つまり、香月重秋には、香月家の時期当主となる資格が無かった
瑠璃子のお父さんが、こんなことになってしまったから瑠璃子の中で、自分自身の存在意義がグチャグチャになってしまったんだろ自分も、香月家を継ぐ資格は無いんじゃないかって不安になったんだだから血がどうのとか、訳の判らないことを言い出したんだよ
お兄様のおっしゃる通りだと思いますわたくし、自分を見失っておりました
そっと呟くように答える
瑠璃子は、自分は、香月家の継承者だから、それに相応しい人間にならなくてはいけないって思い込んで生きてきたんだだから、色んなことも我慢しなくちゃいけないって、心を押さえ込んでそれなのに、突然、自分には後継者としての資格は無いのではないかっていう疑問が湧いてきてしまったからこの先、どうして良いのか判らなくなって、思考停止してしまったんだよ
瑠璃子お前、香月家を捨てちまえ
瑠璃子の驚きの顔
オレは裸のお前が欲しいんだよ香月家なんて見捨てて、素っ裸でオレのとこに来い
瑠璃子を救うには、それしかないと思う
瑠璃子は、香月家という家の重さに囚われている
わ、わたくしは香月家の後ろ盾がなければ、何もありませんただの無力な少女です
その無力な少女だけでいい大丈夫だお前のことは、オレとオレの家族が一生護るから
ああ、もうじれったい
昨日の夜に約束した通りにするみすず
瑠璃子を誘拐する無理にでも、こいつはオレの女にする
誘拐するベストのタイミングはいつだと思う
明日の告別式の後火葬場からの帰りの精進落としの時が良いと思いますお父様とも、きちんとお別れした後ですし瑠璃子は体調が悪くなったので、先に帰ったということにすれば誰も不思議には思いません
よし、じゃあ、そのタイミングで瑠璃子を掻っ攫う
じゃあ、具体的な作戦はあたしがマルゴお姉さんと組むわいいわよねっ
了解だよ
寧とマルゴさんが、すぐに反応してくれた
ではわたくしは、香月セキュリティ・サービスの牽制をします
オレの背中に引っ付いたままの美智が言う
明日は麗華にも動いて貰おう関さんは、こっちに付いてくれるかな
それは、お祖父様次第です
ああジッちゃんには、オレから話すよ瑠璃子は、オレたちが誘拐するって
ジッちゃんだって家族なんだ
この誘拐劇は、何としても承認して貰う
本気なのですか、お兄様
瑠璃子は、言った
当たり前だもう、瑠璃子の意志なんて聞かないからなお前は、オレが誘拐する力尽くでオレの女にするから香月家のことは、もう忘れろ
しかし、わたくしは香月の
大丈夫だよお前一人いなくなったって、香月家は潰れないから香月操とか、香月仁とか分家もいっぱいるじゃないか
あの人たちでは、家は守れません
だから、ジッちゃんは香月グループの経営の実権を司馬さんに預けることにしたんだろ大丈夫だよ司馬さんなら香月の分家たちに口出しさせずに、立派にグループ企業をまとめ上げてくれるさ
今の私塾のやつらはイマイチでもそのうちに、分家の中から有能な人材が出て来るかもしれないそうしたら、そいつが司馬さんの次に香月グループのトップになればいいし一人一人は弱くても、私塾の連中が一つにまとまれば、将来的にはそれなりに強い団結力を持った集団になるんじゃないかなジッちゃん、ああ見えて、20年後、30年後のために布石を打っているんだと思うよ
オレは段々、ジッちゃんの意図が読めてきた
あらゆる可能性を考えて家を存続させるための努力をしている
瑠璃子かみすずが、香月家を継いで香月グループをまとめ上げるなんてジッちゃんからすれば、たくさんある想定の中の1つのプランでしかないんだジッちゃんは、同時並行でありとあらゆる可能性を探っているその中で時代の流れに沿って、最終的にベストな選択をすればいいと思っているんじゃないかな
多分そうだ
だから瑠璃子が、何もかも我慢して、無理に香月家を継ぐ必要なんか全然無いんだ
ていうか、その可能性はオレが摘み取るから瑠璃子は、もう香月家のことなんか考えなくて良いからな
それではわたくしは、この先、何をすればいいんですか
瑠璃子は、ヨッちゃんを幸せにすることだけ考えていればいいんだよっ
そうね旦那様が、瑠璃子を幸せにして下さるのだから瑠璃子は、旦那様を幸せにして差し上げないとね
幸せですよご主人様に抱いていただくのは
美智も、恥ずかしそうにそう言う
本当の家族になろう瑠璃子
そうだ今の瑠璃子に必要なのは、家族だこっちへ来いよ
わ、わたくしには、ちゃんと家族がおります美子が
美子さんの手を握る
美子さんも、後ろから瑠璃子の背中を抱いてあげている
残念だけれど主従関係のまんまなら、家族にはなれないよ
寧が、言った
美子さんは、瑠璃子を庇うだけで厳しいことを言ってくれたりはしないでしょ
美子さんがうつむく
それにね今の瑠璃子に必要なのは、護ってくれる男の人だと思う香月家の男の人たちは、みんなだらしないからヨッちゃんみたいな人に護られないと、瑠璃子は安心できないと思うよ
寧が言うほど、オレはできた人間では無いけれど
とにかく、瑠璃子はオレが護るいや、護るためにまず香月家から奪う明日には、身も心もオレのものになってもらうからな
瑠璃子は、ブルッと身体を震わせる
ゾクゾクするでしょっ瑠璃子っ
ヨッちゃんが、あなたを誘拐してくれるんだよっ
瑠璃子は、大きく眼を見開く
口だけじゃないんだ、この子はヨッちゃんは、いつも本当に身を張って、あたしたちのために行動してくれるだから、ゾクゾクするのっあたし、ヨッちゃん大好きっ
オレのことを、ギュッと抱き締める
あたしだって、大好きですっ旦那様ぁんっ
みすずも、オレにしがみつく
わたくしもお慕いしております
美智も背中からオレを抱き締める
瑠璃子は、迷っている
よしでは、トドメを刺そう
とにかく、そういうことになったからっジッちゃん、聞いているんだろっ
あのスケベジジィが
オレたちが瑠璃子を訪ねてきたことを知って、盗聴していないはずがない
ああ、聞いていたよ
スピーカーから、声がする
やっぱりな
今、話した通りだよ瑠璃子は、オレが誘拐して、オレの女にする構わないよね
好きにしろただし香月セキュリティ・サービスには、私からは何も言わんぞお前たちの力で、警備の連中を出し抜け関くんは、お前たちの味方で構わん
判っているよジッちゃんが、簡単に瑠璃子を誘拐させてくれるとは思っていない
欲しければ、自らの力で道を開け勇気を持って、闘って勝ち取ったものでなければ、価値は無いからな