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ヴァイオラは毒ガスのカプセルを持って居た

こいつは死んだフリをして、自分の周りに人が近寄って来たところで、このカプセルを使うつもりだったんだろうよ

恭子さんは、雪乃を見る

あんたの位置なら確実に死んでいた坊やに助けられたね

あんたが殺した

恐ろしい物を見る眼でオレを見る

あんたが殺したんだ

オレが殺した

オレが撃った

この手で

この銃で

オレ、オレ

あれどうしたんだろう

身体が、鉛のように重く感じる

力が入らない

気持ち悪い

胃液が逆流してくる

眼の前がクラクラする

オレもう、立っていられない

しまったこういう可能性に気付いておくべきだったんだ

マルゴさんの声が遠くで聞こえる

自分の命にこだわりがないのなら人の命を奪うことにだって、ためらいが無いっていうことじゃないかっ

えそれって

オレのことなのか

人殺し人殺し人殺し

雪乃の声が聞こえてくる

遠くで遥か遠くから響いてくる

うああぁぁ

そのまま気を失った

この展開は、かなり早い段階から考えていました

犯罪組織の一員となるということは、当然それなりの負い目を背負うということですから

ここだけはシリアスに描写しないといけないと考えていました

長かった五月二日の章が終わり

次話から五月三日に突入します

338.ワン・モア・キス

おはよっおはよっ

よしだくんよしだくん

よしだくんおはよっ

お、はよう

もう、朝なのか

身体が重い

胃がぐえってなっている

体調が悪すぎる

このまま眠っていたいのに

おきてくださいっよしだくん

そうだそれは、オレの名前

あさですよっおきてくださいっよしだくんっ

耳元でうるさいなあ

オレは重い瞼をこじ開けた

眼の前に居たのは

えへへへっやっと起きましたっ

天使の様な3歳の幼女の笑顔がオレの視界いっぱいに

おはよっよしだくんっ

あー、にどねはダメですよっメッですからねっ

いや、すっかり眼が覚めたよ

どうしたんだ、こりゃあ

ふかふかのベッドの上に居た

何か凄い豪華な部屋に居る

窓はカーテンが閉じられているから外の景色は見えないけれど

隙間から朝の光が射している

うんもう夜は明けたんだ

ママがねっ昨夜はお風呂に入らないまま、おネムしちゃったから、お風呂に入りなさいって

真緒ちゃんが、オレに言った

判ってるぅよしだくんっ

オレに風呂に入れって

よしだくんだけじゃないよぉっ真緒も一緒だよっ

ああ2人で

ね真緒ちゃん渚は

渚だけじゃない

他のみんなはどこだ

っていうかこの部屋は何なんだ

そんな疑問がオレの中に湧き上がった瞬間

ギィと部屋のドアが開いて渚本人が現れる

ああ眼が覚めた良かったわ

渚は、優しく微笑んでくれた

見ると、オレの寝ているベッドの脇に椅子が一つある

渚ずっとオレを看ていてくれたのか

ここは

まだホテルの中よ最上階に近いわシゲちゃんに、3つあるスイートルームを全部貸して貰ったのここはその一つよ

他のみんなは、別の部屋に居るということか

真緒お風呂にお湯を入れてきてちょうだい

えー、ママぁ

真緒ちゃんは、オレの側を離れたくないようだった

すぐに行くからお手伝い、できるわよね

オレは、真緒ちゃんを見る

頼むよ真緒ちゃん

真緒ちゃんは、ニカッと微笑んで

はぁーい

と言って、トコトコと浴室へ向かう

走らなくていいから転ぶと危ないでしょ

へっちゃらちゃらちゃらだもーんっ

騒がしい天使が退室する

部屋の中はオレと渚だけだ

渚はベッド脇の椅子に腰掛ける

あの後すぐに地下から出られたの

オレはあいまいになっている記憶を探る

あなたが倒れてから、2時間以上は掛かったわエレベーターの復旧が終わるまでそれでも、みんな気力と体力の限界だったから脱出通路を時間を掛けて開いて行くルートを使うのは無理だったわそっちだと、外からの支援は得られないしね

中から、一つ一つ手間の掛かるロックを外していくんじゃ

地下に残った人たちで、体力のありそうな子はメグしか居ないし

みんな無事

ええ大丈夫よみんな心配しないで

ニコッと渚が微笑んでくれる

うん心が少し軽くなる

瑠璃子は

みすずと美子さんが付き添って、先に帰ったわお父様のお通夜の支度があるから

そうだよね

警護には、関さんと美智ちゃんが付いているわイーディちゃんも一緒に行きたがったんだけれど恭子さんが押さえていてくれたから

シスター・イーディは、美智にすっかり懐いているから

でも香月家の葬儀の席に、あの子が居るのは心配すぎる

焼香に来た他家の警護役にケンカを売って歩くとか、平気でしそうだもんな

だいたい、日本のお葬式の雰囲気とか知らないだろうし

今、このホテルの下の方は警察が実況見分しているからでも、シゲちゃんが19階より上の階には、警察を入れないようにしてくれているのだから、ここに居る限りは平気よ外に出る時は、谷沢さんに連絡すれば香月セキュリティ・サービスの車で送って下さるって

警察って

ちょうど今、朝のワイドショーでやっているはずよ

渚が、テレビのリモコンを押す

画面にオレたちの居るホテルの全景が映った

ああ、水浸しでメチャクチャになった1階フロアが望遠レンズでアップにされている

ロシア・マフィアの殺人グループが120人お台場の高級ホテルを襲撃

そんな文字スーパーが出ている

ヘリコプターで取材している局もあるからカーテンは開けないでね

そうか、それで窓を閉め切っているんだ

渚がチャンネルを変えると、別の局では司会者とコメンテイターが話していた

しかし、白坂守次氏ともあろう人が、何だって自分の敵対勢力を潰すためにロシア・マフィアの力を借りようとしたんでしょうかねぇ

それだけ焦っていたんでしょう失脚の危機だったわけですから

しかしペンは剣より強しの新聞人が、テロリストを雇うというのは論外じゃあありませんか

まあ、白坂家内部のことはよく判りませんがね

渚はテレビを消す

シゲちゃん全部、白坂守次さんのせいってことにしちゃったのよ

実際、白坂家の反対勢力の方々は昨夜ここに居らしたわけだし

白坂守次からの殺人要請は、あくまでもミス・コーデリアがついでに営業して取って来た案件でホテル襲撃の一番の目的では無かったはずだけれど

白坂本家の人たちは、裏の事情は何も知らないからしかも、当主を強制引退させたばかりでしょシゲちゃんが、全部、お前たちのせいだって言い切って、こうやってマスコミにもシゲちゃんの言うままに報道させているからホテルの修繕費も、休業中の補償金もみんな白坂家に支払わせるつもりらしいわ