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ミッチィは、全否定をした

ま、いいけど女の子は、いずれいなくなるもんだしな

全員が車内に入ったところで工藤父は、車のスライド・ドアを閉めた

このタイタンボーイは、完全防弾仕様だって言っていた

とりあえずこの中から、安全だ

トニーくんは、もう食ったんだな

では、トニーくんは周囲の監視だ

耳だけは、こっちに傾けておくんだぞ

ノーマくんも聞こえているな

はい、ボス

スピーカーから、声がした

携帯電話をハンズフリーの状態にして、歩きながら車内の会話が聞けるようにしているんだろう

ネコは、素麺を食っててくれオレは、こいつらの相手をするから

工藤父が、ネコさんに素麺を勧める

あら、美味しそういただきまーすっ

ネコさんは、ちゅるちゅると食事を始める

さてとまず、少年何でオレが、ノーマくんをあんなに叱ったか理由が判るか

工藤父が、オレをジロリと見る

それは今までの情報では、ロレンザッチョ・バンディーニは、マネージャーで戦闘能力は無いっていうことだったから警戒態勢に居る人たちは、バンディーニが来ることは想定していなかったでしょうから警戒に対する心構えが違ったと思います

それだけか

バンディーニに、ライフル射撃の経験があると判っていたら狙撃についての対策をもっと充実させる必要があったわけで

とりあえずはそれだけだな

でも、大きなことだ警戒対象者がどんな人間かってのは大切だしライフルの方は、もっと重要だな

ていうかさライフルによる狙撃ってのは、ちゃんと習わないと身につかねいもんなんだよ

素麺をすすりながら、ネコさんが言った

今回の敵はロサンゼルスの殺し屋集団だろほとんどが、ロサンゼルスの貧困地区の少年ギャング上がりだそりゃみんな、銃を撃つことには慣れちゃているがそりゃ、ピストルで人を撃ったり、近距離で銃撃戦をするっていう経験が豊富なだけでライフルで射撃なんてのは基本的にはできないのが普通なんだよ

今時は、猟師のセガレで子供の頃からライフルを撃ってましたなんてやつはまずいないからね軍隊でそういう部隊に居たか、今回のケースみたいにライフル競技の経験がある人間で無いとスナイパーになんてなれないんだよ

狙撃用は、ライフルも弾も高いしな普通の犯罪者は、なかなか足を踏み入れないんだよ

ネコさんの解説に、工藤父が付け足す

だから前もって敵対勢力のファイルを調べて、軍歴のある人間がいなければ普通は、狙撃の可能性は消去する今回、それを無視しなかったのは、工藤ちゃんだからだよこの人は、可能性が1パーセントでもあったら、無駄だと判っていても対応するオトコだからね

それでネコさんたち警戒部隊は、狙撃可能ポイントをあらかじめ特定していた

だから、ライフルを持って現れたロレンザッチョ・バンディーニにすぐ気付いたし、捕らえることもできたわけだ

でもやっぱり、あたしたちも人間だからねえ狙撃の可能性が少ないと思い込んでいれば、チェックの手を抜くこともある正直、みんな別働隊による襲撃の方を予想して行動していたよ

ああネコの担当地域じゃなかったら、バンディーニは捕まえられなかったかもしれないつーか、オレとミッチィくんは狙撃されて死んでた可能性もある

だからシザーリオ・ヴァイオラの手下に、競技ライフル経験者が居るって情報を見落としたのはデカイんだよ

いや、工藤父ですら、狙撃者の現れる可能性は少ないと思っていたんだ

もしスナイパーが現れたとしても、そっちは別働隊の行動を成功させるための陽動で、射撃の腕は大したことがないって踏んでたんだろ

ネコさんが、工藤父にニヤッと笑う

そうさだから、オレは確実に狙撃者を捕獲するために、射撃の瞬間を狙って捕まえろって指示していたんだ

それで銃弾が一発だけ、飛んで来た

工藤父もミッチィも、上手く避けたけれど

でもオハイオ州で6位の腕前なら、銃撃する前に捕らえさせたよそんなやつにスコープで覗かれるのは、危なくていけねぇや

だからさぁ香月セキュリティ・サービスのあのお嬢さんが、一番謝らないといけないのは工藤ちゃんとミッチィちゃんなんだなのに、あたしたち外回りの人間に謝りに行かせることを優先するなんて工藤ちゃんは、大人だねぇ

そういうことじゃねぇよきちんとネコたちに謝罪しないと、今後ノーマくんは仲間内でナメられるだろ困るんだよそういう部下が居るってことが噂になると、今後のオレの活動に支障が出るオレは、てめぇのことしか考えていねぇからな

何言ってんだい工藤ちゃんは甘いよあたしの部下だったら、即刻、クビにしているところだよ

そうもいかねぇんだよ香月のジィさんからの大切な預かり物だからな

工藤父は、ハァと溜息を吐いた

ところであたしにだけ素麺をご馳走してくれた理由は何

ネコさんが、ジロッと工藤父を見る

ネコお前、あの車気に入っているか

工藤父はロレンザッチョ・バンディーニを捕縛したままのネコさんの軽自動車を見て、そう言った

気に入っているけれどどうせ、仕事用のカムフラージュに使っている車だよ工藤ちゃんが必要ならやるよ

弁償はするよ

えどういうことなんだ

工藤ちゃんは、やっぱり凄いねあたしは、そこまで考えなかったのこのこと、あの外人を連れてきちまった

ネコさんは、口惜しそうにそう言った

トニー警戒している連中から、他にシザーリオ・ヴァイオラの部下らしいやつを見掛けたっていう情報は入っているか

いいえ、何もありません

工藤父が、ネコさんを見る

シザーリオ・ヴァイオラの右腕でマネージャーっていうことになっている男が敵に捕まったんだもしこれが、やつらの想定外のことなら、何らかのアクションが無いとおかしいだろ

そうだ普通なら、必死で取り返しに来るはず

マネージャーなら、ヴァイオラに関する様々な情報を知っているだろうし

トニー、タイタンボーイを移動させろ学園側に、30メートルほどだネコの車から離れるんだゆっくりだぞ

トニーさんが、車のエンジンを掛ける

この車は、対爆仕様にはしてあるが少しでも安全な方がいい

ロレンザッチョ・バンディーニに、爆弾が取り付けてあるということですか

確証は無ぇがオレなら、そうするなロレンザッチョ・バンディーニが捕まれば、普通なら、情報を聞き出すための尋問するだろその瞬間に、爆発させれば

尋問者たちは、全員爆死だ

しかしシザーリオ・ヴァイオラが、そこまでするかい自分の右腕だろ

ネコさんの言葉に工藤父は

ロレンザッチョ・バンディーニは、戦闘には参加しないっていう情報はガセだったてことはロレンザッチョ・バンディーニは、シザーリオ・ヴァイオラの右腕でマネージャーっていう情報も嘘なんじゃねぇか