嫌がってるオレには、そうは見えないけどなあ
ああ、オレたちに声を掛けられて、嬉しいって顔しているぜ
大学生たちは、いい気になって言う
嫌だよ、嫌っとっとと、どきなよっこのっ
寧が、喚く
ほらほら、言葉では嫌嫌言っててもなあ
ああ、顔の方はまんざらでもないって表情しているぜっ
こいつら
なあ、オレたちのテーブル行こうぜ
つーかさ、お前ら連れてかないと、石清水センパイに怒られちゃうんだよオレたち
人助けだと思ってさ
なあいいだろ
大学生2人は、気持ちの悪い笑顔で迫る
その後ろでテーブル席の5人の男は、瑠璃子と寧を無遠慮にジロジロと見ている と
うちの子たちに、何か用なわけ
マルゴさんが、来てくれた
マルゴさんは、革ジャンを脱いできている
シャツの袖もまくって
マルゴさんの筋肉質の肉体が、はっきりと判る様にしている
え、何すか
オレたち、ちょっとお喋りしていただけですけど
大学生2人は、小馬鹿にした態度でマルゴさんに対する
君たち2人と、後、あそこの5人か
マルゴさんは、ギロッと大学生たちを見る
体育部拳法か何か
え、そうだけど何で判るんだよ
筋肉の付き方を見れば、大体判るよ
あそこにいる石清水さんは、全国大会で3位になった人だからな
そういう人が、お友達になってくれるって言ってんだからさ
嘘だね
マルゴさんは、言い切った
あれが全国大会とかに出られる肉体なわけないでしょ君たち、もうちょっとマトモに練習した方がいいと思うよ
ぐッとなる、大学生たち
な、何だよ、てめぇ
そうだぞ、ふざけたこと言ってると、ブッ飛ばすぞ
アハハとマルゴさんは、笑った
あたしをブッ飛ばす君たちの方が、よっぽどふざけているじゃないか
あそこにいるセンパイに伝えてよあんたたち7人掛かりだって、あたしは負けないからってさ
2人は、マルゴさんに言い返そうとするがマルゴさんの強い視線に威圧される
そうだよ、あんたたちなんて、マルゴお姉ちゃん一人でペッチャンコにされるからねっ
さあ、戻ろうヨッちゃん、瑠璃子、行くわよっ
あ、待って寧あたし、コーヒーを貰って行くから
それぞれに飲み物を持ってオレたちは自分の席へ戻る
瑠璃子はすっかり怯えてオレに、しがみついて来る
大丈夫だ心配するな
オレは、瑠璃子の背中をさすってやった
ツナギの布地の下マイクロビキニの背中の紐が、感触で判る
あいつら、まだこっちを見ているよ
気にしないで今は、食事をすることに集中しよう
すぐに、オレたちの食事が届いた
さ、食べよう
平然と食べるんだよビビッてると思われたら、あいつらを喜ばすだけだからね
うん、そうだねっ楽しく食べよういっただきまーすっ
マルゴさんとペアで修羅場に慣れている寧が、そう言う
そうだな瑠璃子、心を落ち着けて、笑って食べよう
瑠璃子は、心配そうにオレを見る
オレは、ここに居るお前のすぐ隣に姉さんも居る、マルゴさんも瑠璃子が怖がる理由は、何も無いだろ
背筋を伸ばして食事に向かった
あー、あいつらが居るから飲み物のお代わりができないーっ
だいたい食べ終わったところで、寧が言った
せっかく、お代わり自由のドリンクバーなのにさっ
あたしが行って来てあげようか
マルゴさんが、そう言ってくれる
ダメだよ、マルゴお姉ちゃんがドリンクバーに行ったら、あいつらこっちに直接来るよ
じゃあ、またみんなで揃って行く
それも何かビビッてるみたいで、嫌だなあ
オレが行って来ます
マルゴさんは、コーヒーですか
うん、アイスの方を頼むよブラックでいいから
姉さんは
ヨッちゃん、危ないよ
いいからオレ男だからさ
こういうところで頑張らないとね
じゃあ、あたしアイスティ
レモンミルク
ストレートでいい
瑠璃子は驚きの顔で、オレを見ている
何がいい
わ、わたくしもアイスティのストレートを
オレは、ドリンクバーのコーナーへ向かう
歩いている途中で、気付いた
みんな、オレがササッと帰れるように飲み物を選んでくれた
ドリンクサーバーの機械を使うものは、ボタンを押してからコップを満たすまで時間が掛かるけれど
アイスコーヒーやアイスティーなら、大きなポットに煎れて置いてある物を注ぐだけで済む
しかも、ブラックにストレートだからシロップやミルクを取る手間もいらない
みんなオレに気を遣ってくれた
おい、お前
ドリンクバーの前に行くと、案の定さっきの二人が出て来る
オレは、無視してトレイを取り、飲み物を順に注いでいく
無視するんじゃねーぞ、こらぁ
オレたちを舐めてんのかぁ
あんたたちこそ、オレたちが何なのか判ってないじゃないですか
携帯持っているんでしょオレたちの背中に書いてあるのが何か調べてみればいいじゃないですか
黒の革ジャンに、|黒い森《BLACK FOREST》の文字
それだけ検索すれば夜の街で暴れるマルゴさんと寧の情報に行き着くはずだ
あの二人が、どれだけ凶暴なのかも
何も知らないで、オレらにケンカを売るなんて馬鹿げていますよ
オレは、そう言うとススッと飲み物を持って、テーブルに戻った
サンキュ、ヨッちゃん
マルゴさんと寧は笑顔で瑠璃子は、心配顔でオレを出迎えてくれた
大学生たちのテーブルに振り向くとあ、必死になって検索している
お兄様は素晴らしいです
小声で、瑠璃子は言った
とても勇気のあるお方なのですね
単に、ドリンクバーから飲み物を取って来ただけだし
そうか、瑠璃子は
超お嬢様校の中でも、特別扱いにされていたから
美子さんと二人きりで誰からも、触れられずに来た
こういうプレッシャーを感じる様な状況に陥ったのは、初めてなんだ
安心していいんだよっこれからも、ずーっとヨッちゃんが瑠璃子を守ってくれるからねっ
寧が、微笑む
はいよろしくお願い致します
瑠璃子が、オレに身を寄せる
あの人たち動くね
全員で携帯電話を睨んで検索していた7人の大学生たちは
ギロッとオレを睨むと、立ち上がって会計に向かう
あれれ、出てってくれるのかなっ
うん黒い森の噂を知って、逃げ出すことにしたのかな
違うよ外で、あたしたちを待ち伏せするつもりだよ
コーヒーを飲みながら、マルゴさんは言った
さあああいう人たちの思考は、よく判らないからね
そして、マルゴさんは瑠璃子を見る
瑠璃子さん、おトイレはいいもし行きたかったら、寧と一緒に行っておいであの人たちが店からいなくなったうちに