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谷沢チーフが、呆れた顔で工藤遙花を見下ろす

それで姉ちゃんが、きっちりと教育してくれるって

いいや相手は、そっちの子がするよ

マルゴさんが、美智を指した

美智はうつむいている

その子はこいつの妹じゃないのかい

谷沢チーフが驚く

はい、美智に姉と闘わせます必ず勝てと厳命しました

みすずが、チーフに言った

工藤遙花が侮辱した相手にあたしも入っていますから

谷沢チーフは、はぁと溜息を吐いて

判った処分は、姉ちゃんに任せる親父に似て、馬鹿なんだなこの娘は

いいえ、似ているのはお母様の方ですわ

いやありゃ、工藤のやつがちゃんとカミサンの相手をしてやらねぇからおかしくなっちまったんですわ

谷沢チーフは工藤母と山岡部長の不倫関係を知っている

そのまま、チーフは工藤遙花を見て

いずれにしても香月セキュリティ・サービスの看板を背負ったまま、他の組織にケンカを売る、仕事はいい加減、みすず様のご機嫌を損ねるじゃあ、話になりませんわ構わねぇから、姉ちゃんがガツンとやってくれよオレが許可するから

谷沢チーフは、美智の腕前を信用していないらしい

美智でなくマルゴさんに、工藤遙花の制裁を許可する

工藤遙花と4人の手下はすっかり真っ青になっていた

いいえ谷沢さんそれでは、困ります

みすずが、真顔で言う

工藤遙花が妹に勝てば全て不問にするということにしていただけませんか

この勝負が工藤美智には、必要なんです

美智が、ハッと顔を上げる

みすずお嬢さんは、この小さい子を随分買っておられるようですね

はい美智には、生涯あたしの護衛をさせるつもりですから

谷沢チーフが、工藤遙花に告げる

おい、お前その小さい子に勝ったら、今までの不始末は全部忘れてやる死ぬ気で勝ていいな

その命令に工藤遙花は

もし勝ったらあたしを谷沢チーフのチームに入れて下さい

あたし子供のお守りなんて嫌なんです本気になれませんどうせ警護するなら、重要人物でないと

ホントに馬鹿なんだこの女

あたしには、それだけの才能があります

空手で高校日本一になったということが、工藤遙花に変な自信を持たせている

お前な

叱責しようとする谷沢チーフを、マルゴさんが止める

後は、あたしに任せてよ

しかし、姉ちゃん

こういう才能の無い子はどうせ、身体でしか理解できないんだろうから

谷沢チーフが、マルゴさんを見てみすずを見てもう一度、工藤遙花を見る

馬鹿は死ななきゃ直らねえもんなおい、空手娘負けたらクビだそれだけは覚えておけ

あたしが妹に負けるはずがありません

工藤遙花は、どこまでも馬鹿丸出しだった

では、あたしは楽屋に参ります恵美さんとマナさんは、あたしと一緒に来て下さい

みすずが、そう言うがマナは、決闘に興味があるらしい

あたしやっぱり、お兄ちゃんと一緒にいようかな

マナあたしたちが居ると、美智さんが自由に闘えないわ

マナさんみすずの楽屋は、瑠璃子さんと同じお部屋なんです

瑠璃子さんと美子さんに旦那様の素晴らしさをお話しするの恵美さんとお手伝いして下さいませんか

瑠璃子さんと美子さんにオレとのセックスを勧めるってことか

マナは、ニタッと笑って

判ったマナは瑠璃子さんとお話しするねっ

旦那様、ちょっと

みすずがオレを他の連中から引き離す

みすずは、他の人に聞こえないようにオレの耳に、小さな声で囁いた

美智を見て下さい

美智は姉と闘うということで、すっかり意気消沈している

どうにも、工藤遙花が苦手らしい

美智はあの子は、精神的にとても子供です弱い子です本質的に、誰かに支配されていないとダメな子なんです

ですから、旦那様が美智をご支配下さいみすずのいない場所で

オレが美智を支配する

美智はMなんです信頼できる人間に、支配されることを望んでいます

Mって

マゾなんですよ

みすずと同じです

みすずも旦那様に支配されたい女の子なんですから

確かにみすずは

最初は、オレのペットだったし

オレに、支配されることを望んでいたような気がする

オレに犯されるような受け身のセックスを好むし

恵美さんとマナさんは違いますよねお二人は、どっちかっていうとサディスティックな傾向がありますから

メグとマナを見る

きょとんとした顔で、オレたちの方を見ている二人

この二人は、自分から積極的にセックスを求めてくる

確かに、MでなくSっぽい

この機会に美智の心を完全にご支配下さい美智には、旦那様が必要なんです

みすずが、美智に強い声で話し掛ける

は、はいみすず様

美智は、慌てて顔を上げた

あたしのいない間は、旦那様があなたの主人です何でも、旦那様のお言いつけに従って行動なさい

みすずの指令が美智の心に突き刺さる

ははいかしこまりました

では、旦那様美智をよろしくお願いします

みすずがオレにニコッと微笑む

楽屋口でみすずとメグとマナと別れる

克子姉は、工藤父に連絡しに行ったまま、まだ帰らない

じゃあ行こうか

マルゴさんが、工藤遙花に声を掛けた

あたし負けないわいいえ、負けられないのよ

工藤遙花は、そんなことを呟いている

で、決闘場へはどう行くのかな

工藤遙花が、舞台へ通じる扉を開いた

オレたちは、彼女に続く

舞台では照明合わせの途中の様だった

舞台スタッフが何人も働いている

舞台袖から地下に降りる階段へ

舞台の地下奈落へ向かう

うわっ、何かヒンヤリするねっ

地下だけあって、階上の冷気が溜まっているらしい

奈落は非常灯が灯るだけの薄暗い場所だった

今は誰も居ない

それが回り舞台の軸だねあ、ここはセリ上がる様にできているんだっ

寧さんが、劇場の機構を興味深そうに見ている

黒子ちゃん、こっちにおいでっ

寧さんが、雪乃の腕を引っ張る

いいから、あたしの側に居てっ

そう言って寧さんはマルゴさんの後ろに立つ

ミナホ姉さんも、スッとマルゴさんの背後に回った

工藤遙花と4人の手下と距離を取る

マルゴさんの前にオレ

美智はまだうつむいたままだ

さてちょっと確認しておきましょうか

ミナホ姉さんが、工藤遙花に言う

あなたが美智さんと闘って負けたら、香月セキュリティ・サービスはクビうちで売春して貰うそういうことでいいかしら

いいわどうせ、あたしが勝つんだから

工藤遙花は、そう言いながら4人の手下に目配せする

今よっ

4人がサッと動いて、オレを取り囲む

オレは、逃げようとするが、4人の空手少女の動きは速い