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家族みんな、寧が元気な顔で現れるのを待っているんだからね

そうだよ、姉ちゃん早く起きてほらっ

オレは、寧さんをベッドから引き起こす

判った、判ったから

笑いながら、寧さんが起き上がる

洗面所とシャワールームは、そっちのドア

マルゴさんが笑顔で示す

このスイートは、ベッドルームごとに浴室が付いているらしい

うん5分でパパッと浴びてくるねっ

寧さんは、小走りでドアの向こうに消える

君のおかげで何とか上手くいきそうだね

大変だと思うけれど寧のこと、頼むよ

はい、一生側に居ます

君のことを、寧にケイって呼び捨てにさせるのグッド・アイデアだと思うよ

寧って、すぐに知り合った子に仇名でちゃん付けするよね

あれって、相手と親しくなるためみたいに見えて実は、そうじゃないんだよ

親しさを示すためでは無い

自分から相手に近付いて、ちゃん付けして仲良くするように見せ掛けて実際は、そこから先には自分の方に踏み込まないでくれっていうサインなんだ寧は、誰かが自分の心に踏み込むことを、心の底から拒絶しているから

そう、あたしのこともマルちゃんて呼んでいるよねあたしに対しても、寧は心の中でファイア・ウォールを張っているよ

御名穂のことも、寧は先生って呼んでいるでしょ克子さんのことを克っつんて呼んでいるのは、あたしよりも親しく感じているからだと思う

克子さんは、ずっと娼婦で白坂創介に虐げられている存在だったからヴァイオラにずっと監禁されていた寧からすれば、自分に近い存在だったんだと思うよあたしや恭子さんみたいに自分で自分を護る力のある人間は自分とはタイプが違うと思っていたんじゃないかな

ずっと寧さんを見てきたマルゴさんがそんな寂しい分析をする

今、君が寧に自分のことを呼び捨てにさせることに成功したってことは寧にとって、君が一番の身内になったってことなんだと思う身内っていうか自分の心に直接繋がる存在だよねもう

オレは別にそういうつもりで言ったわけじゃないんですけれど

マルゴさんは、クスッと笑う

判っている判っているよ君は、ずっと寧には心をオープンにしているものね

オレは寧さんに幸せになって欲しいんですいえ幸せにしたいんですそうじゃないや幸せにするんですオレが

一生掛けてオレが

うん君ならきっとできるよううんきっと幸せにしてあげて

はぁこれでもう、あたしはお役御免かな寧はずっと弟を欲しがっていたんだし君なら、寧を悲しませるようなことは絶対にしないからね

寂しそうにマルゴさんは言った

マルゴさんは寧さんから離れようとしている

いいえマルゴさんだって、寧さんにはまだまだ必要ですよ

オレの口から、そんな言葉が滑り出した

マルゴさんは驚く

これからの寧さんの人生には、オレみたいな弟でないと解決できないこともあればマルゴさんみたいな姉にしか、相談できないことだってあるはずです

あたしみたいな姉

ええマルゴさんはオレたちみんなのお姉さんですから

オレははっきりと、そう言った

オレは、寧さんよりも年下で男ですからもちろん年下で男だからこそ、力になれることもあるんでしょうけれど年上で女でないと、判ってあげられないことも多いと思うんです

それぞれの持ち分があるはずだ

だから、頼りにしていますよマルゴお姉さん

マルゴさんは、きょとんとした顔をしてオレを見ている

それから、不意にククッと笑い出した

どんどん強くなるんだね君は

オレもう前に進むしかないですから

後ろを振り返ったり、立ち止まっている余裕は無い

家族のために、やらなくてはならないことが山ほどある

そうだねじゃあ、寧はあたしが連れて行くから君は、先にみんなに寧が元気になったことを伝えてあげてみんな、心配していると思うから

みんながさっき居た部屋に戻ると

あれ、誰もいない

お兄ちゃん、こっちこっち

隣の部屋のドアを開けて、マナが顔を出す

居間は、そっちらしい

隣の部屋に行く

見るとテーブルの上には、ベーコン・エッグやサラダが用意されていた

ミナホ姉さんも、克子姉も、メグも、マナも、渚も、真緒ちゃんも、恭子さんも、シスター・イーディーでさえオレたちが来るまで、食事しないで待ってくれている

ミナホ姉さんは恭子さんと話していた

克子姉がお茶を煎れてくれて、メグがオレに持って来てくれた

マナとシスター・イーディは、渚と一緒に真緒ちゃんと遊んでいた

雪乃だけが真剣な顔で、ジッとテレビを観ている

オレが入って行くと雪乃と真緒ちゃんとシスター・イーディを除いた全員が、オレに注目する

もう平気だよ寧さんも、すぐにこっちに来るから

みんなホッとした様だ

あなたも座りなさいお腹空いていたら、先に食べる

ううんオレも、寧さんが来るまで待つよ

オレがそう答えると

ほら、やっぱり我慢しきれずに食べ始めるのは、あんただけだよ

恭子さんが、テーブルの下に向かって声を掛けた

テーブルの下に工藤父が、あぐらをかいて座って居る

工藤父は、牛乳をたっぷりかけたシリアルを大きなスプーンで食べていた

ここに来たら朝食にありつけるって聞いたんでな

と、いうのは嘘だ香月のジィさんにお前らの護衛を頼まれたんでなで、ここへ来たら、食い物があったんで

あんまりお腹をキューキュー鳴らしていらっしゃるから先に食べていただいたの

克子姉が、笑って言った

悪ぃな昨夜から、全然食ってなかったから

工藤父は、蒸気機関車に石炭をくべる様に自分の口の中にシリアルをワッシワッシ投げ込んでいく

食材は、みんなホテルの厨房から分けて貰ったの良い物ばかりよ時間があったらパンも焼きたかったんだけれどさすがにオーブンを借りるわけにはいかなかったから、今朝はシリアルで我慢してね

うん勝手に厨房の機器を使うわけにはいかないもんな

このホテルの現状では、しばらくは休業だろうからコックさんたちは不在だろうし

ところでオレたちの護衛って

何で必要なんだ

ヴァイオラの脅威は無くなったし

白坂家も殺人要請を取り下げた

いや、別に大したことはねぇんだ今、下に警察の連中が来ているだろそいつらに接触しないで、ホテルの外に出るのにオレが必要だってことさ

そうか実況見分をやっているんだっけ

マスコミの連中もたくさん来ているしな

工藤父の言葉に合わせて、メグがテレビの音を大きくしてくれた

朝のワイドショーか

うんここのホテルだな

今朝は、快晴なんだお台場の海に沿って建てられた、高層ホテルの外観