬沖達氏を連れて行く
司馬氏は重役たちのフロアへ
息子に会うことととにかく、一度、今後のことを重役たちと話し合うために
他の部下が香月重秋の遺体を片付ける
重秋は、自宅で死んだことにしてもらう
このまま、香月第一病院に搬送してくれ話は通してある
では、私が付き添います
ジッちゃんの三男みすずの父親の香月重冬が言った
こんなことになりましたが私の兄ですから
そして、地下と繋がっているスクリーンを見上げる
みすずも、瑠璃子ちゃんも心配しないで重秋兄さんは、私が連れて行くよ
叔父様、よろしくお願いします
大分落ち着いたのか瑠璃子は、そう返事をした
遅れてあたしたちも向かいますごめんなさいここからは、すぐには出られないんです
緊急避難室に通じるエレベーターは、オレが回路をブッ壊してしまったから
時間を掛けて内側から、脱出路を開いていくしかない
幾つもの閉鎖された扉を一つ一つ手作業で解除しないといけないから時間が掛かる
今、恵美さんやマナちゃんたちにも手伝って貰って、脱出の準備をしていますから
そう言うみすずに、ジッちゃんは
いや、谷沢にエレベーターの制御回路の方を交換させるその方が、結果的には早いお前たちは、そこで待機していなさい
はい、ユニットごとの交換なら、一時間もあればできるはずです
谷沢チーフが、関さんと麗華を見る
これは君たちでやってくれ君たちがブッ壊したんだからな
麗華は、恥ずかしそうに答えた
関さんこれ
オレは関さんにピストルを返そうと思った
ずっと預かったままというのも困る
もうしばらく持ってなさい
関さんは、少し怖い顔でオレに言った
もう何も問題はなくなったのに
わたくしまだ全然信用していないのよ
関さんは谷沢チーフの配下のトップエリートに監視されている、ヴァイオラとバンディーニを見る
それから恭子さんと歓談している、ミス・コーデリアたちを
あの人たちが眼の前からいなくなるまでは武器は持ってなさい
その通りですご主人様
見ると美智も赤いムチを持ったままだ
そうか野獣と同じ檻の中に居るようなもんだもんな
まだ全て解決したわけじゃないからね
マルゴさんが、寧さんを抱き締めている
どうしたんです寧さん
うんちょっとね変な感じなのあたしをずっと苦しめていた相手が、あそこで捕まっているのを見ているとね
シザーリオ・ヴァイオラは、寧の精神に深く傷を負わせているからね
こういう状況になったらあたし、どうしたら良いのか判らないんだっ
寧さんはぶるぶると震えていた
やっぱりあたしが殺してくるよ
きちんと寧が見ている前でシザーリオ・ヴァイオラは、死ぬべきなんだそうじゃないと寧の悪夢は永遠に消えない
オレは慌てて、ミナホ姉さんを探す
ミナホ姉さんはジッちゃんと話しているちょっとオレたちから離れているな
このままだとヴァイオラたちは、香月セキュリティ・サービスに連れて行かれて、どこかで処刑されるんだと思うよ寧の眼の前で殺すなら、チャンスは今しか無い
いやだから、マルゴさん、ちょっと待って
あんたたちみんな気が狂っているわよ
雪乃が、口を開いた
眼の前で人が死んだのに殺されたのにその上、まだ殺すって言うの
雪乃お前
あんたたちみんな、どうかしているのよっ
二日寝込んだので、大分良くなってきたのですが
熱がまだ下がりません
ちょっとフラフラしています
せっかくの土日が
337.銃声
人が殺されたのよちゃんと警察へ行くべきでしょ裁判を受けて、裁かれるべきよ何でもかんでも勝手に決めて、納得しておかしいと思わないの恥知らずよ、あんたたち
彼女には、ジッちゃんやオレたちの行動が納得できないらしい
ふうんお嬢ちゃんは、どうしてそう思うの
遠くから、恭子さんが面白そうに尋ねてきた
だって自分で自分のしたことを判断して、罪を裁くなんてやってはいけないことだわ公平な立場から判断して貰うために法律とか、警察とか、裁判所があるんでしょ
雪乃が答える
ちょっとちょっとあんた、ちゃんと脳みそ入っているの
呆れ顔で、恭子さんは言った
法律とか、警察とか、裁判所とかが公平なんて、そんなのファンタジーの世界だけじゃない
な、何を言っているのよ
愕然とする雪乃
恭子さん、この子は日本しか知らないから社会正義が幻想だっていうこと、判らないんですよ
ああリベラル勢力の言い分を、そのまま信じちゃっているわけね
法律も、警察も、裁判所も権力者の意志によって恣意的に利用される力の無い民衆は、いつも好き勝手に陵辱されるそれが世の中だよだからと言って、革命を起こせって言う無責任な連中もいるけれど本当に、革命なんかが起きてしまったら国家は根幹から壊れてしまって、無茶苦茶な状態になる革命を体験した国が、平穏な状態に戻るのには何十年も掛かるんだよ