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寧が、サッと話題を変える

いえ今はまだ、ご親族と関係者しか集まっていませんもうそろそろ、到着なさると思いますが、みすず様たちの控え室には通しませんので、ご安心下さい

オレたちは、昨日と同じ様に建物の中に入った

おい、誰がこいつをここに通したっ

突然の怒声に、オレはビビッた

慌てて、声の方へ振り向くと

谷沢チーフだった

ヤバイ、瑠璃子誘拐のこと、バレているのかっ

谷沢チーフは、オレたちの方を見ていない

こいつは、もう部外者だろうっ

しかしあの、どうしても谷沢チーフにお会いしたいとおっしゃるので

香月セキュリティ・サービスの制服警備員が、谷沢チーフに言う

ここは厳重警備区域だぞっ部外者を入れていい場所じゃないっ叩き出せっ

谷沢チーフの前に、土下座している体格の良い男がいる

人の影になっていて今まで、気づかなかった

お願いしますっもう一度、谷沢さんの下で働かせて下さいっ

山岡(元)部長だった

山岡氏は、一昨日ホテルで最後に見たままのスーツ姿だった

いや、スーツは全てヨレヨレになっている

その顔は真っ青だった

お前はクビにしたんだなぜ、そうなったのかも、ようく判っているよな

谷沢チーフが、山岡氏に言う

はいあれから、頭を冷やして考えてみて、いかに自分が甘い人間であったか、思い知りましたあ、あの自分は

必死な眼で、谷沢チーフを見上げる山岡氏

あの女とは別れることにしました

何だぁ

ギロッと、谷沢チーフが山岡氏を睨む

いえよくよく考えてみれば、自分にはすでに家庭があったわけで一時の感情から、あの女と生活していくのは、無理なわけですしいや、あいつにも、家族が子供も居るわけですし全てを丸く収めるためには、自分とあの女は別れるしかないとそう結論付けました

何が言いてぇんだか、オレには全然判らねぇよ

谷沢チーフは、怒りを抑えてそう言う

で、ですから元通り、警備部長としての復職ができるとは、もちろん思っていません係長班長クラスの待遇で構いませんどうか、自分を香月セキュリティ・サービスの社員に復職させてはいただけませんかっ

床に頭を擦り付ける山岡氏

自分は命懸けで、お願いに参りましたっ自分には、やっぱり、この道警護の仕事しかできないんですっ

その話悦子は、納得しているんだろうな

悦子工藤悦子

美智の母親であり山岡氏の不倫相手だ

いえ、あいつはどうしても納得してはくれなかったんで

それで、どうしたんだ

自分は逃げて参りました

逃げた

工藤悦子は今、どこに居るんだ

そ、それは、あの

だから、お前は、どこから逃げて来たんだ悦子を置き去りにして

谷沢チーフの問い詰めに山岡氏は答える

新宿のラブホテルです

はぁん

いやあの自分も、あいつも自宅には帰れなかったんですこんな、みっともない状態で社内での不適切な関係がバレて、クビになったということを家内や親族に話すことは、どうしてもできなかったので

お前いい加減にしろよ

オレは、お前たちの不倫関係なんかには興味がねぇお前がクビになった理由は、命令違反と職場放棄だっしっかりと、そう伝えたろうがっ

いや、あの表向きは、そういう理由だということは判っておりますいや、あの確かに、あの時、自分はあいつとの関係で頭の中がグチャグチャになっておりまして仕事内容に問題があったことは認めますがその

この人

谷沢さんだって、あの時、あいつに言っていたじゃないですかっあいつがオレとくっついていることでオレの仕事の邪魔をしているって

そうですってだから、別れて来ました別れて来ましたから、もう一度もう一度、働かせて下さいっ

いやホテルに置き去りにしてきたのを、別れたとは言わない

谷沢チーフし

山岡、オレはな決めているんだよどんなダメなヤツに対しても、1度目の時は我慢してやろうってな

その言葉を山岡氏は、肯定的に捉える

では自分に2度目のチャンスを下さるんですねっ

顔を上げて、ニカッと微笑む山岡氏

アホかっ

谷沢チーフは、その山岡氏の顔面を思いっきり蹴飛ばしたッッ

ムギュウッッ

変な声を上げて山岡氏の巨体が、ブッ飛ぶ

後ろの壁に、ドシンとぶつかって気絶した

1度目の時は、我慢したんだ2度目の時は、当然、鉄拳制裁するッッ

いや、鉄拳じゃなくて足が出たじゃないか

おい、こいつを捨てて来い二度とオレの前に連れて来るなっいいなっ

制服の警備員たちがビビリながら、山岡氏の身体を引きずっていく

まずいところを見られたな

谷沢チーフが、オレたちの方へ来る

何だ、お嬢ちゃん金髪は止めたのかうんうん、その方が可愛いぞやっぱり、女の子は黒髪が一番だ

寧を見て、そう言う

あたしは金髪だけれど

マルゴさんが、ニヤリと笑って言う

日本人はって、話だよお前は、金髪の方が似合っているから、それでいいんだ

谷沢チーフは言った

ああ、この人はマルゴさんが、アメリカ人だってことは知っているけれど

マルゴさんの自分の金髪に対するトラウマは知らないんだ

今の話工藤の美智ちゃんには、言わないでやってくれ

自分の父親を捨てて家を出た母が早速、相手の男に愛想を尽かされて逃げられたというのは、確かに聞きたくない話だろう

ところであたしたちの家の前で、キャンプしている谷沢さんの部下たちのことなんですけれど

マルゴさんが話を切り出す

お心遣い、ありがとうございますあの人たちが、警察の人たちを牽制してくれるお陰で警察があたしたちに絡んでこないですから

わざと香月セキュリティ・サービスの監視者が居ることの、良い部分だけを挙げて感謝する

そういう皮肉はカンベンしてくれ今のあんたたちはどうしたって、監視せざるを得ない恭子だけじゃねぇからな

この場ではミス・コーデリアの名前は出せない

あいつらが、日本で大人しくしている保証がありゃあ、話は別なんだがな

探るような眼で、マルゴさんを見る谷沢チーフ

本当に、食えない人だ

そういう交渉はあたしじゃなくって、恭子さん本人か、組織のボスである御名穂としてよあたしはただの、現場担当者なんだから

ふんそうだなマルゴお嬢ちゃんに言うのは、筋違いか

谷沢チーフは、笑った

あ、そうだ現場担当者で思い出したんだけれど、山岡さんの次の警備部長って、もう決まっているんでしょ

マルゴさんが、ごく自然に話を変える

ああ、今日から陣頭指揮を執らせている

せっかくだから、挨拶しておきたいな現場担当者同士でさ