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谷沢チーフは、笑顔で言った

そ、そんなな、なぜわたくしなのですか

関さんは、驚きの余り、ろれつが回っていない

わわわ、わたくしは若輩者の、一警護人ですよ

何言ってるんだ、君は最初っから幹部候補生として採用したんだぞ

か、幹部

ヨーロッパの専門機関で要人警護を学んで来た、スペシャリストだろう君は

いや、そのたた、確かに、そうでございますけれど

そもそも入社したばかりの君が、閣下の専任警護人に選抜された理由が判っているのかね

え、え、え

関くん君は、大徳と張本あの2人の化け物と、自分が並び立つ様な警護人だと思っているのかね

大徳さんも張本さんも恐ろしい戦闘力を秘めた、ボディ・ガードだ

ホモだけど

いえそれはでも、閣下はご高齢ですし内外の様々な重要人物とご歓談なさいますから、わたくしの様な女の警護人も必要なのではないかと

その通りだどこへ行くにも、あの筋肉の塊みたいな大男2人だけでは、見栄えが悪い君のような、知性的な美人が居てくれるお陰で大徳たちの男臭さが和らぐ

はい、わたくしの役割などそんなようなものだと思っておりましたわたくしは、あくまでも大徳さん、張本さんをフォローする存在だと

実際一昨日の劇場で、関さんはジッちゃんの警護を離れて、みすずと瑠璃子の警護をする様に命じられている

関さんも、それに従っていた

ジッちゃんの専任警護人なのに

つまり、あくまでもジッちゃんに常にびったり貼り付いているボディ・ガードは、大徳さん、張本さんの仕事で

関さんは、常に貼り付いている2人にはできない仕事をする係例えば、今日、火葬場に到着した時にやっていた先乗りなんかをする係なんだろう

あるいは、ジッちゃんの指示で、あちこち飛び回るとか

だから、何でそういう仕事を、君にさせてきたと思う

関さんは、口籠もる

この数年君は閣下のガードとして、様々な人たちとお会いして来たろう他家の警護人との打ち合わせも、大徳たちでなく、君が担当して来たはずだ君は、香月セキュリティ・サービスの中では、もちろん知らない者がいないほどのエリート社員だが今では、国内外の警護業界でも顔の知れた存在になっているはずだ

は、はい閣下が外遊なさる時の各国の警察機関との交渉も、わたくしがやっておりますから

ああつまり、君にはすでに香月セキュリティ・サービスのトップになる資質は充分に備わっているということだ

谷沢チーフは、ニッと微笑む

というよりもトップになる人材として、閣下とオレは君を鍛えてきたそう理解して、欲しい

関さんは開いた口がふさがらなくなっている

もちろん、オレも閣下もこれまで何度も、君を試してきた君がトップを担えるほどの胆力を見せなければ、いつでも普通の警護人に降格させるつもりだっただが、君は見事に閣下とオレの期待に応えてくれた

一昨日の劇場から、ホテル

関さんが、ずっとオレたちと一緒に行動していたのも

ジッちゃんたちのテストの一環だったのか

比較対象として、一緒に送り込んだ藤宮は場の流れに囚われて、自分の立場を見失ってしまったしかし、君は自分が、香月セキュリティ・サービスの警護人であるということを最後まで忘れなかった

麗華はオレたちの家族になるという提案に、あっさり乗ってしまった

しかし、関さんは最後まで返事を保留にしたまま、香月セキュリティ・サービスの警護人として闘った

だからホテルの事件の後も、ずっとオレたちと一緒に居る今の香月セキュリティ・サービスには、麗華の戻れる場所は無い

一方関さんは、ホテルの現場の後始末にも立ち会っていたし、昨日、今日のお葬式の警備にも参加している

香月セキュリティ・サービスの一員として

今日も見事だった浅見くんの行き届かないところを、関くんが的確にフォローしてくれた

谷沢チーフは、さっきの火葬場での黒服警備員たちとのやり取りを言っているのだと判った

浅見さんの警備計画のマズいところを現場レベルで修正する

技量のあるやつには、裁量権を増やしてやり警備計画の根幹を引っかき回すことなく、修正の必要があるものだけを最低限修正させる浅見くんは、君が閣下たちの控え室を入れ替えたことに気付いていなかったよ全て、自分の立てた計画通りに、下の人間が動いていると思っているようだ

必要最低限の変更だから浅見新部長は、気付かなかった

そもそも、あの人は自分の眼で、現場確認を細かくするような性格じゃないもんな

あれ、閣下の部屋、ここだったっけと、思っても改めて、計画書を見て確認したりしなかったんだろう

それも君が、担当警備員たちに責任は自分が取ると言ってやったからだ彼らは、堂々と胸を張って変更した部屋に閣下を迎え入れたから浅見くんも変だとは思わなかったんだろう

ところで関くんが今日した仕事は、オレがいつもやっている仕事だって気付いたかね

谷沢さん

現場責任者ってのは、どっしりしていないと、下のやつらが不安になるからな山岡が警備部長だった時はオレが今日の君みたいに、現場へ先乗りして、警備態勢に状況に合った修正を施してきたまあオレの場合は、やり過ぎたんだろうな結果として、山岡のやつの成長を阻害してしまったんだと思う

谷沢さんが、現場に出張り過ぎたから山岡さんは、頭でっかちな警備部長として、現場での臨機応変な対応ができない人になってしまった

うん何か問題が起きたら、山岡さんが気付く前に、谷沢チーフが配下のトップ・エリートや、工藤父たちを使って解決しちゃうんだもんな

山岡さんには、問題対処の経験値は溜まっていかない

いずれにせよ今日の関くんは、オレと同じ立場香月セキュリティ・サービスのトップとしての思考が働いていたことは間違いない個人の実績でなく香月セキュリティ・サービスの仕事として、何をすればいいかという判断だ

浅見さんは自分の栄達にしか興味が無かったから、要人警護の現場責任者としては失格なことばかりしていた

一方、関さんは自分個人のことは考えず、警護を最優先にして、現場の人たちに働きかけていた

はっきり言おう関くんは、今日の警備で浅見くんの新警備部長としての審査が行われていると思っていたのだろうが今日の審査対象は、関くん君だったんだよ閣下もオレも今日は、君を見ていた

下を向いてうつむく

マルゴさんと瑠璃子様の誘拐を画策致しました香月家の皆様に暴走バスを

何も、問題は無いさ

怪我人はいないし、物損も無いさっき言った通りバスの消毒とタイヤの摩耗ぐらいだ

しかし警護対象者の皆様を危険に晒したことに間違いはありません