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さあそれじゃあ、行こうか

マルゴさんが、始動キーを廻す

高出力のマセラッティのエンジンが、軽やかに動き出す

うん行こう

寧さんの手は緊張しているのか少し冷たかった

オレはこれから

寧さんの処女を奪うんだ

出すよ

マセラッティが、大地を蹴って荒々しく駆け出して行く

寒いです体調悪いです

次話から吉田家で寧さんとのエッチとなります

346.車の色は空の色

午前中の街を疾走する、青いマセラッティ

空は快晴ゴールデンウイークも中盤

街には、緊張感の緩んだ連休の雰囲気が漂っている

マルゴさんが、車内に音楽を流す

穏やかでゆったりとした美しい女性の英語の歌が聞こえる

あこれ、あたし好き

何て歌なんです

ブラジル

寧さんは、オレにニコッと微笑む

BRAZILっていうタイトルの映画があってねその中の夢の場面で流れる歌なんだよこれはケイト・ブッシュが歌っているバージョンなんだけれどね

BRAZILは、原題で日本では未来世紀ブラジルっていうんだよ

寧さんも教えてくれる

もちろんオレは知らない

やっぱりいいよねケイト・ブッシュはあたし大好き

うんケイト・ブッシュに嵐が丘っていう歌があってねあたしは、曲も歌詞も大好きなんだけれど、日本では長いことバラエティ番組のオープニングに使われちゃっててたんだってそれでお笑いのイメージが付いちゃって、頭に来るんだよね

寧さんが、そんなことを話し出す

日本に戻って来て、高校に入ったばかりの頃にさあたし、合唱部だったでしょ友達ができて、その子にあたし、この曲が好きなのって言って嵐が丘を聞いて貰ったら笑われたのよすっごい、ショックだったな

寧さんにも、そんな時期があったんだ

すぐに白坂創介の配下の男教師に眼を付けられて寧さんは、金髪不良少女路線になる

マルゴさんとペアで、身を守る代わりに校内の友人を失う

みんな悪い子じゃなかったけれどあたしと仲良くしていて眼を付けられたら、あの人たちに娼婦に堕とされたかもしれないしね

オレたちの高校は、長いこと黒い森の娼婦の供給源になっていた

今のところ、岩倉会長が最後の娼婦ということになっているけれど

あたしは、シザーリオ・ヴァイオラのこともあったし日本に来てからも、ずっとお屋敷の中での娼婦たちの生活を見てきたしセックスって、あんまり良いイメージが無かったんだよね本当、ごく最近あなたが来てからだよセックスって、優しくて楽しい行為なのかもしれないって思えてきたのは

寧さんはオレをあなたと呼んだ

マルゴさんの前でもケイとは呼んでくれないんだ

それってオレが、みすずや克子姉とセックスしているのを見てからですか

ううん最初の雪乃さんのレイプの時から感じていたよあなた白坂創介のレイプとは、全然違う雰囲気だったから

そう白坂創介が、女の子をレイプする時は、薄ら笑いを浮かべて楽しそうなのよそして気持ち悪い自分勝手で、女の子の身体と心を痛めつけることしかしないから

レイプって、そういうものだろう

男の性欲を女に叩き付けるだけだから

でもあなたの雪乃さんのレイプは最初の時から、感じが違ったよあなたは真剣で、カメラ越しに見ているだけでも痛々しかった悲しそうで雪乃さんの身体に、心の底から縋り付いているみたいで

オレそんなんでした

ていうか君のセックスは、いつもそうだよ誰が相手でも

運転席から、マルゴさんが言う

自分の心の中の虚無感を埋めようとしているのと同時に相手の心の中の寂しさも、埋めてあげようと必死で頑張るから痛々しさと、いじましさを感じるよね本当、面白い子だよ君は

恭子さんが驚いていたよ君のことを

オレのことを驚いていたってマルゴさん

いや、恭子さんには、途中の経過をあたしが逐一報告していたんだけどねそれでも、実際にあたしたちを見て、驚いていたあれだけ不安定だったミナホや克子さんの心が安定しているし渚さんや、寧や、あたしまでもね

マルゴさんもってマルゴさんは、オレが最初に会った時から、どっしり落ち着いてたじゃないですか

君には、そう見えるの違うよあたしだってみんなと同じで不安定だよただ寧の方が、不安定さが際立っていたから、気が付かなかっただけなんじゃないかな

そうだよこの人、結構、気分屋さんなんだから

寧さんは、マルちゃんという呼称も使わない

やっぱり、今この車の中に居る人は寧さんと寧子さんの間の人

人格が固定されていない

恭子さんは、あたしたちだけを残してオーストラリアに行くのをかなり心配していたんだよでも向こうで、白坂創介を捕獲するのは、恭子さんに任せるしか無かったしミナホが、かなり計画の実行を急いだからね

連休明けに、メグちゃんが白坂創介に娼婦に堕とされる予定だったろミナホは、それを何としても防ぎたかったんだだから、このタイミングで慌てて復讐計画をスタートするしかなかった

ミナホ姉さんにとって、メグは世話になった娼婦の先輩の忘れ形見だ

絶対にメグを白坂創介の娼婦にさせたくは無かったんだ

恭子さんやあたしは、渚さんの時のことで、とっても後悔しているからね

渚の時

渚さんが、無理矢理妊娠させられて真緒ちゃんを生むことになった時あの時は、恭子さんがお屋敷に居なかったんだどうしても所属組織のマランドロの仕事で日本を離れなくてはいけなくて恭子さんが居ないから、白坂創介が無茶をやったんだよだけどあたしもミナホも、まだ力が無くて、あの男の暴虐を止められなかったあたしたちにとっては、辛い思い出さ

真緒ちゃんが3歳だから渚の妊娠は、4年前

マルゴさんは15歳で、アメリカから日本に来たばかり

ミナホ姉さんも、まだ黒い森の運営を掌握してはいなかった時期か

白坂創介がヤクザ組織と接近していたしこのままじゃ、黒い森と関係無く、メグちゃんが拉致監禁されるのは時間の問題だったからねだから慌てて白坂創介に顧客リストの情報をリークして

オーストラリアに誘き出したのか

日本国内じゃあの時に白坂創介とツルんでいたヤクザ組織と全面戦争になる恐れがあったからねあたしたちには、そこまでの戦闘力は無いし白坂創介とヤクザを分断するためには、海外へ連れ出す必要があったんだそれに、そっちの方が恭子さんは自由に行動できるしね

国際派の恭子さんからすれば日本国内の方が動きづらいのだろう

であたしたちだけで大丈夫かと、ずっと心配してくれていたんだよあたしは毎日、定期的に連絡していたからよく知っているんだけれどあたしたちって、本当にメンタルの弱い人間ばかりだから

そんなことありませんよマルゴさんだって、ミナホ姉さんだって、克子姉だって、渚だって年長組の人たちは、みんなしっかりしているじゃないですかいつも、オレや年少組の人間は助けて貰うばかりで