運転手は無線機を持っていないのっ
浅見さんが部下に怒鳴る
持っているはずですけれど返答がありません
誰だ、あれ誰が運転している
車両部の杉浦じゃないのか
違う杉浦じゃない
バスの運転席に居るのは
香月セキュリティ・サービスの制服を着ていて制帽で顔は見えないけれど
あれはマルゴ・スタークウェザー
オレの最も信頼する仲間の1人だ
おい、止まれぇぇぇっ止まれぇぇぇっ
黒服警備員が、そう言ってバスの方へ飛び出そうとした瞬間
大型バスは、ブオオオとエンジンを唸らせてさらに加速する
このままでは、バスごと行列に飛び込んで大惨事だ
うわわわぁぁっ
気でも狂ったのかっ
すでに若い人たちは、道を渡りきっている
老人たちには、警備員たちが付いて前に進ませる
失礼致します、閣下
大徳さんが、ジッちゃんを抱きかかえる
そのまま、後ろへ走る
ジッちゃんたちの位置なら、前に進むより後ろに戻った方が近い
みすずや瑠璃子たちも走って、元の歩道へ上がる
張本さんがガードに付いてくれていた
一つの塊だった、50人の行列が真っ二つに、分かれる
キキキキキーィッ
急ブレーキを掛けると同時にマルゴさんは、思いっきりハンドルを廻した
バスは車体のお尻を大きく振って、側面を向けて止まる
ボアアアアアッ
バスの前に、白煙が上がる
運転席から、発煙筒が投げられた
誰か、逃げたぞ
逃がすな
バスの窓から飛び降りた人影が白煙の中を駆けていく
今は良いそんなことより、今は皆さんの安全を確保しろ
谷沢チーフの怒号が響いた
何が最重要なのかを、考えろっ
慌てて黒服たちが、二つに分かれた警護対象のガードに付く
谷沢チーフ、オレを見てニヤリと笑った
今の混乱に乗じてあなたが、瑠璃子様たちを連れ出すと思ったのよ
警備員が前後に分断され、手薄になった上にバスの運転手の方に、注目が集まっているからこの隙を付いてね
なるほどそういう手か
だけど、オレはマルゴさんに、何の指示も受けていない
谷沢さんあなたたちのこと、舐めているわね判っていないわ
え関さん
本当に、現場を混乱させるのだけが目的なら発煙筒の量が少なすぎるわよ
発煙筒の白い煙は、もう消えかかっている
ギシッ
ギシギシッ
完全停止したはずのバスが揺れている
これ、サスペンションが上下している音か
あはぁーんっ
バスの中から女の喘ぐ、声がする
いいわぁっもっとよっもっと、もっと狂わせてぇぇぇぇっっ
ギシッギシッギシッ
眼をこらすとバスの最後尾の座席に全裸の女が乗っている
自分で自分のおっぱいを鷲掴みにしながら激しく、腰を上下させている
いいわぁぁ、いいわぁぁ中で出してぇぇ、また、中で出してぇぇぇぇっ
な、何をしているんです岩倉さん
な、何をしているんだっそこで
1人の黒服警備員がオレの心を代弁して岩倉さんに怒鳴った
何しているかってぇ見れば、判るでしょナニしているのよっっ
バスの窓をこじ開けて岩倉さんが、顔を出して言う
欲情しきった眼で
ダイナミックに腰をうねらせる岩倉会長
バスがまた、ギシギシと揺れていく
も、もうカンベンしてくれぇぇ
ダメよおっ満足させてくれる約束でしょもうすぐもうすぐだから
岩倉さんが、情欲に濡れた眼でバスの外の集団を見下ろしている
あたしイキそうまた、イッちゃうあなたのご親戚の皆さんの前で、またイッちゃうううっ
バスの外の人間は全員、ただ唖然としていた
あのお姉さん、どこへ行っちゃうの
香月家の分家の低学年ぐらいの男の子が、親に尋ねる
み、見ちゃいけませんっあんなものっ
眼の前に現れた痴情の女を見せないように、母親は子供の眼を手で覆う
いいからあんな汚いものは、見なくていいのよっ
汚い綺麗なお姉さんだよハダカンボだけれど
もういいからっ
あああっ、イク、イク、セレブの人たちと警備の皆様の前で、あたし、イッちゃう、イッちゃう爆発、ポンしちゃううううっっ
伸び上がり、身体を弓なりに反らす岩倉さん
ヤベェ、オレも出る、出る出ちゃうっ
出しちゃいなっあたしも、イッちゃうううっ
ああああああっ
出てるっ、出てるっ、子宮が熱いのっ熱いのまた、来てる、入ってるあああんっ、イク、イクあたしイっクぅぅッッッ
壮絶に岩倉幸代が、絶頂に飛ぶ
イクながら、グイグイと腰を振って男のペニスを締め上げる
最後の一滴まで、絞り取るように
ふうはぁうきゅーんお腹イッぱぁいっくふふふっ
岩倉さんは、満足そうに微笑んだ
ねえ、みんな見てくれたぁあ・た・しのエクスタシーっうっふん
痴女丸出しだなホント
な、何者なのあなた
浅見さんがバスの中の岩倉さんに言った
ええっとねねえ、あなた、皆さんに何て説明すればいい
岩倉さんは、自分が跨がっている男の身体を力尽くで、引っ張り起こす
男の顔がバスの窓に現れる
な、何やっているの、仁
姿が見えなくなったと思ったら仁
ちなみに、角田文和くんもその辺にいまーすっ仁ちゃんとは、6回目、角田くんとは5回エッチしちゃってまーす
痴女は、笑う
うちの息子から、離れなさい
離れるも何も仁ちゃんのオチンチン、まだあたしの中に入ってまーすっ
岩倉さんは、絶好調だった
これで赤ちゃんができた場合仁ちゃんと角田くん、どっちが責任取ってくれるのかなぁ楽しみだなあっ
岩倉さんの痴女劇場は続く
お祖父様瑠璃子が、気分が悪いそうです
困惑する、香月家一族と警備員たちの中で
みすずが祖父に声を掛ける
ガントレットは、イーストウッドの映画の方で
済みません、体調不良です
昨日、山は寒かったので
もの凄く、具合が悪い
そしたら、母が
お参りするとそういうことがあるのよ次は、宇都宮の神社に行きなさいそこもあらたかなんだって
あらたかは、霊験あらたかの略らしい
前も書きましたが私の母は、同年齢ぐらいの老女向けの洋服屋をやっています
お店に来るお客さんとは、病気と病院と旅行と御利益の話ばかりみたいです
**さんのお母さんが入院した時に、そこの神社へ行ったら病院のお母さんの枕元に、神社の宮司さんが来たんだって
それで治ったの
ううん、病気は治らずに亡くなったそうだけどとにかく、枕元までは来たのよ
老女たちの会話は、よく判らないです
399.出世しまーす
大丈夫、瑠璃子
大きな声で、みすずが言う