ミナホ姉さんがクスッと笑った
あなたは、どうもう、雪乃さんとセックスできなくなってもいい
オレは改めて、雪乃を見る
雪乃は怒りに眼を吊り上がらせていた
ああこいつは
メグとマナが、何を言っているのか全然、理解していない
理解する気もない
あたしは、別にどうでもいいわよっあんたなんてさっ
そう言って再び、食事をする
ふんっあんたたち、みんなキチガイよっ頭がおかしいのよっあたしは付き合ってられないわよっ馬鹿なんじゃないのっ
今の雪乃は
ただ自分の存在が、否定されるということだけに反射的に怒りを感じている
白坂雪乃は、瞬間瞬間の感情だけで生きている
論理的に雪乃と、心を交わすことは不可能だ
雪乃はただ自分の感情を害することがあれば、大声で喚き暴れ
自分にとって好ましいことだけを要求する
そうだ要求するだけで
雪乃は絶対に、自分から努力して得ようとはしない
自分という特別な存在は、常に与えられて当然だと思っているからだ
ちょっと味が薄いわよっ、これっ胡椒とか無いのっもおっ
だから、これだけ言われてなお
メグとマナの作った食事を食べ続けている
メグとマナがオレを見ている
もういいよ雪乃は
雪乃とは、もうできないよ
メグとマナの顔が、パッと明るくなる
雪乃は無視して、ムシャムシャとサラダを食べている
そう判ったわ
雪乃さんのことは、あたしたちが監視するわあなたたちは、もう寝なさい
ミナホ姉さんの言葉に、マルゴさんが小さく頷く
この後、雪乃はまた監禁されるのだろう
今度は、絶対に逃げ出すことはできない
雪乃、食べ終わったら食器は流しに置いておいてあなたでも、それくらいのことはできるでしょ
さよなら、雪乃さんもう二度と、会えないと思うけれど、清々するよっもし、万が一、街でばったり出遭っても話し掛けてこないでね警察呼ぶからね
マナは、最後まで雪乃に酷い
さあ、行こうお兄ちゃんっ
ええヨシくん
2人が、オレの両腕を掴む
ちょっちょっと、待ちなさいよっ
待たない
オレは、メグとマナと無言で、部屋を出る
ありがとう、ヨシくん、あたしたちを選んでくれて
左右から、オレに抱きつく2人
オレはそのまま、しばらく廊下を歩く
ヨシくん、どうしたの
お兄ちゃん、泣いているの
オレの眼に涙が溢れてくる
どうしてだろう
どうして涙が
ねえ、大丈夫、ヨシくん
どうしちゃったのっお兄ちゃん
ああ立っていられない
オレは、廊下に跪く
涙が
涙が止まらない
どうして、悲しいことなんて何もないじゃない
マナの声が耳に響く
全部、雪乃さんの自業自得なんだからっ
そうよっそれに、ヨシくんのお陰で、最悪の結末だけは避けられたわ
うん雪乃さん殺されたり、海外に売り飛ばされることはなくなったんだよっ大丈夫だって、市川のお祖父さんは良い人だから
そうよもう、ヨシくんは雪乃のことなんて、気にしなくてもいいんだからねっ
2人が必死に、オレに話し掛けてくれるが
オレの涙は止まらない
どうしちゃったんだオレ
何で泣いているんだオレ
はいはーい、ここはあたしに任せてっ
廊下の先から寧の声がした
ごめんね、2人ともこういう場合だけは、おっぱいの大きいお姉さんの出番なんだよっ
驚いているメグとマナ
いいからっ、いいからっそこ開けてっ
そして寧が、泣いているオレの前にやってくる
ほらっ、よっこいしょっと
寧は、オレの身体を引っ張り上げ自分の胸に、オレの顔を押しつける
寧の柔らくて暖かいおっぱいにオレは、顔を埋める
はい、どうぞ好きなだけ、あたしの胸で泣きなさいっ
ワーワーと泣いていた
寧の胸がオレの涙でグシャグシャに濡れていく
ホント好きだったんだよね
その言葉がオレの心を抉る
違うんですそうじゃ、ないんですオレが好きだったのはオレが勝手に自分の頭の中に創っていた幻想の雪乃であの雪乃じゃないんです
そんな言葉が零れ落ちる
うんうん判るよヨッちゃん
あんな女じゃあんな人間じゃないんです
そうだよねっそうじゃなきゃ溜まらないものねっ
寧は、オレの頭と背中を優しく撫でてくれた
だけどオレでも、でも、でも
入学式のあの日を思い出す
あいつは雪乃は、悪いやつじゃないんですっあいつは落ち込んでいるオレに、声を掛けてくれたんです
どうしたの、君具合、悪いの
優しい声で雪乃は、オレに
うん、判るよ白坂雪乃は、悪い子じゃないよね
オレを抱いたまま、寧がそう言ってくれた
でもそんなに良い子でも、なかったんだよあの子は
初対面の最初の一言だけで
ずっとずっと雪乃に親近感を感じていた
外面の良い子だからねきっと、ヨッちゃんじゃなくても、人当たりの良いことを言ったんだと思うよ
でもあの子は、面倒だったら、どんな物でも、どんな人でも、平気で投げ捨てていく子だから
もし、あの入学式の日
オレが親父の失踪のショックで、震えていたのではなく
本当に急病だったとしたら
やっぱり、雪乃はどうしたの、君具合、悪いのと、声は掛けてくれただろう
しかし、その後は
誰が、手近に居る押しつけられそうな人間にオレを任せて、自分は立ち去って行っただろう
ほら、元気を出してっヨッちゃんには、あたしたちが居るんだからねっ
寧が、オレをギュッと抱き締めてくれる
そうだよ、ヨシくん
あたしはヨッちゃんに恋しているよっ大好き、愛しているっ
あたしも、恋しているわヨシくんが好き
マナもお兄ちゃんが、大好きなのっ
あたしたちは絶対に、ヨシくんを見捨てないからずっと、ずっと一緒に居るんだからね
そうだよヨシくんっ
お兄ちゃんが泣き止むまで、ずっとここに居るよ
涙がスーッと収まる
家族なんだよあたしたちっ
そうだオレたちは、家族だ
オレはもう決して、一人ぼっちじゃない
本当は、あたしの役は渚お姉ちゃんが、適任なんだけれどね渚お姉ちゃんのおっぱいの包容力には、敵わないから
地下室へ戻る道すがら寧が、言った
でも、ほら渚お姉ちゃんは、今の時間は真緒ちゃんから離れられないから
渚は真緒ちゃんが夜中に目覚めた時、隣に母親がいないと寂しがるだろうと懸念していた
だから、今は同じベッドで眠っている
そしたら克姉かあたしのおっぱいの出番でしょうやっぱり、男の子の心を癒やすには、おっぱいが一番だからっ
マナが、自分の小さな胸を見る