谷沢さんならこんなガチガチな計画を作る
いえ多分、大枠だけで細かいことは、現場で直接指示なさると思います
小石川さんは、答えた
谷沢さんのそういうやり方が現場が大変になるからって、あなたたちに好かれていないことは知っているわでも、あたしたちは要人警護の専門家なんですから、手間を惜しんではいけないわよ
並んでいる警備員たちの顔を1人1人見ていく関さん
責任は、全てわたくしが取ります大変だと思うけれど、今から変更してちょうだい
小石川さんは
そして、彼女は部下たちに告げる
部屋の変更は、関さんのおっしゃった通りに室内担当者は、もう一度、全ての部屋に爆発物、盗聴器、カメラなどが設置されていないか、もう一度確認して下さい外回りの人は、狙撃される可能性のあるポイントの確認を
あ、外の人は部屋の変更がバレないように、元の予定の部屋の方のチェックに時間を掛けるのよでも、本物の部屋のチェックも怠りなく警備員に一番大切なのは、演技力だからね
小石川さんみすず様・瑠璃子様のお部屋の最終確認は、わたくしがやるから
今日は、瑠璃子様がナーバスになっていらっしゃるのこちらにも告別式の映像は、届いていると思うけれど
とても、お嘆きでいらっしゃいましたね
閣下も気になされているから今日は、わたくしが瑠璃子様の方に付きます閣下のお部屋には、小石川さんが付いて専任警護人の化け物みたいなオジサンが2人付いてくるから男の子たちは、敬遠したいでしょ
大徳さん、張本さんが居るから室内の警護は問題無い
むしろ、大徳さんたちによる被害を減らすために女性の小石川さんを表に立たせたい
た、助かります
若い男の警備員から、声が上がる
じゃそういうことでお願いねあ、この班でインカム余っていたら、一つ貸してくれないかしら
インカム
はい、これをどうぞ
警備員の1人が、関さんに四角いラジオみたいな機械を手渡す
イヤホンと、マイクの付いた
無線機か
ありがとうみんな判っていると思うけれど、今日の作戦は浅見新部長の査定を兼ねているから浅見さんが到着したら、わたくしからは直接、あなたたちに指示することはないわただ、情報だけわたくしにも送ってくれるかしら
了解しました
小石川警備員が、そう返事をした
関さんとみすずや瑠璃子が来る予定の第三控え室に入る
ちょっと待っててねすぐチェックするから
関さんは、小型の機械を取り出す
これは、盗聴器の電波なんかをチェックする機械よ
控え室の壁廻りを、ゆっくりと歩いて行く
録音機だけ置いておいて、後で回収するっていう手もあるからゴミ箱の中とか、押し入れの裏なんかも見るわ
開く場所は、どんどん開けて中を覗いていく、関さん
隣の部屋から壁越しに盗聴する可能性もあるから1部屋、無人の部屋を作ってあるのそれは定番なんだけれど浅見さん、どこまでも教科書通りだから閣下とみすず様・瑠璃子様の部屋は隣同士でいいわけじゃない警備的にもねそういうことが気付かない人みたいね
関さん凄いんですね何か、ホテルの時と全然違います
オレは、すっかり感心していた
それはだって、わたくしの専門は、こっちだものヨーロッパで、テロ対策の専門教育を受けていたことは話したわよね
そりゃあ、この間のホテルみたいな実戦だっていつでも、こなせるように訓練はしているけれどああいう立ち回りは、本来、藤宮さんの担当よ
うん、麗華は戦闘特化の人だから
あたしは、トップ・エリートの中でも閣下の専任警護人だから警備計画の立案や、現場指揮もするわよ閣下の行かれる場所には、全部付いていくんだから他の企業や名家の警護人との交渉もするし外国に行かれる場合は、そこの警察関係者とも協力して貰わないといけないから総合力が必要なのよ
関さんは、微笑む
まあ何でも屋ようん、OK
関さんは、室内のチェックを完了する
関さんのインカムが、ビーッと鳴る
正面入り口に閣下が到着致しました
オレにも聞こえるように、外部スピーカー・モードにしてくれたらしい
関さんが、時計を見る
25分遅れで出発して20分遅れで到着浅見麻美、その程度の女か
あなたは、ここに居て小石川さんには、伝えておくから
わたくしは一応、閣下と谷沢チーフに顔を見せておかないとあなたと一緒じゃないところを見せておけばわたくしが、あなたを連れてきていることには2人とも気付かないままにしておけるわ
他の警備員たちが谷沢さんと接触する前に親しく話している様子を、みんなに見せておくわけそうすれば、誰もわたくしと一緒に居たあなたのことを谷沢チーフに報告しないわ谷沢チーフは知っているものだと、思い込むでしょうから
す、すごい
そうね20分ぐらいは、1人で待っていて閣下たちは、先に焼き場の方へ行かれるはずだから最後のお別れをしてお棺を炉に入れてそれから、この控え室にいらっしゃるはずよ
ここで待っていればみすずも、瑠璃子も、美智も、やって来る
じゃあ、1人でゆっくりしていて
関さんは、1人で部屋から出て行こうとする
あの関さん
色々とありがとうございます
オレは、頭を下げる
いいのよ、気にしないで
関さんは笑顔で退出して行く
一人きりの控え室
オレは、靴を脱いで畳の上に上がる
ゴロンと寝転がる
一人っきりってしばらくぶりな気がする
少し休もう
ここのところずっと気を張っていたから
ちょっと、くたびれている
オレは軽く眼を閉じる
そのまま、少し休憩するだけのつもりだった
なのに、オレは
スーッと眠ってしまって
ドアの開く音で、ハッと眼を覚ます
みすず、美智、瑠璃子が立っていた
オレは、香月セキュリティ・サービスの制服だし
ダテ眼鏡をしているし
髪の毛は七三だし
旦那様、どうしてここに
みすずは、すぐにオレが判ったらしい
いや、あの先回りして、お前たちを待っていた
嬉しいです
旦那様が、待っていて下さるなんて
急いで、草履を脱いで畳の上へ
一方、瑠璃子は
どーんと暗い顔をしている
一気に、絶望のどん底に突き落とされたような
お上がり下さいませ
そんな瑠璃子を、美智が強制的に部屋に上げる
旦那様今、お茶を煎れますねぇっ
和服のみすずが、パタパタと働く
瑠璃子を部屋の奥へ座らせてから
美智が、オレの方にやって来る
もの凄く、真剣な顔をして
美智何も問題はないな
それが現在進行形で、とても大きな問題が発生しております
な、なんだって