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鷹みたいな眼だねあの子

寧が、そう言ってオレに身体を寄せてくる

オレの手をギュッと握って

ならイチャイチャして、見せ付けてやろうっぐっしっし

そんな、後で不機嫌になった美智の相手をするのは、オレなんだよ

いいじゃん相手してあげなよっ

オレの首筋に、寧はチュっとキスをする

寧の甘い匂いがする

今はあたしの相手をしてっ

オレは、寧の手を優しくさすった

美智は、無表情でオレたちを見ている

まあ、その無表情が一番怖いんだけれど

一方、みすずは泣いている瑠璃子の相手をしている

この数百人の会葬者の中からオレの姿を見つけることよりオレの命令を守って、瑠璃子を監視することに全力を注いでくれている

うんうんみすずも、後でたっぷり可愛がってやろう

というかオレのみすずは、本当に可愛い

あっちは、相変わらずだねっ

寧の見ている方は

喪服のジッちゃんは数珠を握りしめて、黙祷している

その隣の美子さんは泣いている瑠璃子が気になって仕方がないようだ

しかし、壇上の二人の席は棺を挟んで、離れている

美子さんには、どうすることもできない

ねこのキトウ、どれぐらい続くの

亀頭

いや、ほら仏教の僧侶が、呪文を唱えているじゃないか

ああ祈祷か

つーか、仏教の僧侶って

いや、マルゴさん的には、色んな宗教の僧侶がいるのか

マルゴお姉さん、あれはお経

オキョーごめん、あたし、仏教の形式のお葬式は、初めてだから

そりゃアメリカ人で、インディアンの血筋の人だもんな

あれはね、お釈迦様の話したこととか、やったことのストーリーを読み上げているんだよっ

キリスト教の儀式での、聖書朗読みたいなもの

そうそうただ聖書の朗読は、一節だけだけどお経は、長いんだよねえ

寧が、うんざりした顔をする

そんなに長いの

えっと、20分から30分ぐらいだと思いますよオレの祖父さんの時は、そうでしたから

母方の祖父さんは香月家ほどではないけれど、一応は会社の社長だったから

それなりにお葬式の規模も大きかった

もっとも、オレと親父は親族席には座らせて貰えなくて

受付とかの仕事をしていたんだけれど

オレの母親は祖父さんの棺の横に、ずっと座っていて

もう、思い出したくないな

バァちゃんの時は

お葬式らしい、式はやってないし

ああ、聖書朗読よりもchantなんだね音楽性が感じられるなるほど、判ったよ興味深い

そのマルゴさんの言葉の意味はオレには、判らない

では、ご焼香をお願い致します

司会者のアナウンスで、焼香が始まった

まずは、ご遺族・ご親族様、どうぞ

ジッちゃんが、一番に焼香する

それから、瑠璃子の母親

美子さんが3番目

会葬者たちの中から、小さなどよめきが出る

本当なら故人の娘である、瑠璃子が先に焼香するべきだ

続いて、みすずの父母

瑠璃子は、遺族の最後に焼香した

抹香を香炉に落とした瞬間に瑠璃子は、わっと、泣き出す

やばい、そのままへたり込んだらノーパンのお尻が、観衆に丸見えになる

美子さんが、慌てて飛び出そうとするが

ジッちゃんが、サッと手を出して制する

代わりに、みすずと美智が飛び出す

参列者席からは仲の良い従妹と、そのお付きが、瑠璃子を助けに来たようにしか見えないだろう

だが、実際は強制連行だ

美智が、こっそり瑠璃子のお尻をポンと叩いている

瑠璃子は、腫れた尻の痛みに耐えながら自分の席へと連れ戻される

続きましてご親族様、お願い致します

まずは、香月家の分家筆頭香月操の父親から焼香する

あれ、何をやっているわけ

マルゴさんは、お葬式の作法に興味を持ったらしい

えっとお香を、火の上に落としているのかなっ

1回きりじゃ無く、何度もやっているよねどうして

うんと良く知らない

オレも知りません

理由なんて

そうなんだこんなことなら、昨夜のうちに日本のお葬式について詳しく調べておけば良かったな昨夜は、ちょっと忙しかったから

そう言うマルゴさんに、寧は

何言ってるの、マルゴお姉ちゃんもやるんだよあれ

ていうかここに列席している人、全員やるんですそういうルールなんです

やらないと宗教儀式的にマズイとか、そういうこと一人でもやらない人間が出ると、死体がゾンビ化するとか

そういうのはちょっと判らないですでも、みんなやることになっています

マルゴさんは、困った顔をする

あれかなその儀式に参加すると、あたしも仏教徒って認定されちゃうのかな

そんなことないから大丈夫だよ多分

寧が、答える

いいのかなあたし、アメリカ人だけど

気にしなくていいと思いますよ

ていうかあたし、できるかなあれ、何をどうやっているわけ

あははあたしは、前の人のすることを見て、真似するだけだから

オレもそうです

そんなんでいいのホントあたしが儀式の手順を間違えて、それでゾンビになっても知らないからね

大丈夫ですよ誰かの焼香の仕方が変で、それが原因でゾンビ化してたら日本中、ゾンビだらけになってますから

うん平気だって日本には、ゾンビ居ないから見たことないもんねっ

オレと寧で、そう断言した

続きましてご会葬の方々のご焼香となります

アナウンスと共に、順番に焼香となる

ほらっ、あたしたちも行こうっ

寧が、オレたちを引っ張る

あ大丈夫みたいあたし以外にも、外国人の人来ているわ

焼香の列の中に白人の顔を見つけて、マルゴさんは安堵する

そう言えばさ、遺体には刃物を持たせておくんだよね

あバァちゃんの遺体は、何か持っていた気がする

あれってさ、刃物を持っていないと悪魔が遺体に取り憑くからだってさ

寧は言う

後、ネコも遺体に取り憑くって言うよね遺体を、踊らせるとか

ってことはそれが日本版のゾンビなのかもしれないねっ

焼香の順番が近付いて来る

さすがにこれだけの人数だから大きな香炉に、一度に5人ずつ焼香している

ジッちゃんや、瑠璃子やみすず遺族たちは、その度ごとに焼香者に頭を下げる

うん大体判ったよ

前の数人の焼香する様子を見てマルゴさんが、そう言った

さて、オレたちの番だ

寧はそれまで繋いでいたオレの手を離す

みすずが、ギロッと睨んだからではない

故人とご遺族に礼をして焼香

また、礼をする

ジッちゃんたちも頭を下げる

瑠璃子は、泣きすぎてもう、心が半分飛んでいってしまっている

その姿がまた、会葬者たちの憐れみを誘っている

美子さんが、オレをもの凄い形相で睨んでいる