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このマセラッティは風格もあるし相当なお金持ちでないと乗り回せないのは、誰が見ても判る

しかも、マルゴさんはボディも車内も綺麗にしているし

それなのにあの人が探りを入れてきたのは、運転しているのがあたしだったからだよこれが、渚さんだったら、迷いなく、すぐに関さんに連絡してくれたろうね

やっぱり品かなあ渚さんなら、この車に合った気品が出せるから、上流階級の女性に扮することもできるけれどあたしには、無理だからねまだまだ車の格に負けているんだなあだから、あの警備員に舐められた

マルゴさんは、反省しているようだ

先生、ううん、御名穂お姉さんだったら、どうだった

寧が尋ねる

ミナホには貫禄があるからね

じゃあ、マルゴお姉さんも貫禄路線を目指せばいいんじゃないっ

そっちの路線は、突き詰めると恭子さんになっちゃうよ

マルゴさんは、笑う

もっとも、恭子さんならわざと警備員とトラブルを起こして楽しむんだろうねそういうイタズラが大好きだからあの人

うんよく判る

指示された駐車区画にはすでに関さんが来ていた

マセラッティは停車し、オレたちは車を降りる

わざわざ済みません

オレは、関さんに頭を下げた

あなた、大丈夫なの

開口一番、関さんはオレに尋ねる

はいもう平気ですみんなのお陰で、立ち直りました

オレはニコッと微笑んでみせる

そうごめんなさいね、あたしの不注意で

関さんは、オレにピストルを預けたことを後悔しているらしい

その銃でオレは、シザーリオ・ヴァイオラを射殺した

気にしないで下さいもう、済んだことです

オレはそう言い切る

あの時は、あれがベストの選択だったと信じています後から考えれば、他にもっと良い手があったのかもしれませんがあの瞬間のオレには判らなかったんだし、結果として家族が無事だったのなら、それで良かったんだと割り切ることにしました

そう言って貰うと助かるわ

関さんは、ホッとした顔をする

でも、覚えて置いてあたしは、あなたに借りがあるのよこの借りは、一生掛けて返していくから

いや、大げさですよ関さん

いいえ人を殺すということは、それぐらい重いことなのよ故意だろうが、無意識下の事故だったとてもあなたの心に黒い染みを作ってしまったことに代わりはないわ

関さんの言葉にマルゴさんは

そうだね乗り越えたつもりでも、じわじわと心に染み込んでくるよ突然、フラッシュ・バックしたりもするからね君は、完全に克服したとは思い込まずに気を付けた方がいいあたしたちも、注意するから

マルゴさん自身、12歳の時の正当防衛の殺人が今でもトラウマになっている

オレも暢気でいてはいけないな

大丈夫よあたしたちが、ずっと側にいるからねっ

寧が、オレの手を握ってそう言ってくれた

オレのことより瑠璃子は、どうなんです

カメラの映像とはいえ瑠璃子は実の父が、ミス・コーデリアに殺害される瞬間を見てしまった

ショックは大きいだろうと思う

控え室にいらっしゃるわよくない感じよ

心配そうに、関さんは言う

判りましたとにかく、そこへ向かいましょう

オレたちは、葬祭所の親族控え室に向かう

ところであたしの同僚は、どうしているの

廊下を歩きながら関さんが言った

えっと麗華のことですか

そうよあたしが、瑠璃子様やみすず様の警護に付かないといけないから藤宮さんをホテルに残したのにその後、連絡が無いんだけれど

えっと麗華がいないと困りますか

元々、あの人はトップ・エリートの中でも外れていて自分の担当する警護対象者が居なかったでしょだから、別にあの人がするって決まっている仕事は無いんだけれどこういう突然の事態には、フリーで動ける人がいると助かるのよあちこち、フォローに廻って貰えるから

そもそも、昨日、劇場で麗華がみすずたちの警護をすることになったのだって

トップ・エリートの中でフリーな立場だったからだろう

その上、女性だから女の子たちの警護に最適だったわけだ

みんな忘れているみたいだけれどあたしは、本来は閣下の専任警護人なんだからまあ、そっちは化け物二人が揃っているから心配は無いんだけれど

今の状況では、関さんはジッちゃんの警護人から降格させられて、みすずたちの警護をさせられているみたいに見えるのだろう

確かに、ちょっと問題だな

麗華は今は、ちょっと手が離せない状態で

何でどこにいるの彼女

渚のお花屋さんの手伝いをしているとは言えないなあ

でも、今日一日ぐらいは警護人の仕事から離れて欲しいし

麗華お姉さんはみすずちゃんの代わりに、どうしてもしないといけない仕事があって、そっちへ行ったよ

マルゴさんが、関さんに言う

みすず様の

ああ詳細は、ちょっと言えないけれど

みすずは渚の店で、アルバイトしていたから

忌引きでお店に来られないみすずの代わりに、渚の花屋で仕事していると言えないこともない

かなり、ツライ言い訳だけれど

そうなら、しょうがないわね

関さんは、納得してくれた

控え室に行くまでの経路には、何人もの警備員が立っていた

検問所のようなところが幾つもある

まあ、関さんと一緒だから、どこも顔パスで通して貰えたけれど

さすが、ジッちゃんの専任警護人

香月セキュリティ・サービスの職員には、よく知られているらしい

こちらの部屋よ

関さんはご親族控え室・3という部屋をオレたちに示す

ジッちゃんは

他のご親族の皆様たちと、控え室・1の方にいらっしゃるわ

そうか今日は、香月家の親族やグループ企業の人たちも来ているんだ

香月家の当主であるジッちゃんの息子が死んだんだもんな

あなたたちは、そちらには行かない方がいいわお通夜は夜からだけれど、もうかなりたくさんのご親族の皆様がいらっしゃっているから

そのうち、香月操や、香月仁たちや、その家族も来るんだろうし

オレが顔を出したら、また面倒なことになるかもしれない

この控え室・3は、あちらの控え室からは少し離れているから

関さんが、位置関係を説明してくれる

閣下が、他の方たちにこちらの控え室には来ないように厳命して下さっているわご親族の皆様も、瑠璃子様が重いショックを受けられて塞ぎ込まれていることはご存じだしあなたたちが部屋に入っても、誰にも気づかれずに済むと思うわ

それは助かる

みすずたちも、この部屋にいるんですね

ええいらっしゃるわみすず様も美子様も美智さんもこの中よ

そして、関さんはドアの脇に立てかけられていたパイプ椅子を取る

あたしは、ここで監視しているからゆっくり、お話していいわよ大丈夫、閣下以外の人は、絶対に通さないから