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この何回かのセックスで、心が通じ合ったような気になったけれど

そんなのは勘違いだ

白坂雪乃という女の子がオレを好きになるはずがない

初めから、判っていたことじゃないか

そんな言葉が口から漏れた

雪乃が不快な眼でオレを見る

いや何て言ったらいいのか判らないけれどとにかく、ごめん本当に、ごめん

すると、雪乃は

雪乃の心が爆発する

謝るくらいなら、最初からするなぁっ馬鹿ぁぁッッ

オレは白坂雪乃をレイプした

処女を無理矢理奪い何度も犯した

恋人との仲を裂き

雪乃から妹を奪い取り

学校中の生徒の前に痴態を晒させ

父親の失脚を手助けした

あげくに、危険な場所に連れ回し

今、雪乃にはもう何も残っていない

友人も、恋人も、家族も何一つ

ごめん、雪乃

雪乃は今オレとの絆も失おうとしている

いや、そんな絆は最初から無かったんだ

オレは強姦者で雪乃は被害者

それだけの関係でしか無かった最初から

謝るしかない

オレのその言葉に、雪乃は

冗談じゃないわよぉっ

雪乃の拳が、オレの顔をブッ叩いた

平手じゃ無い

ゲンコツで雪乃は、オレを殴った

女の子だから、体重の乗っていないペチッというパンチだったけれど

オレには、痛く響いた

ごめんで済むわけがないでしょうっ

フロアの壁に配置されたドアが、不意に開いた

ドアから現れたのは香月健思だった

みなさん、こちらにお出ででしたかぁ

場違いな、晴れ晴れとした笑顔で香月健思は、微笑む

いやぁ、やっと、ここのフロアまで降りて来られましたよ

ウワァァッッ

背後で、悲鳴が起きる

ハッと振り向くとロレンザッチョ・バンディーニが、監視していたトップ・エリートの1人を襲っていた

そんな身体検査はしたはずだろ

靴のヒールの中にナイフを隠していたようですっ

バンディーニは、トップ・エリートを突き飛ばし香月健思が開いたドアに向かって、突進する

逃がさないよっ

恭子さんやトップ・エリートたちが一斉にバンディーニを取り押さえようとする

誰もがロレンザッチョ・バンディーニに集中する

その隙をシザーリオ・ヴァイオラが見逃すはずが無い

ヴァイオラも、トップ・エリートの間をかい潜り逃亡を図る

しかも、脱出口に向かったバンディーニとは違う方法で、事態の打開を狙った

つまり人質を取ろうと試みる

ヴァイオラの視界の先に居たこのフロアの中で一番無防備な人物

それは雪乃だった

こっちへ来いっ

きゃああああっっ

ヴァイオラの血走った眼

雪乃の悲鳴

オレは、雪乃とヴァイオラの間に飛び込むッ

ヴァイオラの手が、雪乃を捕まえる前に

ビュシュツ

美智の赤いムチが、ヴァイオラの手を撥ね除けるッッ

トォイヤァァッ

マルゴさんの横からの跳び蹴りが、ヴァイオラに炸裂するッッ

グェェェッ

激しいキックに宙を舞い、ゴロッゴロッと床に転がるヴァイオラの肉体

ピクピクッと痙攣してガクッと力を失う

死んだの

さあならいいんだけどね

ゆっくりと近付いて

マルゴさんは、ヴァイオラのマスクを剥いだ

マスクの下の顔は、白目を剥いていた

何かのメイクをしていたらしい

付けヒゲが、曲がっていた

こんな顔だったっけシザーリオ・ヴァイオラ

記憶の中の顔はもっと恐ろしかったよ

それは寧が、頭の中でヴァイオラのことを思い出すうちにどんどん記憶に付け加えてしまっていたんだよ恐怖の記憶っていうのは、そういうものだから

ドアの方では、バンディーニがこちらは問題無く、取り押さえられていた

Hey、ミスター・バンディーニ今日のヴァイオラは、誰に変装していたんだい

シザーリオ・ヴァイオラには、仕事の時に映画のキャラクターに変装する趣味があったんだっけ

レット・バトラーさ

数人掛かりで押さえ込まれたバンディーニは、口惜しそうにマルゴさんに答えた

クラーク・ゲーブルってこと

そういうこった

ふんそこそこ、いい線行っているけれど、そっくりさんもどきって感じだね

マルゴさんがそう言うのだから、何となく面影があるくらいには似ているのだろう

オレとロサンゼルスで再会する前はそいつ、チャイニーズシアターの前で、レット・バトラーの仮装をして、観光客から小銭を巻き上げていたらしいぜもっとも、妹の仮装したワンダー・ウーマンの方が稼ぎが良かったらしいがな

若き日のヴァイオラとロザリンドは、そんなことをしていたんだ

それでそいつは頭にきて自分は仮装を止めて、観光客が妹と写真を撮っている間に、観光客の荷物を盗むことに専念するようになったんだそうだ

そして悪の道へ

白目を剥いたままのヴァイオラは、転がったまままったく動かない

死んだ殺したまた、殺したのねっあんたたち

雪乃が、憤怒の形相でオレたちを見る

こっちへ来ないでっ

泣き喚く雪乃

もう嫌よ、あたし、もう、うんざりよこんなの嫌ここから、あたしを出してよっ

壁際に逃げようとする雪乃

そこには床に倒れたヴァイオラの肉体があった

雪乃ちょっと待て

関さんから預かっていた、ピストルを向ける

な、何よあ、あんたあたしも殺す気なの

そうじゃないっ動くなって言ってるんだっ

あたしに命令しないでっ

雪乃の足が後ろに下がる

そっちはダメだ

寧さんと美智が、オレに声を掛ける

マルゴさんが、突進する

しかしオレは

それでは、間に合わないと気付く

いやぁぁ、殺さないでぇぇっっっ

何かがおかしいと思った

変だという実感があった

ドギュゥゥッ

オレは、銃を撃った

弾丸は、真っ直ぐに飛び

一瞬にして、床に倒れたヴァイオラの身体に穴が開きグワンッと身体が跳ね上がる

血が、ヴゥワッと噴き上がった

硝煙の匂いが鼻につく

きゃああああああああッッ

雪乃の絶叫が轟く

マルゴさんが、雪乃を抱き締めて保護する

いやぁぁ、いゃぁぁ、ぁぁ

半狂乱状態の雪乃

その雪乃を、マルゴさんがパンと平手打ちするッ

落ち着くんだッ

フロア中の視線が集中していた

撃たれたヴァイオラの遺体と

撃ったオレに

雪乃が、ハッと我に返る

恭子さんが、スッと来てくれた

ヴァイオラの遺体を調べる

あんた、よく気が付いたね

恭子さんが、ヴァイオラの握りしめた手の中から、小さなカプセルの様なものを取り上げた

神経ガスじゃないかなこのフロアに居る人間全員は無理だけれど近くに居るやつぐらいまでは余裕で殺せるタイプの死なばもろともってことなんだろ気の弱い男のやりそうなことさ